遊爺雑記帳

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中露の支援で暴走する北朝鮮 これを止めるのは人質の日間の軍事的リスクに敢然と対決する覚悟

2017-09-07 23:58:58 | 日本を護ろう
 北朝鮮の核とミサイルの開発暴走が止まりません。金王朝の存続と南北統一を目指す金正恩には、その達成への最大の障害の米軍に対抗するための核とミサイルは手放せないと考えているからですね。
 米朝の衝突が、相互のレッドラインに近づきチキンレースとなっているが、二国間のチキンレースではなく、北朝鮮とそれを支援する中露と、日韓を人質にとられている米国との複雑なチキンレースとなっていることが混迷の基となっている。
 現状の交渉で解決できなければ、米国は、太平洋戦争の「パールハーバー」や、アフガン戦争、イラク戦争の「9.11 同時テロ」の様に、北の暴発を待って全面攻撃を仕掛ける姿勢を示す。そこで、中露がその戦争に参加するか否かの選択が迫られ、初めて解決を目指す交渉が出来る。
 そのためには、人質の日韓の軍事リスクへの覚悟(含対応準備)が必要と指摘されるのは、元・陸上自衛隊幹部学校長の樋口 譲次氏
 

核施設のみならず一瞬で北朝鮮の全焦土化狙う米国 中露の支援断ち切るには不可欠、求められる日韓の覚悟 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2017.9.7(木) 樋口 譲次

■レッドラインを突きつけ合う米国と北朝鮮
「チキンゲーム」へ

 
米国は、北朝鮮が米国本土を確実に攻撃できる核弾頭搭載のICBMを保有することを絶対に認めることができない。それが、米国の北朝鮮に対するレッドライン
であろう。

 他方、北朝鮮は、最高の国家目標である金王朝の体制存続と朝鮮半島統一のための「最後の切札」である核ミサイルの開発、およびそれを中心とする軍事力の行使と経済社会活動を麻痺させる石油禁輸は絶対に阻止しなければならない。
 それが、北朝鮮の米国(その他日本を含む反北国際社会)に対するレッドラインであろう。
 日本は、アメリカ合衆国(America)、英国(Britain)、中華民国(China)およびオランダ(Dutch)が行った対日貿易制限、すなわちABCD包囲網と、最終的には石油禁輸によって苦境に陥り、その難局を打開するために大東亜戦争(太平洋戦争)へと突入せざるを得なかった。
 それを歴史的先例とすれば、
日米などが主張している対北石油禁輸を北朝鮮のレッドラインと見なすことに、さほど異論はないであろう。
<中略>

 北朝鮮は、米国本土を確実に攻撃できる核弾頭搭載のICBMの保有に限りなく近づいていると見られており、すでに米国は北朝鮮からレッドラインを突きつけられた
格好だ。

 他方、
8月29日、北朝鮮が事前通告なしに日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射
したことを受けて、国連の安全保障理事会は日本時間の8月30日朝、北朝鮮を強く非難しミサイル発射の即時停止を求める議長声明を全会一致で採択した。
 北朝鮮に中国などが輸出している石油をめぐっては、これまでも米国が禁輸の対象にすべきだと主張してきたのに対し、中国は市民生活に深刻な影響を及ぼすとして強く反対してきた。
 しかし、今般の弾道ミサイル発射と6度目の核実験を「これまでにない深刻かつ重大な脅威」と考える
日本と米国は、北朝鮮への石油の禁輸も視野に、さらに厳しい制裁決議案を取りまとめる方向で調整に乗り出す方針であり、北朝鮮の生命線にレッドラインを突き付ようとしている

 つまり、
米朝関係は、お互いにレッドラインを突きつけつつ、いよいよ危険な脅し合いの「チキンゲーム」の様相を呈しつつある


■初めから勝敗の明らかな「チキンゲーム」
 本来「チキンゲーム」は2者の間で行われ、米国と北朝鮮との2国間における「チキンゲーム」は、例えれば、米国のスーパー戦車と北朝鮮の中古軽自動車を衝突寸前まで走らせるようなもので、その勝敗は始めから明らかである。
 北朝鮮は、依然として大規模な軍事力を維持しているものの、旧ソ連圏からの軍事援助の減少、経済の不調による国防支出の限界、韓国の防衛力の急速な近代化といった要因によって、在韓米軍や韓国軍に対して通常戦力において著しく劣勢に陥っていることから、「従来の通常兵器を使った“戦場”で米国に直接対抗するのは不可能だ」と認識しているのは間違いない。
 そのため、
北朝鮮は、核兵器などの大量破壊兵器や弾道ミサイルの増強に集中的に取り組むことにより際立った劣勢を補おうとしている。それが、米朝関係における軍事能力上の基本構図
である。

 
北朝鮮の最高目標は、金王朝体制の存続と南北統一であるが、その最大の障害は米韓相互防衛条約に基づいて陸空軍を中心に約1.7万人の在韓米軍を維持する米国の存在
である。
 北朝鮮は、米国に戦略的に対抗するためには、核ミサイルが必要不可欠であるとして、国際社会からの非核化の要求をものともせず、核ミサイルの地位と役割を最高度に押し上げ、「最後の切札」として、その開発と運用に大きく依存しようとしている。
 繰り返すまでもなく、
世界の覇権国家である米国と世界の最貧国の1つである北朝鮮との2国間における「チキンゲーム」の勝敗は、自明
である。
 しかし、
米朝間の「チキンゲーム」は、周辺国を巻き込んで展開されているのが特徴であり、同盟国である日本や韓国を人質にすると脅されている米国と、世界の大国である中国とロシアから支援を受けている北朝鮮の置かれた立場が、この「チキンゲーム」を余計に複雑にしている


■中露が絡んで複雑化する「チキンゲーム」
 石油禁輸を渋る中国と石油輸出を拡大しているロシア


 北朝鮮の核ミサイル開発をめぐる米朝の対立には、朝鮮戦争における地政学的対立の構図が基層となって横たわっており、日米韓と中露鮮の利害が絡んだ複雑な「チキンゲーム」になっている。

<中略>

 中国は石油禁輸を渋り、ロシアは石油輸出を拡大
しており、北朝鮮を現実的に追い詰める厳しい措置に議論が及ぶと、中国やロシアが慎重姿勢を崩さない。
 このため、日米などが石油禁輸によって北朝鮮の生命線を止めようとする
「チキンゲーム」は、国連を舞台にした外交的な駆け引きの中で、その行方が見通せない状況
になっている。

■日米は対北強硬策を緩めてはいけない
 中露は、北朝鮮を支援し、日米が誘導しようとしている「チキンゲーム」を回避しようとする一方で、北朝鮮が米国に対してレッドラインとして突きつけている核ミサイル開発を放棄させるための有効な措置を講じる姿勢を見せていない。
 これに対して米国のドナルド・トランプ大統領は、「レッドラインは引かない」が、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と繰り返し警告している。
 米国は、過去に、旧日本海軍にパールハーバーを攻撃されて日米戦争に突入し、「9・11」のアメリカ同時多発テロを受けて、アフガン戦争、イラク戦争に突入した。
 その歴史が暗示するように、トランプ大統領が「米国にとって非常に敵対的で危険」と非難する北朝鮮が、米国本土を確実に攻撃できる核弾頭搭載ICBMを保有すること自体、将来への脅威を見越せば、絶対に認めることができないだろう。

 
9月3日、北朝鮮の核実験を受け、トランプ大統領が国家安全保障担当補佐官らと協議した後、ジェームズ・マティス国防長官は「米本土またはグアムを含む海外領土、あるいは同盟諸国に対するいかなる脅威も、大規模な軍事対応をもって迎えられるだろう
、実効的かつ圧倒的な対応だ」と言明した。
 このように、
今後の外交努力によって北朝鮮の非核化が達成できない場合、同盟国である日韓に及ぼす影響を慎重に考慮したとしても、「米国第一主義」を掲げるトランプ政権が軍事行動をためらう最終的な理由にはならない
のである。

 
中露や北朝鮮に誤算があるとすれば、その点であろう。中露が支援して日米から突きつけられている北朝鮮に対するレッドラインを回避できたとしても、米国はすでに北朝鮮によってレッドラインを突きつけられている以上、軍事的選択肢を放棄することはできない
のである。

 その際、「朝鮮半島の非核化」が国連安保理事国の共通した目標であったとしても、
米国による軍事攻撃は、北朝鮮が金王朝体制存続のために全面対決を躊躇しない可能性が大きいことから、核ミサイル(およびその関連施設)だけを標的にした限定攻撃にとどめることはできない

 金正恩の斬首作戦による体制転覆はもちろんのこと、韓国の首都ソウルを火の海にすると豪語する軍事境界線沿いに配備された1万3600両といわれる大砲や多連装ロケット砲の一挙制圧、陸海空軍基地や地下に造られた攻撃拠点・兵器弾薬庫の破壊など、
国土が消滅するくらいの全面攻撃
になることは避けられないのではなかろうか。

 その結果、
中露は、米国が隣人となりかねない地政学的最悪の条件を受け入れるか、それとも、北朝鮮を支援して何らかの形で米国との軍事衝突に介入するかの重大な選択を迫られる
ことになる。
 つまり、
中露の賢明な選択は、日米が要求する対北朝鮮石油禁輸を受け入れて、米朝両国がギリギリまで追い込まれる、正面からの「チキンゲーム」を成立させること
である。

 
そのような段階に至れば、ようやく対話や交渉などによって問題の解決を図ろうとする外交の場に役割が移り、北朝鮮の非核化を平和的に解決し、金王朝の体制存続をも可能とする希望が生まれる
というものである。それが国際政治を動かす現実である。

 この「チキンゲーム」を通じて
日本(そして韓国)に求められることは、「非合理の合理」を追求する北朝鮮が及ぼす自暴自棄的な軍事的リスクに敢然と対決する覚悟を決め、わが国およびアジア太平洋地域の安全保障を確保するうえで必要不可欠な日米同盟とその集団的自衛(相互防衛)の体制を堅持する立場をより明確にして、米国とともに対北強硬策を緩めないことであろう。

 日韓を人質にされて、米国民や資産に核ミサイルの脅威を突き付けられての交渉を迫られることに、「アメリカファースト」を掲げるトランプ政権が、黙っていられるのか。ただでさえ支持率が低下してあえいでいるトランプ政権。歴史の先例が示すように、相手国の暴発を待って、全面攻撃を仕掛ける可能性は否定できない。
 また、その覚悟を露わにすることで、現状の交渉で北朝鮮擁護の立場を採り、交渉をとどめさせている中露に決断を迫り、交渉を進展させたい米国。
 中露に参戦か交渉進展かを迫るには、人質となっている日韓の覚悟と準備が求められる!

 現状の交渉の手詰まりや、兵糧攻めの抜け穴による効果の遅さから脱却する最後の決め手はそうなるしかないのかもしれませんね。しかもそれは、北朝鮮が核搭載のICBMを実践配備する前に実施されなければならないと言う、時間の猶予が無い話。。
 日本は、Jアラートにクレームをつける平和ボケを展開している場合ではないのですね。



 # 冒頭の画像は、国連安全保障理事会の緊急会合で、「戦争は望んでいないが忍耐力は無限ではない」と発言するニッキー・ヘイリー米国連大使




  イロハモミジの紅葉


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写真素材のピクスタ


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中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日―一極主義 vs 多極主義
日本人が知らない「二つのアメリカ」の世界戦略





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