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謎発見。なぜか「ナチズム」を避ける日本マスコミ

2017-03-13 18:25:07 | アジア情勢複雑怪奇

とても奇妙な展開。

数時間前に書いた、

トルコ大統領「西側ではナチズムが生きている」

の話を日本の報道はどう伝えるんだろうかな、と思ってちらっと見たら、時事も産経(共同の配信らしい)も、ナチズムという言葉を避けて、エルドアンはファシストのようだと言ったという記事になっていた。

確かに、ナチだ、ファシストだ、と並列して言ってるところもあるけど、

私はナチズムは終わったと考えていた。しかし私は間違っていた。実際にはナチズムは the West で生きていたのだ

という、とんでもなくハッキリとした言明もあるし、あてこすっているのは「あのナチス」で間違いないでしょう。別に一般論としてのファシズム批判をしているのではない。そもそもお前もそうだろう、とかお前なんか独裁者じゃんかとエルドアンに対して誰も言い出さないことも、関係者の頭が「あのナチス」にあるからじゃないですかね。でもって、メルケルはわざわざ、ナチっていうな、ふざけてると怒ってるんだし。

エルドアンちゃん何度もいろんなこと言ってるけど、ファシズムに戻るドイツ、ナチスの残党残滓オランダ、みたいなのがある種のキャッチーなワーディングだった気がする。(私は別にこれが良い、エルドアンがんばれと思っているわけではない)

ここでなぜ日本は、エルドアン大統領は、西側ではナチズムが生きているなどと言っている、と書けないの??? これが不思議だ。

 

「ファシストのようだ」と非難=オランダ入国拒否でトルコ大統領
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017031300652&g=int

トルコ外相の入国拒否 オランダ、対立激化
http://www.sankei.com/world/news/170313/wor1703130011-n1.html
トルコのエルドアン大統領はオランダ側を「ファシスト」と厳しく非難。オランダのルッテ首相は「異常な発言。一線を越えている」と反発し、対立が激化している。オランダには約40万人のトルコ系住民がいる。(共同)

オランダ、トルコ外相の入国拒否 両国首脳が激しく応酬

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H0W_S7A310C1FF8000/

 【ブリュッセル=森本学】オランダ政府は11日、トルコのチャブシオール外相らの入国を拒否した。外相はロッテルダムで予定されていたトルコ系住民による政治集会に参加する予定だったが、集会は中止された。エルドアン大統領はオランダ側を「ファシスト」と激しく非難。オランダのルッテ首相も「ばかげた発言だ」と応酬し、対立が激しくなっている。

 

NHKは微妙に違う。

トルコのオランダ総領事館で国旗降ろされる騒ぎ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170313/k10010909311000.html

今回の入国拒否をめぐっては、トルコのエルドアン大統領がオランダをかつて言論統制を行ったナチス・ドイツにたとえて非難したのに対し、オランダのルッテ首相が強く反発するなど、両国の間で非難の応酬が続いています。
 
 
思うに、日本では、「ナチズム」というのは良くないことを指している、罵倒しているという見解がない?? だから、ファシストで代置しているとか、NHKのように、「かつて言論統制を行ったナチス・ドイツ」のようなわかったようなわからないような言い方をしているとか? まさかいくらなんでもそりゃないだろうとは思うけど、何かがおかしい。
 

そういえば、毎年ロシアがやっている、対ナチズムの戦勝記念も、日本ではほぼ間違いなく「対独戦勝記念日」という。この差はとても大きい。そしてよく考えるとこの差は事実にも沿っている。なぜなら東ドイツもドイツだが、東ドイツはナチズムを憎んでいた、または主要な敵対者だったことをむしろ誇りにしていたことで知られているから。

現在の公式見解としてロシア政府もドイツ他の各国も、あのレジーム、つまりナチス体制は否定すべきレジームという点に違いはない。だから、対独戦勝じゃなくて、対ナチスの戦勝記念をしていて、それに対してドイツは献花したりなんだりをする。

というところで、日本の報道機関って何か特別な線引きがあるみたいだ。何かへんなものを見てしまったような気がする。





図説 ドイツの歴史 (ふくろうの本)
石田 勇治
河出書房新社


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『日本会議の検閲』 (ローレライ)
2017-03-14 06:00:57
日本のマスコミは『ナチスの残党の姉妹』である『日本会議の検閲』が入ると考えると『奥歯のハサがる』事情が見えて来る。
極東ラットライン (ブログ主)
2017-03-14 12:03:32
ローレライさん、

極東のラットラインを見ているって話しなんだろうとは思いますが、そうだとすれば現状は「正史」ラインさえ守れなくなってるという危険な状態なんでしょう。
ルソフォビア洗脳プロジェクト (私は黙らない)
2017-03-17 04:49:46
「西側ではナチズムが生きている」カナダ編にコメントしようとしたら、gooにログイン後でないと入れず、こちらにコメント残します。
嫌な野郎が外相になったなと思っていたら、ナチスの協力者の家系だったとは知りませんでした。カナダのユダヤロビーは騒がないの?反ナチス<ルソフォビアってことですか?
マスメディアは、イスラモフォビアを徹底的に叩いておきながら、ルソフォビアを煽っていることに何の羞恥心もないのですかね。
話はそれるのですが、腹の虫がおさまらないのでちょっと言わせてください。
オランダの選挙でウィルダースが第一党になれなかったのを、ポピュリズム、極右をストップしたと鬼の首をとったように報道するメディア、ただ勉強不足なのか、故意によるものか。フランスの国民戦線とひとまとめにして叩いているけど、ルペンとじゃ、政治姿勢、全然違いますよ。反イスラムの理由が決定的に違う。これが支持を広げられなかった理由。
ユダヤ人もツールだった、ということでしょう (ブログ主)
2017-03-17 13:09:38
私は黙らない さん、

失礼しました。gooユーザーのみ設定になってました。初めて気がつきました。今後は目で確認する習慣ができます。ありがとう。

で、カナダのジューッシユロビーは今のところ目立った動きはないみたいですね。結局、ユダヤ人は全体としてみれば the West に使われてる道具だと思います。ユダヤ陰謀論をしかけているのもステルス帝国だろうと思ってみてます、私は。

彼らが怖い(利口)なのは、ある程度事実関係を解明させて、それを別解釈で利用するのに長けていること。
オランダの選挙を含む欧州各国の事情を一緒に語るのは間違ってるという点、私も同意です。

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