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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ネオニコの空中散布のない三峯山は花が咲き乱れ昆虫の天国(妻女山里山通信)

2015-07-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 三峯山は、1131.4mと低いのですがほぼ360度の大展望が魅力の山です。私の『信州の里山トレッキング 東北信編』でも紹介していますが、山頂の展望デッキから見る大パノラマは必見です。今回は、山登りというよりも、花と昆虫の撮影が目的だったので、千曲市側の大池からではなく、国道403号沿いの麻績村の聖湖から登りました。信州には、こんな風に車で来て手軽に登れる里山があちこちにあるのです。そんな山もたくさん本では紹介しています。一度手にとってご覧ください。もちろんお近くの図書館にリクエストでも構いません。

 聖湖から三峯山を見上げたところ。ここからでも標高差は150mぐらいしかありません。左はゲレンデ。ゲレンデの東の端を登っていくコースと、中央をつづら折れで登っていくコースがあります。中央にスカイライダー。これはちびっ子には最高のアトラクションです。乗れる日は麻績村に問い合わせを。その右の森の中を登っていくコースもあります。登りはここを使いました。対岸の博物館前に駐車場があります。

 山頂までは、落葉松や白樺の交じる森をつづら折れで登っていきます。時折、スカイラーダーが左手に見えます。子連れで来た時は、帰りにこれに乗ってもいいでしょう。約20~30分で山頂です。山頂からは、東に善光寺平、西には麻績村の向こうに京ヶ倉や北アルプスが。南には冠着山、大林山、蓼科山などが見えます。この日は雨の翌日で、遠くの山々は雲の中でしたが、善光寺平方面は、高社山の麓まではなんとか展望がききました。山頂にはツバメが飛び、キアゲハが舞い、草むらからは虫の音が。やはり農薬の空中散布がなければ、山はこんな風に賑やかなのです。
 写真の右手前は、五里ヶ峯から一重山まで続く五一山脈。その向こうには鏡台山から妻女山へ続く戸神山脈。中央に千曲川。下界は暑そうですが、山頂は爽やかな風が吹いて気持ち良い日でした。有名観光地もいいですが、ここは穴場ですよ。左の二つの小ピークは、三峯山の名前の由来になったあと二つの峰です。

 山頂付近には、オオバギボウシ(大葉擬宝珠)がたくさん咲いていました。花穂が大きいのでとても華やかです。若葉はウルイという山菜。右はオミナエシ(女郎花)。ここにはありませんでしたが、近くにはオトコエシ(男郎花)が咲くところもあります。

 トリアシショウマも比較的多い花です。中は総苞が粘るノアザミ(野薊)。この粘る総苞には、トラップにかかった小さな虫たちがあちこちに付いていました。食虫植物でもないのに、ノアザミにとって何か得することがあるのでしょうか。とても不思議です。秋に咲く、よく似ているノハラアザミは粘りません。マルバハギも残花が多かったのですが、まだまだ花期の真っ最中。これにもゼフィルスは集まります。

 とにかく驚いたのはキリギリスの数の多さ。そこらじゅうにいました。麓ではトノサマバッタも。山頂ではクマバチやシオヤアブも。中は、ヒヨドリバナ(鵯花)で吸蜜するベニシジミ。これもたくさんいました。右はクモガタヒョウモン。これも多かった。樹冠では、オオミドリシジミらしき姿も。これも天城山山系にはたくさんいたのですが、千曲市によるネオニコ散布以降全滅しました。

 ヤマハハコ(山母子)。信州の里山では普通に見られる野草です。中は、咲き始めたばかりのワレモコウ(吾亦紅・割木瓜)。これが咲き出すと、秋の気配を感じます。右はヤマウド(山独活)の実。

 鮮やかなシモツケソウ(下野草)。中はキキョウ(桔梗)。右はウツボグサ(靫草)。干した花穂は夏枯草(かごそう)という生薬。

 山頂からの聖湖。中央のテントは、スカイライダー乗り場。この日はお休みでした。ゲレンデで花や蝶を撮影しながら下りてきました。麻績村の博物館の庭にあるF-86ジェット戦闘機。向こうには戦艦陸奥の主砲やF-104Jジェット戦闘機も。D51蒸気機関車もあります。本館では善光寺街道麻績宿の展示も。なんだか昭和感が満載の博物館です。右奥には、廃墟となった元ホテル。湖畔には遊具のある公園もあり、ファミリー向け。レストランや土産物店もあります。長野市、千曲市、上田市からも比較的近く行きやすいのでお勧めです。国道403号を登って行けば湖畔に着きます。

 駐車場に戻りました。桟橋でへらぶな釣りをする人々。年配の人が多いのかなと思ったら、若者もけっこういました。ビーチパラソルといい、のんびりした空気がまた昭和感を感じさせます。ここに車を置いて、左の湖畔の遊歩道を歩いて登るのもお勧めです。猿ヶ馬場峠に駐車して、左に見える尾根を登っていくコースもあります。
 当たり前ですが、やはりネオニコ空中散布がなければ、里山は美しく虫たちで賑やかなのです。危険極まりないネオニコチノイド系農薬についての記事は、ブログのひとつ前と2つ前。3つ前の記事をご覧ください。

千曲市森の杏が最盛期、朝採り杏で焼酎漬。松枯れ病が深刻。ネオニコは農薬でなく農毒!(妻女山里山通信)
妻女山山系のゼフィルスが壊滅状態なのは千曲市による農薬の空中散布だと断言するKさん(妻女山里山通信)
松枯れ病の原因は、本当にマツノマダラカミキリのセンチュウだけなのか!?(妻女山里山通信)
松枯れの原因は松くい虫じゃなかった。大気汚染で土壌が強酸性化したことによる(妻女山里山通信)

◉必見!新農薬ネオニコチノイドが脅かすミツバチ・生態系・人間(要保存のPDFファイル)

天敵を利用して、マツノマダラカミキリを駆除しようという研究長野県の例野鳥利用した松くい虫被害の防除。ネオニコ農毒の空中散布だけは、絶対に止めさせなければならない。これはあなたの近くの里山でも行われているかもしれない。あなたが使っているかもしれない殺虫剤やペットのノミ取りにも使われている。決して無縁のものではない。チェックを!

林野庁の、森林の放射能汚染に関するレポート。これは読んでおいた方がいい。杉はセシウムを溜めやすい
 基本的に高汚染された森林の除染は不可能だと分かる。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。長野市や松本市の平安堂書店さんでお求め頂けます。東京は銀座の長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO しあわせ信州シェアスペース」にも置かれるそうです。最近は、首都圏から信州の里山に登りに来る人も多いですから。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。この夏は、信州の里山を歩いてみませんか。
 本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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