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メディアと英アシュ米覇権雑感

2017-11-24 12:57:13 | アジア情勢複雑怪奇

大手メディア、主流メディアを何か中立的な存在と考えるのはそもそも間違っている、とはずっと書いてきたこと。

考えてみれば、アメ人とかcorporate media(コーポレート・メディア)とかいうし、利害のある存在として考えてる。決して良い意味では使ってない。

ここまででも十分にやばくなってる米メディアなのだが、さらに寡占化を進めるつもりらしい動きもあるし、さらにSNSに関してもtwitterやらgoogleに「当局」の意向を反映させるつもりはまんまんといったところが現状。

しかしこれは別に昨今の話ではない。2日前の桜井さんの記事。

こうした資本による統合だけでなく、支配層はメディアを支配してきた。19世紀にロスチャイルド兄弟がメディアへの影響力を重視していたことは有名で、例えばイギリスのネイサンはタイムズなど、オーストリアのザーロモンはアルゲマイナー・ツァイトゥングなど、フランスのジェームズも有力紙だったモニタル・ユニベッセルなどだ。1933年から34年にかけてJPモルガンなどウォール街の大物たちがフランクリン・ルーズベルト大統領を中心とするニューディール派を排除するためにクーデター計画では新聞で人心を操ろうとしていた。

本ブログでは何度も書いてきたが、第2次世界大戦後、アメリカで情報統制を目的としたモッキンバードと呼ばれるプロジェクトが存在していた。このプロジェクトは1948年に始動、その中心にいた4名は大戦中からアメリカの破壊活動を指揮していたアレン・ダレス、破壊活動を目的とした秘密機関OPCの局長だったフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で後にCIA長官に就任するリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだ。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201711220000/

 

前段の部分の「しっぽ」にあたるのが英タイムスであり、エコノミストであり、テレグラフといったいわゆる英メディア。とりわけThe Economist、FTはそうでしょう。

そして、後段がアメリカが支配の中心になった時からの話。ワシントンポストはCIA創設に至る動きと同期して存在しているわけだから、考えてみればまぁ戦後アメリカ覇権の中心的役割を担いましたという存在ですね。

 

今後どうなるのかわかりませんが、現在までの約150年はこのようにして、いわゆる the West による歴史のクリエイトを含む、情報操作によって世界はなんとなくコントロールされていましたというところ。

 

多分、前段のイギリスの時代で、戦争とジャーナリズムが結びついたきっかけはアヘン戦争、クリミア戦争あたりじゃないですかね。だって、イギリスのあの島に住んでる人たちにとっては、はるか極東とかトルコ人とロシア人の合戦なんてなんのリアリティもないわけですよ。しかし、これらの戦争を仕掛けちゃった人たちはロイヤルネイビー(いわゆる英海軍)を使わないと話にならない。海軍を使うにはイギリス国内でOKが出ないとさすがに大規模には動かせない。

そこで、あることないこと掻き立てて、トルコ人を横暴なロシア人から救えとか、我々は危機にさらされてる~とか煽って、ある種の騒動の中で、しょうがない、に持って行って海軍を使う許可を得る、みたいな恰好。アヘン戦争の場合は、さすがにアヘン売りの利益を擁護する謂れはない、そんな不道徳なと問題になるというバックラッシュもあったことはあった。

このへんが、近代の戦争と煽りジャーナリズムの効用の原点じゃなかろうか。つまり東インド会社およびその後裔であるらしい人々に自前の軍がないからこそこうなった。

もちろん、戦争と情報に関しては、もっと牧歌的なものなら古代からあるでしょう。しかし近代のそれは、電信というものの存在によってもっと早く、それだけリアルになったところが特徴だし、それらの各国情報を使って、相手国をかく乱したり破産させたりといったことを、組織的にやって、むしろ軍は最後に来る、みたいな仕立ても結構特徴的かも。

そういえば、イランは、あのロイター通信の創立者のロイターさんに、鉄道利権から何からなにまでといっていいぐらいの資産を売り渡す条約を結んで(結ばされてというか、シャーがもうわけわかめになって)、ほとんど国ごと個人にあげちゃった状態だったのだが、さすがに他のビジネス関係者やイランのナショナリスト等々の反対にあってキャンセルされたことがある。

In 1872, Nasir al-Din Shah, the Shah of Iran, signed an agreement with Reuter, a concession selling him all railroads, canals, most of the mines, all the government's forests, and all future industries of Iran.

https://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Reuter

 

で、日本なんですが、桜井さんのご意見に私もまったく同意します。

最近ではそうしたことを知る人が増え、日本のマスコミは本当のことを伝えないという批判を聞く。そうした批判は間違っていないが、アメリカをはじめとする西側のメディアも似たようなものなのである。日本のマスコミを批判する一方、アメリカなどのメディアが伝える話を無批判に受け入れることの滑稽さを知るべきだ。

似たようなものというより、日本の仕組みは所詮は「属州」のそれでしょう。コントロールを受ける側にいる。だから、日本のマスコミだけを批判しても、それはちょうど課長をいくらせめても決済してるのは本部長だ、みたいな話だともいえましょう(笑)。

 

やっぱり、日本に求められるのは、もう少し広い視野から見た枠組みを見せることじゃないのかな。あくまで日本国内の動きだといえるものはそれでいいけど。

つまり、主権・外交権が絡む問題はビッグピクチャーが必要だが、自治権の範囲内のことはそうでもない、という区分のうちの前者が非常に手薄だということかな、と。

 

■ オマケ

ロイター利権について、日本語のwiki にも手短にまとまっていた。ここ

1870年、市場分割協定をアヴァス通信社、ヴォルフ電報局と調印。世界を三分割する。(APは1893年にReuterと契約している) 1871年男爵の称号が与えられ、ロイター男爵となる。 1872年にガージャール朝のナーセロッディーン・シャーからポール・ジュリアス・ロイターに「ロイター利権(英語版)」(英: Reuter Concession)が供与された。ロイター利権とは、カスピ海からペルシア湾にいたる鉄道の敷設権である。この利権には、路面電車の設置、石炭・鉄・石油などの地下資源の採掘、銀行設立などあらゆる事項が盛り込まれた。これにはロシアが反対した上、イランの聖職者・知識人・商人も抵抗した。1885年にペルシア帝国銀行が設立され、4年後にガージャール朝は同行へ通貨発行権だけでなく地下資源の採掘/利用権まで付与した。

そうそう、これ重要。

このポール・ロイターが代表例だけどこの人はドイツのユダヤ人。で、当時も今もイギリス王室はドイツ系。1857年に、このドイツのユダヤ人は英国臣民となるが、1871年ビクトリア女王はこの人にドイツでの称号の使用を認める。Paul Reuter

On 17 March 1857, Reuter was naturalised as a British subject. On 7 September 1871, the Duke of Saxe-Coburg and Gotha granted him the noble title of Freiherr (Baron).[1] In November 1891, Queen Victoria granted him (and his subsequent male-line successors) the right to use that German title (listed as "Baron von Reuter") in Britain.[1][7]

ここで、英・アシュケナージユダヤがアジア利権において合体しているという話なわけですね。ドイツ系は今に至るまでイランを狙ってますが。だから、一般に言われている、ドイツ人がアングロを憎んでいる、という話をうのみにすると一面が見えなくなる。ヨーロッパの英独で見てると対立しているけど、アジア側ではユダヤ系を通じて合体している、といっていいと思う。日本に来た、ヤコブ・シフも、ドイツ系のユダヤ人。

並べてみると、イランと日本は同じ枠でハンドルされていたような気配がありますね。

 


 


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3 コメント

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『独系貴族ロイターのイラン占領とイランレジスタンス史』 (ローレライ)
2017-11-24 14:40:09
『イギリスの下請』で『独系貴族ロイターのイラン占領とイランレジスタンス史』とか『ロイター通信の黒歴史』は『情報メディアは帝国主義そのもの』である事の状況証拠となる。
ステルス帝国主義 (ブログ主)
2017-11-24 15:11:09
ローレライさん、
このへん重要ですよね、ほんと。

で、帝国主義とかいうけどそれはロシアやシナのそれとは異なるわけですよ、近代のは。レーニンあたりがよけいなことを言うからわからなくなる。

この帝国主義はステルスであり、その肝は情報メディア支配だ、ってことじゃないっすかね。
言い換えれば、近代帝国主義(≒the West主義)とは情報メディア支配のことである、ってところ。
それと英会話至上主義 (И.Симомура)
2017-11-24 21:47:11
昔マラヤ連邦という英語が日常語の後進国がありました。国民の多くが召使英語の達人の国だった。白人の客人に対する、優雅ながらも卑屈なその身のこなしも。母国語を外国語の下に措くことは、売国政策の基本だ。今日本もその政策の下にある。米国はベトナム戦争での敗北後、戦費の回収国として日本を召使国家とすることに本腰を入れ始めたのだ。作戦はこうだ。英語教員の採用基準を会話学校講師並みに引き下げー文部省は引き上げたと強弁したー、「発信できる英語能力」の教員を増やし、英語を大学での教授言語と位置づける、学生に提供する科目からは人文科学の教科を徐々に排除する、その上学生には、教科にかかわらず英語で授業を行う。母国語で教授し、母国語で理解する、これは最も経済的で有効な教育体制なのにだ。教員には一年前からカリキュラムには、まるで保険のセールスマンのように、達成目標を書かせ、達成できなければ、不利益を与える。こうして、1960年代の旧体制下で教育を受けた、教授陣を辱め、高給の彼らを早期退職に追い込む。これは日本に於ける「文化大革命」となるはずだ。日本人で、異人相手のにわか観光ガイドをする経験など、生まれてからこの方、いったい何十分あることだろう。その経験がどれほどの達成感をもたらしてくれるのだろう。関西弁ながら、キーツを吟じ、『痛ましい事件』の最終章に涙する人生の方が何層倍も充実してはいまいか。前川喜平氏は文部省の英雄だ。しかし上級職採用試験合格者たちは金の亡者だ。本省の審議官職を退職したのち、地方大学の学長、副学長、理事などに連続して天下りし、更におよそ八千万円もの退職金を稼ぐのだ。このルートはほぼ固定しており、よそ者の参入を決して許さない。その人事考課はなんと、在職中に、英会話授業をどのぐらい増やしたか、何人を早期退職させ、退職金を減額せしめたか、学問以外の行事に、本省関係者をどのぐらい招聘したかで決まるのだ。とにかく大学の教員には、学問を追及するだけの時間的ゆとりがない。このごろ思うのだ。忙しくさせておけば、国家転覆の思想を理論化するなど思いつけないと、審議官たちは考えているのではないか。搾取者は被搾取者に真実を悟らせてはならぬのだ。これこそ帝国主義の基本戦略だ。

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