遊爺雑記帳

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2期目の習体制の評価

2017-11-06 23:58:58 | 中国 全般
 第19回共産党大会が終了し、2期目の習近平政権がスタートしました。
 ポスト習近平候補がチャイナセブンに入らない、ポスト習近平は習近平といった、習近平独裁体制へ進むことが示されました。
 中国国内では、これを賞賛し、米国、インドでは警戒を強める評価がなされています。

 
中国・習体制2期目スタート (11/6 産経 【環球異見】)

 中国共産党の第19回党大会が10月24日、習近平総書記(国家主席)の名前を冠した思想を「行動指針」として党規約に盛り込む改正案を承認して閉幕し、2期目の習体制がスタートした。中国共産党機関紙は、党大会を「成功裏に閉幕した」と総括して自賛、米紙は習氏への権力集中を分析した。最近、中国軍の圧力を受けたばかりのインドのメディアは、習氏の権力強化に強い警戒感を示した。
                  ◇
□人民日報(中国)
■偉大な勝利への進軍ラッパ

 中国共産党機関紙、
人民日報は党大会閉幕翌日の10月25日付の社説で「大会は各議題と崇高な使命を完全にやり遂げ成功裏に閉幕した」と総括し、「党は永遠にたゆまぬ精神と勇往邁進(まいしん)する奮闘の姿勢によって、新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を獲得するための進軍ラッパを鳴り響かせた」と揚言した。

 
「習近平同志(総書記)を核心とする党中央」がこの5年間、巨大な政治的勇気と強烈な責任感により「長期にわたり解決できなかった多くの問題」を解決したと強調。党と国家事業における歴史的な変革と成果は「党の歴史、中華人民共和国の歴史、中華民族の歴史における一里塚としての意義がある」と自賛した。

 また、習氏が開幕日の政治報告で打ち出し、
党規約に盛り込まれた「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」について、「マルクス主義の基本原理と中国の実情を結びつけた新たな飛躍であり、報告を貫く精神だ」と説明。「全党はこの精神と豊富な内容を深く体得し、それぞれの事業において全面的かつ正確に実践しなければならない」と要求した。

 人民日報傘下の
環球時報も25日付の社説で、「習思想」が「毛沢東思想や、トウ小平が切り開いた中国の特色ある社会主義理論」から到達したものだとし、いずれも「マルクス主義の中国化」の重大な成果だとして3者を同列視した。

 江沢民、胡錦濤両氏らが総書記を務めたトウ小平以降の時代を念頭に「ある期間、国家は急速に発展したが社会ではいつも何かが人心を慌て取り乱させていた」とし、国家がどのような路線を進むのかという根本的な問題について議論百出したと指摘。ただ習総書記の時代になってから「状況は大きく変わった」と強調し、「党大会以降は習思想が全党と全社会を指導し、中国はこうした状況へ完全に“さよなら”を告げるだろう」と論じた。(北京 西見由章)
                   ◇
□ロサンゼルス・タイムズ(米国)
■「習氏に一層の権力」

 中国共産党が党大会に続く第19期中央委員会第1回総会(1中総会)で最高指導部メンバーを選出したことを受け、10月25日付の米紙
ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は、「習近平総書記は長年の慣例を破り、新最高指導部に明確な後継候補を置かず権力維持の可能性を高めた」と報じた。

 さらに、「
習氏は2022年以降も権力と影響力を保持するつもりだ。共産党制度化された権力移行を転換し、習氏に一層の権力を与えた」とする専門家の意見とともに、かつて集団指導体制を進めたトウ小との対照性を指摘しつつ、長期政権に向けた異様な権力集中の様子を詳しく伝えている。「習氏が党総書記、中央軍事委員会主席の地位に留(とど)まることを妨げるものはない」としながら、「後継者によって自らの権力が縛られ、レームダック(死に体)化すると習氏は確信しているのかもしれない」と、権力者の心中も推察した。

 一方、「
共産党指導部は、全体主義の21世紀的モデルを示した」と題する論説で舌鋒(ぜっぽう)鋭く批判を展開したのは、29日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)だ。

 「習氏は政権の狙いが世界の指導力となることではなく、全体主義の新たなモデルの確立にあることを表明した」とし、
「権力の集中」「国家による言動の管理」「帝国主義的枠組み」の3つのキーワードを挙げて問題点を解説した。

 国家によりインターネットや金融システムを通じた
個人データの収集と監視などが進められるとし、小説「1984年」で作家のジョージ・オーウェルが描いた未来の全体主義社会を表す言葉を使って「『オーウェリアン』(オーウェル式)というのが正確だ」と統制社会ぶりを批判。現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」をめぐっては「中国支配によるブロック圏で、欧米の同盟関係に影を落とす」とし、「民主的な国であっても中国に関することでは言論の自由が奪われてしまう」と強い警戒感を示した。(ロサンゼルス 住井亨介)
                  ◇
□タイムズ・オブ・インディア(インド)
■中国の夢はインドの悪夢

 
インド各紙は、習近平氏が中国共産党の最高規則「党規約」の改正などで独裁的な権力を強化したことなどに露骨に警戒感を示した。今夏に中印、ブータンの国境付近で中印両軍の対峙(たいじ)が続いただけに、各紙とも2期目の習体制の対外政策に触れた。

 
タイムズ・オブ・インディア(電子版)は10月27日、「習近平は新しい毛沢東か」という記事を掲載した。「冷戦の終わりに、自由民主主義の流れは不可逆的に見えていた。しかし中国の猛烈な成長路線と習氏の中央集権化は、不可逆に見えた潮流を揺さぶっている」と分析する。

 
習氏が掲げるスローガン「中国の夢」を引き合いに出し、「中国を再び偉大にするという彼の計画は国際舞台においては(対峙地点の)ドクラム高地での軍事的圧力、そしてパキスタンへの支援と、インドにとってはあまりうまく作用しない」と警戒感を表明。「中国のアジアでの覇権が『中国の夢』であるならば、それはインドにとっては悪夢と訳されるだろう」としている。

 
中国の軍事的圧力は、日米、オーストラリア、ベトナムなどとの防衛協力によって対抗できると指摘。「しかし、現在のようにインドの景気が上向かない場合は機能しない。インドは少なくとも中国の2倍のGDP成長を目標にしなければならない。全力を挙げるときが来ている」と国内経済の活性化が急務であることを主張した。

 23日付の
ヒンドゥスタン・タイムズも「インドは『中国の夢』を注視しなくてはならない」とする記事を掲載した。

 党中央委委員の「7割が習氏により置き換えられた」として
絶対的な権力基盤が完成されたことを指摘したが、経済面について「これまでのところ構造改革の点ではほとんど達成されていない」と分析。「今後は経済的に安定した中国誕生を目指すだろう。だが、中国が独裁主義的な外交政策を継続すると考えているなら、インドなどの国々は警戒しなくてはならない」と結んでいる。(ニューデリー 森浩)

 米紙ロサンゼルス・タイムズは、「習氏は2022年以降も権力と影響力を保持するつもりだ。共産党は制度化された権力移行を転換し、習氏に一層の権力を与えた」との専門家の意見を載せ、毛沢東の独裁政治の弊害の反省で産まれた鄧小平の集団指導体制が覆された、長期政権に向けた異様な権力集中の様子を伝えているのだそうです。

 「後継者によって自らの権力が縛られ、レームダック(死に体)化すると習氏は確信しているのかもしれない」とも。

 ワシントン・ポストは、「共産党指導部は、全体主義の21世紀的モデルを示した」と題する論説で舌鋒鋭く批判を展開。統制社会ぶりを批判するとともに、「一帯一路」をめぐっては「中国支配によるブロック圏で、欧米の同盟関係に影を落とす」等と、警戒感を示しています。

 インド各紙は、習近平氏が独裁的な権力を強化したことなどに露骨に警戒感を示しているのだそうです。

 タイムズ・オブ・インディアは、「習近平は新しい毛沢東か」という記事を掲載し、自由民主主義の流れは不可逆的に見えていたが、習氏の中央集権化は、不可逆に見えた潮流を揺さぶっていると分析しているのだそうです。

 「中国のアジアでの覇権が『中国の夢』であるならば、それはインドにとっては悪夢と訳されるだろう」と。

 そして、中国の軍事的圧力は、日米、オーストラリア、ベトナムなどとの防衛協力によって対抗できると指摘。

 ヒンドゥスタン・タイムズも「インドは『中国の夢』を注視しなくてはならない」とする記事を掲載。中国が独裁主義的な外交政策を継続すると考えているなら、インドなどの国々は警戒しなくてはならない」と指摘しているのだそうです。

 習近平の、毛沢東時代への逆行する独裁政治指向への警戒を、米国、インドのメディアが一斉に報じているのですね。

 経済面では、触れられていることは少ないのですが、今日の中国のGDP世界第二位の地位を築いたのは、鄧小平、胡耀邦が進めた「改革開放」経済であるにも関わらず、今日の停滞の元となっている、硬直し腐敗の温床となっている国有企業を重視する習近平の危険性が指摘されていません。

 習近平は、その活路として外需の取り込み路線の「一帯一路」を掲げているのですが、「一帯一路」は覇権拡大の政治的意図も併せもっていて、軽傷を鳴らしているのが、インドのメディア。

 中国の、政治、経済の覇権拡大が、「中国の夢」なら、それはインドには悪夢だと。

 中国の軍事的圧力は、日米、オーストラリア、ベトナムなどとの防衛協力によって対抗できると指摘されていますが、経済の主導権も同様のことが言えますね。

 トランプ大統領が中国を訪問します。国内で支持率が低迷し、諸問題を抱えるトランプ大統領。貿易不均衡の是正というお土産を持って帰るのが今回のアジア歴訪の主要課題です。

 日本では、武器の購入で不均衡の是正をするよう迫りました。中国では、どのようなディールを展開し、習近平はどう応じるのでしょう。

 # 冒頭の画像は、新チャイナセブン



  この花の名前は、アネモネ・ブランダ

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