遊爺雑記帳

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習近平 胡春華氏を後継者として認めた?

2017-05-04 23:58:58 | 中国 全般
 習近平国家主席が広東省党委員会・政府の活動に対し「重要指示」を下したのだそうです。これは、現在、広東省のトップである共青団派の若手ホープ・胡春華氏を、習近平の後継者として認めることを意味していると石平氏が解説しています。
 胡春華氏は、共青団派の胡錦濤前国家主席が、ポスト習近平として託した人材で、一時は習近平にその道を断たれたかの様に観られていましたが、今年の秋の人事改選に向けた共青団派の巻き返しが成功しつつあるということなのでしょうか。

 
ポスト習本命の胡春華氏 広東省トップに - 遊爺雑記帳
 胡春華が総書記就任断念か?習近平再任を促す党規則変更求める日本新唐人テレビ
 中国共産党中央人事が激変の可能性も | ビジネスジャーナル

 
見えてきたポスト習近平 (5/4 産経 【石平のChina Watch】)

 先月12日、中国共産党広東省党委員会関紙の『南方日報』は1面トップで、習近平国家主席が広東省党委員会・政府の活動に対し「重要指示」を下した
と伝えた。
 この「重要指示」の中で、習主席は、第18回党大会以降の広東省党・政府の活動ぶりを「十分に評価」した上で、広東省が今後「小康(いくらかゆとりのある)社会の全面建設」と「社会主義現代化建設の加速化」において「前列に立って走る」ことを期待すると語ったという。
 全国に32の省・自治区・直轄市がある中で、党総書記・国家主席の習氏が広東省にだけ「重要指示」を下したことは異例である。しかも、その指示は、広東省の今までの活動を「十分に評価」し、今後においても全国の「前列に立ってほしい」というような内容であれば、
習主席の広東省に対する思い入れの強さ
を印象づけることにもなろう。

 だが、広東省は習主席が地方勤務時代に関わった地区でもなければ、最近、主席の“子分”がトップとして抜擢(ばってき)された「親藩」としての行政区でもない。ならば彼は
なぜ広東省を特別扱いし、多大な期待を寄せたのだろうか

 
注目すべきなのは、現在、広東省のトップである党委書記の任に当たっているのが共青団派の若手ホープ、胡春華氏である点だ


 2012年11月の第18回党大会で、
当時49歳の胡氏は内蒙古自治区の党委書記として政治局員に抜擢
され、その直後に重要行政区の広東省の党委書記に栄転した。
 この時点で誰もが分かったことだが、同じ第18回党大会で引退し党総書記のポストを習近平氏に明け渡した前任の
胡錦濤氏は「ポスト習近平」を見据えて、自らの引退と引き換えに、この「胡春華人事」を断行
したのである。
 これによって
胡錦濤氏は実質上、腹心の胡春華氏を習氏の後継者の地位に押し上げた。今年秋の第19回党大会で最高指導部が大幅に入れ替わるとき、さらに胡春華氏を政治局常務委員に昇進させておけば、2022年の第20回党大会で習氏が「2期10年」の慣例に従って引退するとき、その時点で59歳の「若手」である胡春華氏は、ほぼ間違いなく、党総書記に就任
し、党と国家の最高指導者になるという目算だ。
 それこそが
胡錦濤氏と共青団派が描く「ポスト習近平」への次期政権戦略
である。一方の習氏がこれを快く思うはずはない。習氏はそもそも「2期10年」の慣例を破って自らの任期をさらに伸ばす腹づもりであったし、たとえ第20回党大会で引退するとしても、最高指導者のポストを共青団派の胡春華氏に、ではなく、自分自身の腹心に渡したいところだ。

 そのために
昨年から、習総書記サイドは胡春華氏の天下取りを潰しておこうと動き始めた
。これで一時、胡氏が後継者レースから外されたとの見方も広がったが、この動きに対抗して、共青団派ボスの胡錦濤氏は今年1月に広東省を訪問し、胡春華氏へのテコ入れを公然と行った(2月9日掲載の本欄を参照)。
 今から見れば、どうやら
胡錦濤氏の反撃が見事に成功して、それが前述の習近平主席の広東省への「重要指示」につながったようだ。この「重要指示」をもって広東省限定の「評価と期待」を寄せたことで、習氏は事実上、胡春華氏を特別扱いし、彼の後継者としての地位を半ば認めることになった
からだ。

 胡春華氏は、ポスト習近平への後継者レースにおいて大きく前進したが、もちろんそれは習氏の本意ではない。
自らの政権維持のために、彼は共青団派と妥協せざるを得なかった
のである。
 そのことは党内における
習氏の権力基盤が決して盤石でないことを示した。本物の「独裁者」への道のりは依然として遠いようだ。

 2022年の第20回党大会で習氏が「2期10年」の慣例に従って引退するとき、その時点で59歳の「若手」である胡春華氏を党総書記に就任させる。それが、胡錦濤・共青団派の描く「ポスト習近平」への次期政権戦略だったのです。

 一方の習近平は、「2期10年」で引退の慣例を無視し、居座るつもり。汚職追放の御旗で政敵を次々と失脚させた功労者の王岐山の定年退陣の阻止も画し、専制化を推進していました。
 その専制化に、江沢民・上海閥や胡錦濤・共青団派が抵抗していたのですが、習近平が優勢な展開に見えていました。

 それが、急遽、習近平の姿勢転換の、胡春華氏後継を顕す発言。
 共青団派または、団派と上海閥の連携なのかもしれませんが、その巻き返しが成功しつつあるかの情勢。
 何が原因での形勢変化なのか。団派の巻き返しは、今秋のチャイナセブンの改選に影響を及ぼせるのでしょうか。

 オバマ大統領との会談で、「航行の自由作戦」に踏み切らせてしまった失政。南シナ海の「九段線」を仲裁裁判所で否定される失態と、外交での失政が続いた習近平。北載河会議での団派と上海閥の連携による攻勢に敗北したとの情報がありますが、これが効いているのでしょうか?
 
北載河会議で敗れ習近平の基盤が弱体化 - 永山卓矢の「マスコミが触れない国際金融経済情勢の真実」

 太子党の影のラスボスと言われている曽慶紅らと習近平の対立が再燃し、団派の胡春華氏の後継復活につながったのでしょうか。習近平が胡錦濤の後継になれたのは、胡錦濤の団派と江沢民・上海閥の派閥抗争の棚ボタで習近平にお鉢が回ってきたのですが、それと似た構図?
 
蕭建華失踪事件から読む「習近平vs曽慶紅」暗闘:日経ビジネスオンライン

 ほぼ習近平の専制化で決まりかと思われていた、秋の人事への抗争。まさかの形勢逆転の情報。勿論、真偽のほどは未明ですし、習近平がこのまま引き下がるとも思えません。
 トランプ大統領の、対中政策のディールも、北朝鮮を巡り大揺れに揺れていて、翻弄されている習近平。胡錦濤の後継に、一時消息を絶っていた習近平が就任した時は、胡錦濤と野田首相(当時)が、尖閣の国有化を巡り面談し、胡錦濤が猶予を求めたのに対し、野田氏が国有化を即時強行し、胡錦濤の面目を潰したことが影響していました。なにやら状況が似ています。秋の党大会に向け、まだまだいろいろありそうですね。



 # 冒頭の画像は、胡春華氏




 この花の名前は、オランダセンニチ


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