遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米中の貿易戦争で、世界景気は後退に入る

2018-06-18 23:58:58 | my notice
 米国が、中国からの輸入品に制裁関税を課す方針を打ち出したのに対抗し、中国も16日、同規模の報復関税を発動する方針を決めました。
 GDP No.1と、No.2で、世界の 4割を占める両国。その間での貿易戦争のエスカレートは世界経済への影響は大きく、世界の景気の悪化を招きます。
 底流には、台頭する中国の覇権拡大指向と米国との覇権争いがあるのですが、どちらにとっても自国経済への悪影響の形でふりかかってくる結果を招くことになるもので、協議でエスカレートを阻止すべきなのですが。。
 米中の貿易戦争で世界を危険にさらすな  :日本経済新聞

 
米中摩擦 世界経済リスク 7月6日発動 制裁関税の応酬 (6/17 読売朝刊)

 【北京=鎌田秀男、ワシントン=山本貴徳】米国が、知的財産権の侵害を理由に、中国からの輸入品に制裁関税を課す方針を打ち出したのに対抗し、中国も16日、同規模の報復関税を発動する方針を決めた。両経済大国が「貿易戦争」に突入すれば、世界経済に悪影響を及ぼすのは必至だ。

保護貿易 景気後退引き金にも
 中国政府の発表によると、7月6日以降、659品目、計500億ドル(約5・5兆円)相当の米国製品に25%の輸入関税を上乗せする。第1弾として米国が制裁関税を発動する7月6日と同じ日に545品目(340億ドル相当)の関税を引き上げる。大豆や小麦、牛肉など農産品のほか、自動車や水産品を対象とする。
 第2弾の114品目(160億ドル相当)は原油や天然ガスなどエネルギー関連が中心になる。米トランプ政権が15日に発表した、1102品目、計500億ドル相当の中国製品に25%の関税を上乗せする措置に対抗する。

 米中貿易摩擦の直接の影響は限定的だ。大和総研の試算によると、1500億ドル相当の報復合戦に陥っても、国内総生産(GDP)の押し下げ効果は、中国が0・3%、米国が0・19%、日本が0・02%だ。
 しかし、
米中両国は相互依存の関係を深めている。17年、米国の総輸入額に占める中国の割合は21・6%に上り、中国の総輸出額に占める米国の割合も、19・0%に達した。米国のGDPは約18・6兆ドル(2016年、世界銀行調べ)、中国は11・2兆ドルで世界の4割を占める。報復合戦が投資心理を冷やし両国の発展を阻害すれば、世界経済への波及も大きい

 7月6日まで3週間残る。両国がこうした事態を強く懸念すれば、報復合戦が回避される可能性もある。
 今春までは先進国と新興国経済の同時成長を予想する声が多かった。国際通貨基金(IMF)は4月の世界経済見通しで18年と19年の世界の経済成長率を3・9%と見込んだ。だが、
世界経済を主導する米国の景気拡大は9年にわたり、19年には景気後退に入るとの見方がある。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを進め、有利な投資先を求める資金が米国に還流。新興国の通貨不安が指摘されるなど、
世界経済は盤石とも言えなくなってきた

 欧州連合(EU)とカナダは、米国による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限に対し、7月に報復関税を発動する方針だ。金融市場では、米国の保護主義が引き金となって世界規模の貿易戦争が起き、景気後退に入るリスクが意識されるようになっている。


 
ディールより中国封じ 制裁 ハイテク狙い撃ち (6/17 読売朝刊 [動乱 世界貿易])

 「President Trump is right on target(大統領は的を射ている)」
 トランプ米大統領の身内、共和党からの声ではない。野党民主党の上院トップ、シューマー院内総務が、中国製品への制裁関税を歓迎し、15日に出した声明だ。

 トランプ氏が最も重視する11月の米中間選挙。選挙が近づけば、与野党問わず反中国のうねりが強まるのは常だ。製造業大国となった中国に、工場や雇用が奪われたとの思いは米国内に根強くある。世論の風をつかむ嗅覚に優れるトランプ氏。
再び中国への強硬姿勢を強めたのは、選挙に向けた計算か――。

 金融市場が織り込んできたメインシナリオは、トランプ氏が望むディール(取引)が成立し、制裁関税の発動は回避されるというものだった。その「シナリオ」に沿って米中は動いてきたかに見えた。
 5月上旬から3回にわたった米中の閣僚級会議。ムニューシン米財務長官や米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長ら協調派が主導権を握り、中国の劉鶴(リウフォー)・副首相との間で、交渉をいったんまとめた。米メディアは、中国側が貿易赤字の削減に向け、700億ドル相当の農産品や天然ガスの購入案を提示し、歩み寄ったと報じた。しかし、
トランプ氏は15日、ちゃぶ台を返すように、ディールを破棄した。

 トランプ政権で、
対中強硬路線を主導するのは、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と、ナバロ通商製造業政策局長だ。ライトハイザー氏は、通商問題専門の弁護士として知られ、1980年代のUSTR次席代表時代、日本に鉄鋼の輸出規制をのませた。実務家のタフな交渉人だ。「中国は我々の知的財産を盗み、米国企業に技術移転を強要し、コンピューター網にサイバー攻撃を仕掛けている」。15日の声明でも中国を激しく批判した。
 ナバロ氏は著名な経済学者で、中国の軍事・経済的な台頭を強く警戒し、理論面で支える筋金入りの対中強硬派だ。
中国はナバロ氏を「タカ派」(朱寧・清華大学国家金融研究院副院長)、ライトハイザー氏を「対中貿易で強硬な立場を取る」(中国紙・環球時報)と強く警戒してきた。

 米中の貿易戦争が現実味を帯びるのは、貿易赤字の削減だけでなく、
ハイテク分野で台頭する中国を封じ込めようという米国の狙いが明確になってきたためだ。トランプ政権が発表した制裁関税の最終案で、追加された284品目は、光ファイバーなどハイテク分野を狙い撃ちした色彩がより濃くなった。ハイテク分野の覇権争いとなれば、中国もディールに乗るわけにはいかない。

 
中国は、「いかなる戦争や困難も恐れることはない」(国営新華社通信)と徹底抗戦の構えを見せる。しかし、貿易戦争に突入すれば中国経済への打撃は避けられない。中国政府系研究機関のエコノミストは「自殺行為になる」と懸念する。

 ライトハイザー氏は15日、米FOXニュースの番組で、「(中国と)さらなる交渉につながることを望む」と述べ、制裁回避に含みを持たせた。ディールの知恵はあるのか。世界の通商関係者も固唾かたずをのんで見守る。

 米中貿易摩擦の直接の影響は限定的なのだそうですが、両国で世界のGDPの4割を占める状況での貿易戦争。報復合戦が投資心理を冷やし両国の発展を阻害すれば、世界経済への波及が大きいのだと。

 世界経済を主導する米国の景気拡大は 9年にわたり、19年には景気後退に入るとの見方があるのだそうですが、中国経済の成長率も低迷しています。
 加えて、米国による鉄鋼とアルミニウムの輸入制限に対するG7内での対立も表面化しています。

 米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と、ナバロ通商製造業政策局長という、対中強硬派をそろえた米国。
 中国は、ナバロ氏を「タカ派」(朱寧・清華大学国家金融研究院副院長)、ライトハイザー氏を「対中貿易で強硬な立場を取る」(中国紙・環球時報)と強く警戒してきたのだそうです。
 ライトハイザー氏は、1980年代のUSTR次席代表時代、日本に鉄鋼の輸出規制をのませた。実務家のタフな交渉人として知られ、いずれ始まる日本との二国間交渉でも、今から警戒されていることは、諸兄がご承知の通りです。

 繰り返しになりますが、貿易戦争が激化すれば、両国にとっても世界経済にとっても打撃を受けます。
 中国政府系研究機関のエコノミストは「自殺行為になる」と懸念し、ライトハイザー氏も制裁回避に含みを持たせた発言をしているのだそうですが、エスカレートを回避できるのか。注目されます。



 # 冒頭の画像は、USTRのライトハイザー代表
  WTO敵視、自国産業保護こそ神髄…日本と対峙する“ロケット・マン”ライトハイザー氏再び(5):イザ!




  カマキリ


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