イラク軍進撃開始
3月2日、イラク陸軍正規部隊がイスラム教シーア派民兵の協力を得て、過激派組織「ISIL」が昨年6月に支配下に置いた北部サラハディン州の州都ティクリート奪還作戦を開始。
首都バグダッド北方のサマラから出撃、当面はティクリート南方の町ダウルなどの攻略を目指す作戦です。
バクダット、サマラ、ティクリートの各都市は、文明のゆりかごチグリス川に沿った町です。
サマラ~ディクリート間は、チグリス川の西岸に国道1号が通りますが、東岸側にも間道が通っています。
ISILの要衝とされるダウルは、この東側の間道上の町です。
地図で確認すると、ガソリンスタンド2件、ホテル2件、モスクが2件。
小規模な町です。
衛星写真で見ると、一面赤茶けた砂漠の中で、チグリス川の両岸だけに緑地が広がっています。
拡大すると農地。
国道1号や東岸の間道は砂漠上にあり、いずれも地形障害は無し。
機甲部隊を先鋒に立てた2個打撃集団を編成し、航空支援をあたえつつチグリス川の両岸を突進させれば簡単に作戦目標を達せそうですが。
(シロウトのアバウトな見方)
投入戦力は3万ということですので、推定で2個師団。
1個師団を国道1号に、1個師団をダウル攻略に当てるんじゃないでしょうかね。
以前のISILには、イラクの旧バース党の元軍人たちが集まり、その戦術能力や作戦能力は侮り難いものがありました。
ただし最近は、残虐行為を平然とくりかえす狂信者系統の人物が指揮中枢を占めるように変化しています。
まともな正規戦であれば、アメリカ流の訓練を施されたイラク軍が圧倒できると思えます。
(兵力差がわからないので断言できませんが)
ただし、無辜の市民を盾に取るような残虐行為で抵抗を行う可能性については憂慮します。
そして問題なのは、油田のあるキルクークまではまだ距離を残します。
ディクリート~キルクークを直行しようとすると、途中に丘陵地帯があり防御側がこの障害を有効に使えそうです。
また仮に突破に成功しても、残置兵力のゲリラ戦で兵站線を遮断される危険があります。
さて、この「ISIL」打倒への動きを好感して・・・と、書かれた外電記事は見当たらないのですが、そうとしか思えない(←主観)結果として、昨晩の米国株式ダウ平均は大幅高になりました。
前週末終値比155.93ドル高の1万8288.63ドル、3営業日ぶりに史上最高値を更新。
5日・25日移動平均線
ボリンジャーバンド(2σ、3σ)
一目均衡表
MACD
RSI相対力指数
前日金曜日は5日移動平均線を割り込み、チャートに失速感が生じていました。
史上最高値更新の後の5日線割れですから、空気感が悪かったですね。
ところが、昨晩は長い陽線で5日線を突破。
上ヒゲはありませんから、高値引けを示しています。
欧州の株式市場では、ドイツが小幅高、スペインがプライマイゼロ、その他の国は総じて反落しました。
その環境の中で米国の株が高いとなれば、米国の経済指標がよほど良かったのか・・・というと、そうでもない。
ISMの製造業PMIは、52.9
前回の53.5から悪化し、事前予想の53.0を下回りました。
となれば、やっぱりイラク軍の進撃「打倒!ISIL」を好感したに違いない!
・・・と、まぁ、筆者の主観はどうでもいいですな。
昨晩の米国株式市場では、ハイテク株中心のナスダックが、44.57ポイント高の5008.10。
ITバブル期の2000年3月10日以来、15年ぶりに5000の大台を回復しています。
週末からこの日にかけて、ヒューレット・パッカードによるIT企業買収など複数のM&Aが表面化。
今後もM&Aが活発化することへの期待などから、買いが優勢になったようで、この勢いがダウ平均にも波及したようです。
この株高で、債権は売られました。
指標となる、10年国債の利回りは上昇。
安全資産である米国債を売って、リスク資産である株を買う。
「リスクオン」です。
この金利上昇を受け、ドルは買われました。
ドル/円は、120円をあっさり突破。
ドル/円 日足
この円安は、国内の円建てコモディティにとって下支え要因になっています。
とくに東京白金にはよく表れています。
白金は、同族貴金属パラジウムの上昇が支援。
ただ、他のコモディティでは、ドル高で生じた割高感で海外のドル建てが総じて圧迫を受けたため、円安では相殺できない下落となっています。
ロシアからウクライナへの天然ガス供給をめぐり、両国の対立が再燃していた問題。
昨晩は、両国に仲介役のEUを交えた閣僚級の3者協議が、ブリュッセルで開かれました。
先週あたりから、ロシアがちょっと譲歩する兆候がありましたが、結果は3月末までの契約を両国が履行することで合意に至りました。
ウクライナを経由したEU各国向けの供給がストップする最悪の事態は回避。
ロンドンの天然ガス相場は急落。
5日・25日移動平均線
ボリンジャーバンド(2σ、3σ)
一目均衡表
MACD
RSI相対力指数
昨晩の国際原油相場は下落。
イラン核問題をめぐって、経済制裁が解除され原油輸出拡大につながるとの観測が相場を圧迫しました。
中立国スイスにて、イランと6カ国の交渉が活発化しています。
ロンドン北海ブレント原油は、1バレル=59.54ドル、前週末終値比3.04ドル安。
60ドル割れ。
ニューヨークのWTI原油は、0.17ドル安の49.59ドル 。
やはり、欧州マーカー原油であるブレントの方が天然ガス相場の影響もあってか下げ幅が大きくなっています。
ブレントとWTIのサヤ(価格差)が大幅に広がっていましたから、それを修正しようという自律的な動きも作用しているかもしれません。
赤いバー NY原油(WTI) 日足
東京ガソリンも、WTIをトレースしていれば、円安も加わって堅調だったかもしれないですが、指標性では重要度が高いブレントの下落が圧迫です。
そして、安全資産ゴールド。
株が好調で「リスクオン」では、出る幕は無い?
5日・25日移動平均線
ボリンジャーバンド(2σ、3σ)
一目均衡表
MACD
RSI相対力指数
中国勢の買いはあると思うのですが、実需家の双璧であるインドにて輸入関税の撤廃が見送られたのも重荷です。
5日線を維持できるかな?
※本画面に使用しているチャート画像は㈱インベステックのWin-Station(R)
によるものでチャート画像の著作権は同社に帰属しています。
※当情報は商品先物取引(CX)、外国為替証拠金取引(FX)、株式などの投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また内容の正確性、完全性は保証するものではありません。
当情報を取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。
当ブログもランキング参加中ぜひクリックください
2015年 王道銘柄大予測!!
無料セミナー
3月7日(土)13:00~
植木靖男氏
in北海道・札幌 (大阪へもLIVE中継)
多くのマスコミ関係者や株式関係者から、「時流に流されないコメント、何ものにも 左右されない先見性」で注目を浴びており、長年の経験を活かした独特の視点と親しみやすい語り口で個人投資家の支持を広げている植木靖男氏が、2015年前半の株式展望と注目銘柄をズバリ予想!!
当ブログもランキング参加中ぜひクリックください