森歩き 事務局日誌

森に山に、森林ボランティア活動に、面白い物があれば何でも見に行きます。

漱石とホームズのロンドン  多胡吉郎著

2016年09月06日 | 書籍紹介

漱石がまだ作家デビューする前にロンドンに2年ほど住んでいたのは知っていたけど 
そうかその時期のロンドンは 発表された探偵小説、シャーロック・ホームズにわきたっていたのね。
もちろん コナン・ドイルと夏目漱石が遭遇する訳もなく、ましてや文学者同士として語り合うこともなかった。ニアミスあったかなあ?
でも 漱石の書いた倫敦の話とロンドンの街並みを知り尽くして小説を書いたドイルの話が被って とても面白い。
作者はもし、、というように ホームズがワトソンと馬車を飛ばした街道を漱石も行き もしかしたらすれ違ったのかもしれないなどと書いたりしている。

ホームズも漱石もそこそこしか読んでないのだけど 当時のロンドンの様子を 2人の文章を対比しながら書いてある様子は妙にリアルで面白い。
はやりの自転車に乗ろうと何度も練習するが回りに迷惑ばかりかけてしまう東洋人(漱石っておちゃめ)と 颯爽と自転車に乗る婦人の出てくる探偵小説。
この時期 イギリスや日本は戦争に向かっていくのですが 積極的に戦争に協力するドイルと 日露同盟を苦々しく思う漱石と対照的。
作者は倫敦に住んで かつ当時の様子や地図を使って検証しながらの謎解きのような解説はとても面白い。

ホームズは バリツの達人ということなのだが バリツって 日本の柔道のことだったなんて。 ずっと なんだろうと思っていた。
で、なぜイギリスでは 柔道と言わずに バリツという名前で柔道が広まったかの訳も書かれていて面白かった。

にしても イギリスの人ってほんとホームズ好きよねえ。架空の住所であった住まいも 実際に住所を作ってしまうし、そこは
ホームズ博物館になって 今でもファンが世界中から訪れるそうです。 映画化も何度もされて いろんな役者がホームズをしている。
私はもちろん 一番新しい カンバーバッチが大好き!!  ロバート・ダウニーJr主演のも好き。 ワトソン君もかっこいい方がいいよねえ。

 いやはや 漱石きちんと読もうかな。 でもあの当て字 大変なのよねえ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿