昭和ヒトケタ後半生まれで戦時中は空襲も経験した僕の母は「戦後作られたどんな戦中映画やドラマを観てもあまり実感が湧かない」と常々言っている。
この映画を母に観せたらどんな感想が返ってくるか。
「あの頃はどこにでもあった話だよ」なんて言うかも知れない。
そんなあってはならない「どこにでもあった話」が直接聞けなくなりつつある今、100年先に伝えるべく多くの人が観ておくべき作品だろう。
往時に思いを馳せた人はその体験世代に直接当時の話を沢山聞いて欲しいとも思った。
「世界の片隅」はスクリーンや漫画の中だけではないのだから。
そしてそんな話を直接聞ける時間は、後僅かしかない。