遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

止まらない北朝鮮の核とミサイル開発 中国もお手上げ

2017-09-16 23:58:58 | 北朝鮮 全般
 北朝鮮の水爆実験に対する米国主導の素早い国連安保理全員一致の制裁決議。北朝鮮の答えは、再びの日本上空を無断通過する「火星12」の発射。
 米・トランプ大統領は、北朝鮮とのチキンゲームで軍事力行使は留保し、中国による説得の道を選択しています。
 中国も、原油の全面禁輸などには反対しているものの、水爆実験には反対姿勢を示しているように、ある程度の制裁強化はしてきている様子ですが、全く無視された形での「火星12」の発射です。
 暴走する北朝鮮と、米国(≒国連)との板挟み状態で機能不全状態にあり、習近平の威信は失墜ですね。
 華春螢副報道局長は「米国責任論」を主張して責任を米国に被せて逃げていますが、中国が決定的な影響力行使に慎重なのは、「中国内部で結論が出ていないようだ」との見方があるのだそうです。

 
中国 北制御できず ミサイル発射 米から圧力いらだちも (9/16 読売朝刊)

 【北京=中川孝之、東慶一郎】北朝鮮がまた弾道ミサイル発射を強行し、中国の対応のつまずきが鮮明となった。北朝鮮を制止できず、挑発行動のたびに、米国からの圧力が高まる悪循環に中国のいらだちが強まっている。

 「問題の核心は米朝対立だ。緊張を高めているのは中国ではなく、問題解決のカギも中国にない」
 15日の中国外務省定例記者会見で、
華春螢副報道局長は「米国責任論」を主張。華氏は、同日の弾道ミサイル発射を「国連安全保障理事会の決議違反だ」と批判したが、中国が安保理制裁の履行で「巨大な代価を払っている」とも抗弁し、不快感を隠さなかった。

 中国は、11日に採択された安保理の追加制裁の調整で、原油や石油精製品の全面禁輸措置を受け入れなかった。米国などは、
中国が決定的な影響力行使に慎重なことが問題の核心だとみている。全面禁輸について、外交筋は「中国内部で結論が出ていないようだ」とみる。朝鮮半島情勢に詳しい中国遼寧社会科学院の呂超研究員も「今後の状況による」と明言を避けた。
 
中国は、主要銀行が北朝鮮関係者との取引を中止するなどの「独自制裁」措置を取り、北朝鮮に警告を発してきた。中朝関係筋によれば、遼寧省の複数の貿易企業が中国当局から中朝貿易の実態について調査を受けている。中国には、自国企業への米国の制裁に備え、「不正取引の芽を摘む」(関係筋)狙いがある模様だが、米国の制裁強化は不可避との見方が出ている。
 中国の対応が行き詰まる中、米中関係などが専門の
賀慶国北京大学国際関係学院院長が今月11日付で、「北朝鮮の最悪の事態に備える時」と題した英語論文をネット上で発表した。
 論文では、北朝鮮が米領グアムにミサイルを発射すると威嚇し、米国との武力衝突の可能性が高まっていると指摘。金正恩政権崩壊に備え、中国は「米韓と(戦時計画の)協議を始めざるをえない」と主張した。賀氏によれば、中国はこれまで米韓側の協議提案に応じてこなかったという。
 賀氏は、
中国が考慮すべき点として、核兵器の管理や難民流入を列挙。核兵器管理には膨大な費用がかかるため、「米軍に任せることもありうる」としつつ、戦後の治安維持で「米軍が(南北を隔てる)北緯38度線を越えることは中国は認めない」と見通した。こうした主張は、北朝鮮を刺激することは確実だが、中国当局が論文掲載を黙認している可能性もある。

 華春螢副報道局長は、中国が安保理制裁の履行で「巨大な代価を払っている」とも抗弁していて、主要銀行が北朝鮮関係者との取引を中止するなどの「独自制裁」措置を取り、自国企業への米国の制裁に備えているのだそうです。
 中国も手詰まり状態の中、賀慶国北京大学国際関係学院院長が、「北朝鮮の最悪の事態に備える時」と題した英語論文をネット上で発表したのだそうです。 中国当局が黙認している可能性があるというその内容は、これまで応じて来なかった「米韓と(戦時計画の)協議を始めざるをえない」と主張しているのだと。上記記事の通り、金正恩政権崩壊の戦後の管理にも言及しているのですね。
 他方、トランプ米政権が抑止力の確保に向け、核戦力増強に向けて動き始めたのだそうです。
 オバマ前政権の核戦力縮小の方針を転換するとし、就任早々に署名した大統領令で「米国の核抑止力を近代的、強固かつ柔軟なもの」とするよう指示し進められている、策定中の指針文書「核戦力体制見直し(NPR)」で、新たな方向性が打ち出される見通しなのだそうです。
 基本的には中国やロシアを念頭に置いたものだが、北朝鮮情勢が緊迫したことから、北朝鮮の動向も視野に入れたものになると、トランプ大統領が、ツイッターで示唆したのだそうです。
 
米、核戦力増強へ始動 国防長官拠点視察 中露に加え北もけん制 (9/16 読売朝刊)

 【ワシントン=海谷道隆】トランプ米政権が抑止力の確保に向け、核戦力増強に向けて動き始めた中国やロシアに対する抑止力に加え、核開発を強行する北朝鮮をけん制する狙いもある。オバマ前政権の核戦力縮小の方針を転換し、策定中の指針文書「核戦力体制見直し(NPR)」で、新たな方向性が打ち出される見通しだ。
 
「三つの戦略核戦力を縮小すれば、抑止力は確保できない」
 
マティス国防長官は13日、記者団に戦略核戦力を維持する重要性を訴えた。三つの戦略核とは、地上発射、長距離爆撃機攻撃、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を指す。
 マティス氏はこの後、核攻撃を担う戦略爆撃機の拠点で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)も管理するノースダコタ州のマイノット空軍基地を視察した。翌14日には、有事に核攻撃を指揮する戦略軍司令部でハイテン司令官と抑止戦略について意見交換した。
 視察は、NPR策定に向けた検証の一環だ。イラクやアフガニスタンでの戦費が優先され、米軍の核兵器の刷新は先送りされてきた。トランプ大統領は就任早々、1月27日に署名した大統領令で「米国の核抑止力を近代的、強固かつ柔軟なもの」とするよう指示した。
 基本的には中国やロシアを念頭に置いたものだが、北朝鮮情勢が緊迫した8月9日、
トランプ氏はツイッターで「大統領としての最初の指示は、核兵器を刷新し、近代化することだった」と強調し、見直しは北朝鮮の動向も視野に入れたものであることを示唆した。
 来年の早い時期に取りまとめる予定のNPRでは、「戦術核」も焦点となる。
オバマ政権下の2010年の見直しでは、射程の短い戦術核ミサイルの一種で、潜水艦に搭載する核搭載型巡航ミサイル「トマホーク」を退役させる方針が盛り込まれた。これに対し日本政府側は、北朝鮮や中国への抑止力が低下するとして、水面下で懸念を伝えていた。現状は、戦略爆撃機などの前方展開兵力で、西太平洋地域の戦術核の「空白」を埋めている。
 韓国では、米軍が1990年代に撤去した戦術核の再配備を求める声が強まっており、米国の「核の傘」への信頼をどう担保するかも課題となる。


 国連安保理で、全会一致で素早い制裁決議をすることで、北朝鮮への圧力を高めた米国。そこには、北朝鮮の反発は計算されていて、当初案から譲歩された内容が、北の次の反発に対して課せられることを予告したものであると同時に、中露の拒否権で限界がある国連の制裁の他に、米国独自の制裁(記事でもふれられている、北朝鮮と取引のある企業にたいする米国との取引停止や、銀行へのドル規制)も準備しています。

 日本も、北朝鮮が核保有国の黙認を得るなどした場合も睨んで、独自の抑止力確立が必要ですが、記事でも触れられているトマホークの購入配備の検討を始めていることは、諸兄がご承知の通りです。
 日本政府が「トマホーク」配備検討 慎重だった米側、北脅威で態度軟化と防衛省筋 - 政治・社会 - ZAKZAK

 国連(≒米国&日韓)と北朝鮮(含中露)とのせめぎあい。北朝鮮による日本上空を通過する弾道ミサイル発射実験はマダマダ続きそうですが、何時、どうやったら止められるのか。全くみえてきませんが、中露が鍵を握っていることにはちがいありません。
 過去の北朝鮮との話し合いの結果を振り返れば、戦闘の犠牲をなくチキンゲームを終わらせるには、古来の兵糧攻めしかありません。そこには中露を始めとする国際社会の合意・協力が不可欠です。米国の努力は進められていますが、隣国の当事者で人質となっている日本も、国際世論形成に汗を厭わない努力が必要ですね。


 日本政府が「トマホーク」配備検討 慎重だった米側、北脅威で態度軟化と防衛省筋 - 政治・社会 - ZAKZAK

 米 中国企業に独自制裁も - 遊爺雑記帳



 # 冒頭の画像は、トマホーク




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