▲日本オリエント学会 『オリエント』2016年 59巻1号 1年に2回刊行 2015年以降の最新号は無料ダウンロードはできない。購入(1冊5000円)か学会入会(年会費10000円)
インターネットで読めるオリエント史・考古学文献
インターネットで無料でダウンロードして読めるオリエント史・考古学文献
中央公論社の世界史シリーズは、1960年代に一度出版されていた。その後30年後の1998年頃全30巻シリーズで出版。さらに、ほぼ10年後その後の研究状況を増補し、2008年頃から改訂増補の文庫版世界の歴史となっていた。
増補版から10年後の今、世界歴史の成果はどうなって来ているのだろうか。また研究紀要など、インターネットで読める古代史分野の雑誌はないものだろうか。
古代史の分野は、考古学の成果を丹念に取り入れて記述されたものであっても10年経つとさらに新発見によって、イコンの解釈すらも修正を迫られる箇所も見られるようになって来ている。
世界史の個々の分野では、だれでも自分の関心のある専門の領域を省き、中学・高校教科書の記述の記憶のままか、あるいは、1960年代中頃までの考古学調査の成果を基にした概要本の知識しか持ち合わせていないことが多い。
現役定年間近の頃、ちょうど改訂増補版の中央公論社版の『世界の歴史』30巻が刊行中だった、それでこの本の記述をもとに、増補された解説にある参考文献を頼りに、定年後はぽつぽつと、関心のある分野の巻から読み始めている。ここで引用されている参考文献のうち、引用回数の多い、研究誌『オリエント』、『西アジア考古学』など、専門の雑誌でインターネット公開されているものはないだろうかと、駄目もとで検索をかけてみると、ありました。
最近刊行され、販売中の数年のバックナンバーを省いて、かなりの年数の号が、デジタル化され、無料でダウンロードできるようになっていた。
▲中央公論社版 『世界の歴史』 初版1998年 文庫版は増補して2009年発行 総頁674頁
本文では1998年初版刊行時の1996・7年まで、20世紀末頃までの人類史、西アジア、南米、オリエント、エジプト古代史など成果が盛り込まれ、増補した文庫版では、21世紀の2006年頃までが追加されている。この本を読んで、ギルガメシュ神話や、楔形文字の解読が活況を呈していること、また原典からの『ハンムラビ法典』が日本語訳になっていることを知った。
古代国家の生成を考えるとき、文字の発明・利用、牧畜の開始、農耕の開始、灌漑技術の進展、法典の記述など、あらためて、オリエントの文化を再考することの必要を痛感する。
西アジア、オリエント、エジプトなどの概要は、索引も入れて674頁のこの本が大いに参考になる。しかし、日々更新される情報になるとやはり不安が残る。それで登場するのは、様々な分野の研究会や、学会の雑誌の類だ。
地方に住み、政令都市の基幹の公共図書館や総合大学図書館などを頻繁に通い閲覧できないとなると、やはり、探すのは、インターネットで公開中の研究会や各種学会の紀要になる。
年会費1万円の学会も複数所属すると年次納入時期になると、ささやかな年金生活を急襲されて、会員退会になりますよと辛い日々が待っている。そんなこともあって、定期購読の雑誌も一つ減り二つ減り、気がつくと考古学関係の雑誌は会費納入しているのは、一誌のみ。
おかげさまで、格安の古書店情報と、学会誌などのバックナンバー公開情報を必死に探すようになってきた。
他にも多数あると思うのですが、中央公論社の1巻目のオリエント・西アジア・エジプトに関わる考古学・歴史情報で有益な公開雑誌は以下の3誌があった。
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① 日本オリエント学会 『オリエント』 年2回刊
1957年に創立され、雑誌の刊行は1959年から。
ダウンロードできる巻は、第5巻1962年~57巻1号 2014年まで
② 日本西アジア考古学会 『西アジア考古学』
2000年創立 1号は2000年刊行。
ダウンロードできるのは、1号2000年~15号2014年まで
③ 早稲田大学エジプト学研究所 『エジプト学研究』
雑誌は1993年第1号刊行 定価は1200円。1号と13号が絶版ほかはまだ買えるようだ。第18号2013年から23号2017年はPDF版で無料でダウンロードできます。
また、科学研究費の補助受けた遺跡調査研究の研究報告が、上記早稲田大学エジプト学研究所のホームページを探すと最上段に案内があり、出版物をクリックすると、ダウンロードできるページが開きます。
つづく