東芝は11日、監査法人の「適正意見」なしで平成28年4~12月期決算を発表しましたね。監査法人の承認なしで決算発表が出来るとは驚きですが、3度目の発表延期に対する銀行筋の圧力から、延期回避を優先させたようなのだそうですね。
監査法人はWH経営陣が損失を抑えるため従業員に過度な圧力を加えていた点を問題視し、経営陣が原発事業の損失を早い段階から認識していたとの疑いを強め再調査を求めたのに対し、東芝側は、「WH経営陣が事前に損失を認識していた証拠はない」と結論づけていて対立しているのですね。
監査法人が上場企業の決算に対して「不適正意見」を表明したり「意見の表明をしない」としたりした場合、上場廃止となる可能性が高いのだそうで、2部降格どころか、上場維持の懸念が高まっています。
シャープの2部降格に続く、日本経済の高度成長を技術力で支えた、日本を代表する企業の、投資判断の狂いとその対処の先送りでの凋落が続いています。
シャープは、鴻海が買収することで、増資やコスト削減で、1部上場復帰を目指すまでに再生しつつあるようですね。
巨額の赤字を計上し、提携先の仏・ルノーから乗り込んできたカルロス・ゴーン氏により再生した日産は、三菱の救済を買って出るまでになりましたね。
いずれも、日本人経営者で凋落した名門企業が、外国人のカリスマ経営者によって復活させられています。日本企業は自社のグループ統治のあり方をいま一度、点検すべきだと主張するのは、日経の社説。
東芝の迷走が示すグループ統治の重み :日本経済新聞
サムスン等韓国企業に敗れた日本の製造業。その原因のひとつに、カリスマ経営の経営判断のメリハリと決断スピードが挙げられていました。(そのサムスンも、カリスマ経営者から代変わりし、大統領の疑惑にも絡み、屋台骨が揺らいでいますが。)
日本式の終身雇用での安定した、長期戦略での従業員の育成・能力発揮による技術力での経営に対し、見直し機運が生じたのでしたが、いままた、日本式経営の見直しが迫られています。
郭台銘社長の鴻海が、東芝買収にも名乗りを上げている様ですが、国産技術の流出防止に、日本企業による東芝再建の機運もあります。
日本勢 vs 鴻海では、鴻海が勝利し、再び1部上場を目指すまでになったシャープ。
外国のカリスマ経営者による再建となるのか、日本企業団による再建となるのか、東芝としての再建はならず、バラバラに切り売りされて消滅するのか。それは、日本の製造業の行方を暗示することなのか。要注目ですね。
# 冒頭の画像は、これまでの決算遅延と監査法人の適正意見が付かないままの発表となったことについて謝罪する、東芝の綱川智社長
この花の名前は、サワギキョウ
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監査法人はWH経営陣が損失を抑えるため従業員に過度な圧力を加えていた点を問題視し、経営陣が原発事業の損失を早い段階から認識していたとの疑いを強め再調査を求めたのに対し、東芝側は、「WH経営陣が事前に損失を認識していた証拠はない」と結論づけていて対立しているのですね。
監査法人が上場企業の決算に対して「不適正意見」を表明したり「意見の表明をしない」としたりした場合、上場廃止となる可能性が高いのだそうで、2部降格どころか、上場維持の懸念が高まっています。
東芝決算 上場廃止リスク上昇 (4/12 産経 【水平垂直】)
東芝が監査法人の適正意見を得られないまま平成28年4~12月期決算の発表に踏み切ったことは、決算を点検する監査法人の“お墨付き”がないことを示す。東芝は27年に発覚した不正会計問題を受け、東京証券取引所から内部管理体制に問題があると投資家に知らせる「特設注意市場銘柄」に指定されている。大手の上場企業としては異例の開示で、決算に対する信頼性は揺らぎ、上場廃止リスクが一段と高まりかねない。
東証の有価証券上場規程では、監査法人が上場企業の決算に対して「不適正意見」を表明したり「意見の表明をしない」としたりした場合、すぐに上場廃止にしなければ市場の秩序を保てないと判断すれば上場廃止となる。ただ、まれなケースで、そうでなければ特注銘柄に指定される。
しかし東芝は、不正会計問題を受けて27年9月に東証から特注銘柄に指定され、28年12月には指定の継続が決まった。先月には改善状況や再発防止策を記した内部管理体制確認書を東証に改めて提出。東証と同じ日本取引所グループ(JPX)傘下の日本取引所自主規制法人が、上場維持か上場廃止かを判断するための再審査を進めている。
今回、監査法人が東芝の決算に対し適正意見を表明せず、「結論の不表明」としたことは、自主規制法人の再審査で新たなチェック対象となりそうだ。
監査意見は適正意見が表明されるのが通例とされ、再審査の行方に影響を与えて上場維持に向けたハードルがさらに高くなる恐れがある。
すでに決算を2度先送りしていた中で前例のない3度目の延期は回避した東芝だが、独立した立場の監査法人が適正意見を表明し、内容を保証することで決算に対する市場の信頼性が高まり、投資判断を支えている側面は大きい。(森田晶宏)
東芝、2部降格は確実 売り圧力さらに (4/12 産経)
東芝は、通期の平成29年3月期末に債務超過に陥る見通しで、東京証券取引所での上場先が8月1日付で第1部から第2部に降格となるのが確実だ。企業が1部に直接上場する場合と2部に上場する場合では、条件となる株主数や市場に流通する株式数、時価総額で差がある。株主数では1部が2200人以上なのに対し、2部は800人以上。時価総額では1部が250億円以上だが、2部は20億円以上となる。
正式に東芝株の2部降格が決まるのは、東芝が提出する29年3月期の有価証券報告書で債務超過が確認されてからとなる。
降格が決まると、東芝株は日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の構成銘柄から外れる公算が大きい。
株価指数と同じ値動きをするように運用する機関投資家が保有株を手放すなどして東芝株に下落圧力が強まる恐れもある。
東芝が監査法人の適正意見を得られないまま平成28年4~12月期決算の発表に踏み切ったことは、決算を点検する監査法人の“お墨付き”がないことを示す。東芝は27年に発覚した不正会計問題を受け、東京証券取引所から内部管理体制に問題があると投資家に知らせる「特設注意市場銘柄」に指定されている。大手の上場企業としては異例の開示で、決算に対する信頼性は揺らぎ、上場廃止リスクが一段と高まりかねない。
東証の有価証券上場規程では、監査法人が上場企業の決算に対して「不適正意見」を表明したり「意見の表明をしない」としたりした場合、すぐに上場廃止にしなければ市場の秩序を保てないと判断すれば上場廃止となる。ただ、まれなケースで、そうでなければ特注銘柄に指定される。
しかし東芝は、不正会計問題を受けて27年9月に東証から特注銘柄に指定され、28年12月には指定の継続が決まった。先月には改善状況や再発防止策を記した内部管理体制確認書を東証に改めて提出。東証と同じ日本取引所グループ(JPX)傘下の日本取引所自主規制法人が、上場維持か上場廃止かを判断するための再審査を進めている。
今回、監査法人が東芝の決算に対し適正意見を表明せず、「結論の不表明」としたことは、自主規制法人の再審査で新たなチェック対象となりそうだ。
監査意見は適正意見が表明されるのが通例とされ、再審査の行方に影響を与えて上場維持に向けたハードルがさらに高くなる恐れがある。
すでに決算を2度先送りしていた中で前例のない3度目の延期は回避した東芝だが、独立した立場の監査法人が適正意見を表明し、内容を保証することで決算に対する市場の信頼性が高まり、投資判断を支えている側面は大きい。(森田晶宏)
東芝、2部降格は確実 売り圧力さらに (4/12 産経)
東芝は、通期の平成29年3月期末に債務超過に陥る見通しで、東京証券取引所での上場先が8月1日付で第1部から第2部に降格となるのが確実だ。企業が1部に直接上場する場合と2部に上場する場合では、条件となる株主数や市場に流通する株式数、時価総額で差がある。株主数では1部が2200人以上なのに対し、2部は800人以上。時価総額では1部が250億円以上だが、2部は20億円以上となる。
正式に東芝株の2部降格が決まるのは、東芝が提出する29年3月期の有価証券報告書で債務超過が確認されてからとなる。
降格が決まると、東芝株は日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の構成銘柄から外れる公算が大きい。
株価指数と同じ値動きをするように運用する機関投資家が保有株を手放すなどして東芝株に下落圧力が強まる恐れもある。
シャープの2部降格に続く、日本経済の高度成長を技術力で支えた、日本を代表する企業の、投資判断の狂いとその対処の先送りでの凋落が続いています。
シャープは、鴻海が買収することで、増資やコスト削減で、1部上場復帰を目指すまでに再生しつつあるようですね。
巨額の赤字を計上し、提携先の仏・ルノーから乗り込んできたカルロス・ゴーン氏により再生した日産は、三菱の救済を買って出るまでになりましたね。
いずれも、日本人経営者で凋落した名門企業が、外国人のカリスマ経営者によって復活させられています。日本企業は自社のグループ統治のあり方をいま一度、点検すべきだと主張するのは、日経の社説。
東芝の迷走が示すグループ統治の重み :日本経済新聞
サムスン等韓国企業に敗れた日本の製造業。その原因のひとつに、カリスマ経営の経営判断のメリハリと決断スピードが挙げられていました。(そのサムスンも、カリスマ経営者から代変わりし、大統領の疑惑にも絡み、屋台骨が揺らいでいますが。)
日本式の終身雇用での安定した、長期戦略での従業員の育成・能力発揮による技術力での経営に対し、見直し機運が生じたのでしたが、いままた、日本式経営の見直しが迫られています。
郭台銘社長の鴻海が、東芝買収にも名乗りを上げている様ですが、国産技術の流出防止に、日本企業による東芝再建の機運もあります。
日本勢 vs 鴻海では、鴻海が勝利し、再び1部上場を目指すまでになったシャープ。
外国のカリスマ経営者による再建となるのか、日本企業団による再建となるのか、東芝としての再建はならず、バラバラに切り売りされて消滅するのか。それは、日本の製造業の行方を暗示することなのか。要注目ですね。
# 冒頭の画像は、これまでの決算遅延と監査法人の適正意見が付かないままの発表となったことについて謝罪する、東芝の綱川智社長
この花の名前は、サワギキョウ
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