遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日本はいまや国家的危機に入りつつあると認識すべき

2017-09-05 23:58:58 | 北朝鮮 全般
 北朝鮮は、水爆実験に成功し、ICBMに搭載し米国本土への攻撃が可能となる見込みが出てきました。
 国連決議などで制裁を強化していますが、中露などの反対や不徹底で効力は限定的で、核やミサイルの開発は着々と進められていて、実戦配備実現が見えてきています。
 ここまで来て、核保有国としての認知と交渉を目指す北朝鮮が、核やミサイルの放棄要求に応じる理由はありません。
 安保理の拒否権で物事が決められない形骸化した国連。そこを見透かされた北朝鮮の捨身の暴挙が、通用しているのですね。
 この北の暴走は、どうすれば止められるのか、核保有国として認めざるを得ないのか、その中で人質に取られている日本はどうやって人質から脱出するのか。
 日本はいまや国家的危機に入りつつあると認識すべきと指摘するのは、平和安全保障研究所西原正理事長。
 戦後、米国におんぶにだっこで過ごして平和ボケしている日本の安全保障。中国、南北朝鮮、ロシアといった力で現状変更したり、領土の不法選挙を続ける国と隣接している日本が、それらの国々の攻勢が強まっている今、国家的危機に面していて対策が急務となっているのです。
 

日本は「存立危機事態」の認識を 平和安全保障研究所理事長・西原正 (9/5 産経 【正論】)

 
北朝鮮が3日、「水爆実験」を行った。8月29日の北海道の上空を越す弾道ミサイル実験発射と同じく、予告なしに大量破壊兵器を誇示するのはもはや「実験」とは言えず、明らかに「威嚇」である。核実験は6回目、ミサイル発射は今年に入って13回目である。

≪戦略を見直すときではないか≫
 安倍晋三首相は核実験に関して早速「断じて容認できない」「高度な警戒態勢を維持する」と述べた。トランプ米大統領もツイッターに「米国にとって非常に敵対的で危険だ」と書き込んだ。

 弾道ミサイル発射のあと、国連安保理は緊急会合を開き、中露を含む全員の賛同を得て北朝鮮を非難し、さらなる制裁強化策を決議した。しかし北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長はこれに動じず、弾道ミサイル発射を継続する方針を指示したと報じられている。
 この北朝鮮の挑発とそれに対する
日米および国連安保理の反応はパターン化してしまっている。日米はパターン化した反応の繰り返しをいつまで続けるのだろうか。手詰まりの制裁が続く間に、北朝鮮は核ミサイル技術をますます向上させ脅威を増大させている
。日本は米国とともに、対北戦略を見直すときではないのだろうか。

 いうまでもなく、
北朝鮮は大国間の足並みがそろわないことを見越している。中国やロシアが国連安保理決議に忠実に従って北朝鮮に制裁を加えると信じる国はほとんどない。中国が北朝鮮への石油の禁輸を実施すればロシアがその穴埋めをする、北朝鮮も中国への輸出ができなければロシアに振り向けるという事態がこれまで続いてきた。国連安保理の制裁強化決議に対しても中露は表向きには賛同しても、実際には今後とも抜け道を設ける
であろう。
 日米の対北制裁による北朝鮮の体制崩壊を中露は何としても阻止したいと考えている。中露にとっては北朝鮮の存在は韓国に駐留する米軍の北進を抑える防波堤である。従って、中露は国連主導という名の米国主導の対北制裁に、そもそも抵抗する。

≪展望が見いだせない制裁強化≫
 北朝鮮が去る7月4日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験により、米国の「レッドライン」(譲れない一線)を越えたとの予想がなされたが、トランプ大統領は動かなかった。米国としては、北朝鮮による米軍基地への先制攻撃や核実験実施も「レッドライン」と考えてきた。過激な発言を繰り返すトランプ大統領が、外交的解決を重視するマティス国防長官とどう折り合いをつけるかが注目される。
軍事オプションは北朝鮮ばかりでなく韓国や日本にも大きな人的被害をもたらすと考えられるため、米国としては慎重にならざるを得ない


 こうした状況にもかかわらず、
日米や国連が対北制裁を強化すれば、北朝鮮はいつかは核・ミサイルを放棄するであろうという想定は、いまや無意味になった
というべきではないだろうか。

 北朝鮮の核・ミサイル能力の向上に対して、
米国では北朝鮮の核保有を容認すべきだという議論
がなされ始めているが、核保有をすれば北朝鮮は核の威嚇をしなくなるという保証はない。将来の米朝交渉はその辺が大きな焦点の一つになりそうである。
 また米国では、
日本や韓国の核保有を容認すべきだという議論も出ている
が、これは日本や韓国が米国の「核の傘」に入らない道を選ぶわけで、同盟の弱体化につながる。しかも核保有は日本の世論を分裂し政治を不安定にする。日本はあくまで米国の「核の傘」の下で、日米同盟を堅持すべきだ。

≪対北「攻撃力」を保有すべきだ≫
 しかしこれ以外の点では、
日本はより能動的に外交と防衛を進めるべきである。日本の姿勢は北朝鮮に対して基本的に守勢
であり、核・ミサイル実験を監視し、迎撃ミサイルを配備するにとどまって攻勢的な配備を避けてきた。日米合同軍事演習などは示威行動であって威嚇とか挑発行動ではない。
 従って
北朝鮮は日本を恐れることなく威嚇することができた。日本はこの状況を変え、北朝鮮に日本への威嚇は経済制裁以上の報復を受けることを認識させる方策を考えるべきである。このためには、例えば、トマホーク巡航ミサイルによる敵基地攻撃力、レーザーによるミサイル迎撃能力、またミサイル発射装置へのサイバー攻撃能力などを保有
すべきである。

 
遠からず米国は北のICBMを除去することは「自衛戦争」だとの立場をとるであろう。そうなれば、圧倒的な軍事力を持つ米国は勝利を収めるであろう。それは日本や韓国には被害を及ぼすであろうが、米国の軍事力行使の仕方が適切であるならば、被害は相当に縮小されるかもしれない。しかし同時に自衛隊は重要影響事態の下、米軍を支援すべき
であることを想定しておくべきである。

 さらに日本も同じ論理で、北の核・ミサイルによる威嚇は日本にとって存立危機事態であるとの立場に立つ必要がある。
日本はいまやそういう国家的危機に入りつつあると認識すべきだ。(にしはら まさし)

 「日米および国連安保理の反応はパターン化してしまっている。」
 「手詰まりの制裁が続く間に、北朝鮮は核ミサイル技術をますます向上させ脅威を増大させている。」
 「中国が北朝鮮への石油の禁輸を実施すればロシアがその穴埋めをする」
 「国連安保理の制裁強化決議に対しても中露は表向きには賛同しても、実際には今後とも抜け道を設ける」
 と、いった現状。抜け道を設けているのは、中露の他にもアジアやアフリカにも多数あります。

 対北制裁を強化すれば、北朝鮮はいつかは核・ミサイルを放棄するであろうという想定は、いまや無意味になったと西原氏は指摘されています。金正恩が何故核とミサイル開発に執着するのかを考えれば、既に完成の目途がたった今、対応が手詰まりの国際情勢のなかで放棄する理由がないことは衆知のことですね。

 ではどうすればよいのか。
 米国では北朝鮮の核保有を容認すべきだという議論がなされ始めているとのことですが、それでは金正恩が米国国民に核攻撃の脅威を突き付けたまま(ロシア、中国もそうですが、金正恩はなにを要求してくるのか解らない危険があります。)になります。西原氏は、遠からず米国は北のICBMを除去することは「自衛戦争」だとの立場をとるであろうと指摘されています。国民の安全を護る自衛権の行使ですね。
 それは当然日本や韓国での被害も覚悟のうえの行使です。

 なので、日本はいまや国家的危機に入りつつあると認識すべきということなのですね。
 北朝鮮はミサイルの実戦配備に向けた最終段階の実験で、今後も日本上空を通過する実験を進めるとされています。
 日本の姿勢は北朝鮮に対して基本的に守勢であり、北朝鮮は日本を恐れることなく威嚇することができるのです。
 日本への威嚇は経済制裁以上の報復を受けることを認識させる方策を、日本は考えるべきとの西原氏の指摘。現実に、グァム近海への発射は、米国の強硬な反応で同等の距離での北太平洋(三沢基地近隣上空を通過)に変更した北の姿勢で明らかなように、ごもっともな指摘です。
 「敵基地攻撃力」「レーザーによるミサイル迎撃能力」「ミサイル発射装置へのサイバー攻撃能力」といった抑止力の保有を提言されています。
 更に、米国の軍事力行使に対しても、自衛隊は重要影響事態の下、米軍を支援すべきだとも。

 米国に縋り続けてきた日本の安全保障策。アメリカファーストで内向きとなったトランプ政権の誕生と、北朝鮮の核とミサイルの保有の実現に備える、日本の自前の施策が急務になっているのですね。



 # 冒頭の画像は、水爆とみられる装置を視察する金正恩朝鮮労働党委員長




  この花の名前は、コダチダリア


↓よろしかったら、お願いします。



写真素材のピクスタ


Fotolia


竹島は日韓どちらのものか





コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 9月4日(月)のつぶやき | トップ | 9月5日(火)のつぶやき »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

北朝鮮 全般」カテゴリの最新記事