草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

憲法改正が実現しなかったのは「空気」に逆らえなかったからだ!

2017年05月07日 | 思想家

戦後の日本の言論界を支配していた「空気」が変わろうとしている。山本七平が『「空気」の研究』で書いているように、日本人にとっては「何かの最終決定者は『人ではなく空気』」なのである。戦後の日本の平和は、憲法9条のおかげではなかった。日米安保条約や自衛隊の抑止力が働いていたからであり、理想と現実は違っていた。しかし、多くの言論人は論理的な議論を拒否し、「空気」を読んで発言してきたのである▼「空気」には逆らえないからである。「平和憲法」という命題が絶対化され、それを批判することは許されない、不思議な言論空間ができあがったのである。それに水を差したのがネットである。物事は単純に割り切れないことを、様々な情報から日本国民は判断するようになった。善悪の二つに分けて、解釈することの愚かさに、ようやく気付いたのである▼それでもまだ「空気」を一掃するにはいたっていない。朝日やNHKなどが必死にこだわるのは、「平和憲法」を持ち出すのが楽であるからだ。思考停止状態であれば、自分自身が混乱しなくてもすむ。「空気」のせいにして責任を放棄するのである。日本人は「空気」を抜きに語ることは難しい。それは勢いともいうべきもので、孤立することを恐れて、誰もが本音を口にするのをためらうのである。ようやく「空気」が変わりつつあるのは歓迎したい。「世の中はそういうものじゃない」とのバランス感覚が大事なのだから。


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1 コメント

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日本人の道 (kawatera)
2017-05-13 10:34:06
>戦後の日本の言論界を支配していた「空気」が変わろうとしている。
>山本七平が『「空気」の研究』で書いているように、日本人にとっては「何かの最終決定者は『人ではなく空気』」なのである。

彼は、観察力の鋭い人でしたね。

>戦後の日本の平和は、憲法9条のおかげではなかった。
>日米安保条約や自衛隊の抑止力が働いていたからであり、理想と現実は違っていた。

理想の内容は、頭の中にある。現実の内容は、頭の外にある。両者は同じでないのが当然です。
強者の怒りは、抑止力になります。だから、日米安保条約や自衛隊の抑止力が働いた。

>しかし、多くの言論人は論理的な議論を拒否し、「空気」を読んで発言してきたのである▼「空気」には逆らえないからである。

無哲学・能天気の人々と付和雷同の言動は、表裏一体ですね。

>「平和憲法」という命題が絶対化され、それを批判することは許されない、不思議な言論空間ができあがったのである。

金科玉条と信じられた平和憲法は、我々の平和を守らない。
それは、横断歩道が歩行者の安全を護らないようなものである。わが身の安全は、相手次第で決まります。

>それに水を差したのがネットである。

ネットの投稿は、考える力をつけてくれますね。

>物事は単純に割り切れないことを、様々な情報から日本国民は判断するようになった。

お題目の暗唱では済まされませんね。暗記力の勉強だけでは、足りませんね。

>善悪の二つに分けて、解釈することの愚かさに、ようやく気付いたのである▼それでもまだ「空気」を一掃するにはいたっていない。

自己に哲学が無いのであるから、何よりも空気が大切でしょうね。一掃は難しいです。

>朝日やNHKなどが必死にこだわるのは、「平和憲法」を持ち出すのが楽であるからだ。
>思考停止状態であれば、自分自身が混乱しなくてもすむ。

無為無策。座して死を待つばかりですね。単純だ。迷いはない。

>「空気」のせいにして責任を放棄するのである。

この国がひっくり返った時にも、責任者は出なかった。誰がどう間違ったのかを言わない。今でもわからない。個人主義が無い。

>日本人は「空気」を抜きに語ることは難しい。

‘他人の振り見て、我が振り直せ’ と言われていますね。気分・雰囲気に酔って自主性は有りませんね。

>それは勢いともいうべきもので、孤立することを恐れて、誰もが本音を口にするのをためらうのである。

基準が無いのであるから、断言できない。自己判断ができないのであるから、孤立することは恐ろしい。

>ようやく「空気」が変わりつつあるのは歓迎したい。

どのように変わるのですかね。

>「世の中はそういうものじゃない」とのバランス感覚が大事なのだから。

‘どっちつかず’ ということですか。これからも優柔不断・意志薄弱で行くのですか。行方も知らぬ日本人の道かな。


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