ウォールストリートジャーナルが2008年以来はじめて取材班を北朝鮮に送ったらしくその記事が出ていた。写真も数点出している模様。
Letter From North Korea: What Life Looks Like as Nuclear Crisis Mounts
有料の壁に塞がれているので最初のサマリーしか読めないのだが、ゼロヘッジが引用して記事を書いていた。
こんなビルもあれば、子どもはかわいいおもちゃで遊んでるし、という要するに、今まで勝手にアメリカメディアが極端に書いたまま修正せずに放置してきた、貧乏で草食ってるような北朝鮮、独裁者が一人で妄想してピーピー言ってる戯画化された北朝鮮、ってのをこのままにしておくのはマズイという判断が働いたって話だと思う。
アメリカ人の暴走するバカメディアは今ごろこうやってますが、ロシアの方は基本的にそもそも元々同じ側にいた国だから、アメリカや日本のような、ヘイトに基づく北朝鮮イメージというのはなさそう。
ただ、RTが撮ったドキュメンタリーなんかだと、閉鎖社会的な感じに取材チームが困惑している感じもあって、やっぱり元ソ連もそうなのかと一瞬思ったが、RTのインターナショナル版はスタッフが非常にインターナショナル化しているのでロシアその他の人の発想ではない可能性もあるよなとかちょっと思ったし、あと、困惑しているいくつかのケースは、あんたそれは東アジア共通でそんなものだと思うなぁとかいうものもあって、こうなると異文化問題だなとか思えてちょっと面白かった。
そうこうしているうちに、数週間前にロシア国内でも結構詳しいTVレポートが放映された。
こっちは、なんせ北朝鮮の国家としての骨格を作っていった時の協力者はソ連だから、実際いろいろ知っているおじいさんが今もたくさんいるようで、滞在したことのある人たちが登場して、総じていえば、北朝鮮をどこかの遅れたへんな国と思っている人たちは大きな誤りを犯す、と、折からの米の騒ぎに抗する仕立てだったみたいだ。
これがその動画。Russian Insiderが英語字幕を付けている。RTなんかよりはるかにロシアっぽい。
EXCLUSIVE Russian Report from inside N Korea: Do Not Underestimate North Koreans!
まだ半分も見てないのだが、概略を書いている人の話によれば、
Inside N. Korea - How the US Under-Estimates Them - Excellent Russian TV Report
レポートで強調されていたのは、北朝鮮は確かにお金がないかもしれないが、だからといって何もないと思うのは間違いで、特に、科学技術の人材もいるし、エネルギー資源は外から油が入ってこなかったら石炭を使うだろう、なにしろ彼らには大量の石炭がある、現在発電の1/3は石炭、そもそも制裁には慣れているからできるだけ自給自足的になっている、といったところらしい。
そう、石炭が余るほどあるなら人造石油技術ってものもある。
ということで、TV動画は後で見るとして、とりあえず、ロシアは、ロシア極東の隣人たる北朝鮮とインフラこさえて共存、共栄の方向に進むことで変更なし、アメリカは今後の展開にとって邪魔になる可能性のある、あまりにも偏ったオーディエンスを多少はふるい落とすためにちょっと自らの側の情報修正に取り掛かるように見える、という感じか。
その他、ここでも書いたけど、
対北朝鮮制裁決議と解かれていく南北成立過程
どうしてそもそも南北に、とか、朝鮮戦争はどんなものだったかに言及される機会が増えるにつれて、北朝鮮がなんであんなに突っ張るのかに対する理解度は微増だが増えていってると思う。
反射的に、このことがもたらすのは、日本は過去の自分の行動について、見直す、書き換える、教育しないとならなくなる、ってことでしょう。自分からやればいいのに、またできずに揉めるんだろうなぁとか暗澹とした気持だす。
1世代まるまる、ものすごい韓国蔑視、朝鮮蔑視視線を植え付けたツケは小さくないと思う。つか、毎週書いてる気がするけど、20年も意味不明なヘイトを放置したツケが小さいわけはない。
そうそう。いわゆる反政府、反権力のような人々もそう。同じく、差別はいけないヘイトはいけないというのが、ロシアもののデマはまったくフリーというのもそれらの人々の特徴。
自分をリベラルだと思ってる「制限・方向付リベラル」みたいな人たちもなんとかせにゃですよ、ほんと。金子勝、お前だ!
https://www.jiji.com/sp/d4?p=nko415&d=d4_ccc
ご案内ありがとうございました。まとまったサイトがあるとは知りませんでした。
看板だのネオコンが上がってない街並みって素敵。
北朝鮮は160か国ぐらいと国交があってこれだけのことができてるんだから、日米と遠縁の世界になるというのも一つのような気がします。
高層ピルが立ち並ぶ街を見ていると、中国が手伝ったのかな。中国もがんばったんだなあって思いました。モスクワによく似た地下鉄の建設は、70年代にソ連が援助したそうです。
「平壌の風景、時事通信」で検索すると、2012〜2016年の写真特集も出て来ますよ。野外プール、遊園地、スポーツジム、イルカショー、ゲームセンターなど、日本と同じような娯楽施設がいろいろあるみたいです。
写真を撮った荒巻正行氏は北京在住の東アジア研究者で、20年くらい前から何度も北朝鮮に行って写真を撮っていらっしゃるようです。
また、荒巻氏に声をかけられた、爆風スランプのファンキー末吉氏は、北朝鮮の美少女ロックバンドをプロデュース(?)したみたいです。
http://virates.com/society/2223174
実は北朝鮮の資源をめぐる争奪戦は、すでに始まって久しい。2004年から11年の間に北朝鮮で合弁事業を開始した世界の企業は350社を超す。中国以外ではドイツ、イタリア、スイス、エジプト、シンガポール、台湾、香港、タイが積極的であるが、そうした国々よりはるかに先行しているのは、意外にもイギリスである。
http://biz-journal.jp/2017/09/post_20470_3.html
>なにしろ彼らには大量の石炭がある
安心できませんよ。先日うちが取ってる朝日新聞が「石炭廃止への道」という記事組んでました。これじゃ朝鮮が外国から無茶な要求されて産業潰される危険が大きいですよ。