遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

鄭義信監督『焼肉ドラゴン』

2018-07-10 23:00:32 | 映画を見てきた

『焼肉ドラゴン』予告編 6/22(金)全国公開

2018/7/6

・高度経済成長期の日本。焼肉屋を営む在日朝鮮人の一家が、集落ごと住むところを追われる話。

・井上真央がすごいという前評判は聞いていたけど、ほんとにすごい。超怒ってる。

・まっすぐ怒っているので、怒声なのに全然不快感がない。後半落ち着いちゃうのがさびしいくらい。

・ゲス役に徹してその怒りを受け切る大泉洋。

・俳優の魅力でごまかされそうになるけど、大泉さんの演じた「てっちゃん」が最低で、ずっと大好きな俳優と大嫌いなキャラの板ばさみに苦しむ。

・大泉洋とハンドンギュがただ返杯し合っているだけのコント。そんなに派手なことをやってるわけじゃないんだけど、役者同士の細かい駆け引きに笑う。

・後ろで見守る真木ようこも、素で笑いをこらえているように見える。

・「水曜どうでしょう」のどうでもいい掛け合いでなぜか爆笑してしまう感じを思い出す。

・それはともかく、大人たちが付いた離れたの茶番をやっているうちに、たった一人で差別の最前線に放り込まれた少年が不憫でならない。

・「辛かったら逃げていい」とはよく言われるけど、父親がはっきりその逃げ場を取り上げてしまっている。

・そりゃ家族だからって常に正しい選択ができるわけじゃないし、そもそも迫害された原因こそ問題なんだけど、もう少し何とかならなかったのか。

・特に三姉妹は末っ子に関心がなさすぎる。

・あまりに彼の扱いが軽すぎて、この家族を愛せなくなってしまう。

・それでも生活は続けなきゃいけないんだという理屈もわかるんだけど、それにしても。

・ギャグっぽく処理してたけど、婚約破棄もひどい。

・あんなことがあって、何食わぬ顔で常連になってるのもどうかしている。

・最後の別れのシーンも空々しく感じてしまう。

・父親役のキムサンホ、母親役のイジョンウンの存在感はすごいし、女たちの主張を男たちが完全に無視する描写のいたたまれなさもとても上手い。

・なので、心から見てよかったと思ってるんだけど、見終わった後はぐったりしてしまった。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ラベー・ドスキー監督『ラジ... | トップ | デヴィッド・リーチ監督『デ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画を見てきた」カテゴリの最新記事