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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

梅雨の晴れ間に妻女山展望台からの望遠カットと大パノラマ(妻女山里山通信)

2015-07-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 鹿島槍ヶ岳(南峰2889.1m、北峰2842m)は、後立山連峰の盟主とされる日本百名山の一つですが、妻女山展望台からもその特徴的な双耳峰の雄姿がよく見える名山です。今回は、アナログの200ミリの望遠レンズにテレコンバーターを付けたもので撮影してみました。デジタルだと800ミリ相当になります。妻女山からは40キロほどの距離がありますが、そこそこクリアーに撮れました。アナログレンズとデジカメ一眼の相性を考えれば、まあこんなものでしょう。雪崩か落石の跡でしょうか、凄いですね。
----鹿島槍ヶ岳ほどさまざまな名前が付けられていた山も珍しいかも知れません。江戸時代、加賀藩の奥山廻りの絵図には、富山県側の立山の真後ろに当る山で「後立山(ごりゅうさん)」と記入されています。同時代長野県側では「ケンノフガ岳」「ケンノフ岳」などと呼ばれていました。明治の初めには「隠里(かくねざと)岳」「乗鞍岳」「布引岳」などとされ、雪形から「しし岳」「鶴ヶ岳」さらに面白いのは双耳峰が高さを競っているように見えたのか「背比べ岳」とも呼ばれています。----(信濃毎日新聞社編集局編『北アルプス』より)

 鹿島槍ヶ岳の呼称は一説に、室町時代の大地震(享徳地震か明応地震)で大崩落がおこり、その怒りを静めるために常陸国一之宮の鹿島神宮の祭神、建御雷之男神(武甕槌大神・タケミカヅチノオオカミ)を祀ったことに由来するとされます。麓の大町市には、平家の落人伝説が残る鹿島という集落があり鹿島神社があります。その脇を流れる鹿島川の支流、大川沢の源流部(鹿島槍ヶ岳の北東の大きな谷)には、カクネ里(隠里)という地名がありますが、ここが本来は平家の落人の里、隠れ里だったのではないでしょうか。
 隠れ里とは、平家の落人伝説や古代の山岳信仰、桃源郷などの理想郷を表す言葉で、洪水の後にお椀や箸が流れてきて、その存在が初めて知れたとか、山中で迷って辿り着いたら手厚くもてなされたとかいう言い伝えがあります。また、カクネ里の雪渓は、日本で5番目の氷河ではないかと調査が始まっているそうです。
 建御雷之男神は、葦原中国平定の際、出雲側の健御名方神(タケミナカタノカミ)と力比べをして勝って、これを従わせたとされています(相撲のルーツとか)。健御名方神は諏訪大社の祭神です。

 茶臼山の尾根越しに見る虫倉山です。2014年(平成26年)11月22日(土)22時8分頃、日本の長野県北部、北安曇郡白馬村を震源として発生したマグニチュード6.7の神城断層地震で、山頂が4割ほど崩壊してしまいました。山頂直下からと、左下のさるすべりコースに大きな崩落の跡が見られます。そのためさるすべりコースは、立入禁止となっています。虫倉山登山道は不動滝コース、柏鉢城コース、小虫倉コースが登山可能です。岩井堂コースも、小虫倉と虫倉山の間が崩落のため通れません。詳しくは、長野市中条支所のページを御覧ください。

 茶臼山南峰の登山口がある信里小学校とJAの建物越しに見る白馬三山ですが、稜線部は雲の中でした。妻女山からは大雪渓は見えないので、大きな白い谷は杓子岳の谷です。しかし、今年の梅雨は変です。エルニーニョが発達しているせいでしょう。例年より半月以上早くオオムラサキが羽化。しかし、その後の羽化がありません。昆虫全般が少ないのです。千曲市による松枯れ病のネオニコ農毒の空中散布が原因かもしれません。今どきJAは、旗まで立てて盛んに除草剤の宣伝をしていますが、ネオニコチノイド系やグリホサート系の農薬は、金沢大学や群馬大学の研究者が言うように、農薬などというレベルではなく農毒です。使っていたら必ず健康被害が出ます。この夏は、梅雨が長引き、冷夏になるのでしょうか。野菜など物価がかなり高騰しそうです。
松枯れの原因は松くい虫じゃなかった。大気汚染で土壌が強酸性化したことによる
◉必見!新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間

 妻女山展望台から、東-北方面のパノラマです。一番左には蓮華岳、仁科三山、手前に茶臼山、中央に陣場平山、右奥へ戸隠連峰と高妻山。飯縄山から、一番右には三登山と木立に隠れて髻山。8枚の画像をフォトショップでつないでありますが、縮小する前の元画像は、2万ピクセル以上あります。

 同じく展望台から、さらに東方面のパノラマ。一番左に中野の高社山。手前に金井山。右へ辿って奇妙山。その右奥に根子岳と四阿山。さらに右へ、保基谷岳。一番右には、菅平の大松山が見えています。手前は、松代の城下町。

週末には、7月10日に発売となる『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林についての記事をアップする予定です。長野市や松本市の平安堂書店さんでお求め頂けます。東京は銀座の長野県のアンテナショップにも置かれます。いずれAmazonでも買えるようになります。

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