ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『絶頂の一族』( 著者の紹介 )

2024-04-19 19:29:42 | 徒然の記

 松田賢弥 ( けんや ) 氏著『絶頂の一族』( 平成27年刊 講談社 ) を読みました。副題は「プリンス安倍晋三と六人のファミリー」です。

    第3次安倍内閣 : 2014年(平成26年)12月24日 - 2017(平成29年)11月1日

      第4次安倍内閣 : 2017年(平成29年)11月1日 - 2020年(令和2年)9月16日

      安倍元首相暗殺  2022年(令和4年)7月8日奈良市の大和西大寺駅北口

 ネットの情報で確認しますと、この本は安倍元首相が暗殺される7年前、第3次安倍内閣の時に書かれています。出版は安倍氏が東京五輪の開催を決め、伊勢志摩サミットを開催し、アベノミクスが第二段階に入り、「GDP600兆円」「1億総活躍社会」と前向きな政策を掲げていた年です。

 また同年は、オバマ大統領が現職の大統領として初めて広島を訪問し、ロシアのプーチン大統領とは北方領土問題で前向きな会談をしています。本書のタイトルに使われている「絶頂」と言う言葉は、安倍氏だけでなく、安倍氏の一族も指しているようです。

 本のカバーには安倍元首相を中心に5人の顔写真が並び、この人物たちが「6人のファミリー」です。参考までに、名前と相互の関係、肩書などを簡単に紹介します。

  1.  岸信介 ・・ 安倍晋三の祖父、安倍晋太郎の義父 安倍洋子の父

  2.  安倍洋子・・ 岸信介の長女 安倍晋三の母 安倍晋太郎の妻

  3.  安倍晋太郎・・元衆議院議員・安倍寛の長男 安倍洋子の夫 晋三の父

  4.  西村正雄 ・・安倍晋太郎の異母弟 日本鉱業銀行元頭取 みずほホールディングス元会長

  5.  安倍昭恵 ・・安倍晋三の妻 森永製菓元社長・松崎昭雄の長女

 図書館にこの本を予約して手に入れたのには、理由がありました。2年前の令和4年7月に安倍元首相が暗殺された以後、突如日本中を賑わせる話題になったのが、悪徳宗教法人「旧統一教会」でした。

 「岸信介、安倍晋太郎、晋三の三代にわたる闇、旧統一教会」

 センセーショナルな見出しで、テレビと新聞、ネットメディアがトップニュースで報じ、政界での「安部派叩き」と「安部派潰し」が始まりました。国難の世界情勢をそっちのけにし、現在は次の「安部派潰し」の「パーティー権問題」・「裏金問題」が世間を騒がせています。

 『絶頂の一族』のプロローグの見出しが「ゴッドマザー安倍洋子を軸にした三代」でしたので、三代という言葉にひかされ、旧統一教会に関する詳しい情報が得られるのかと期待しました。

 しかし著者の焦点は、安倍洋子氏が岸信介・安倍晋太郎・安倍晋三3氏の閨閥作りの中心人物だったという処にあり、旧統一教会は出てきませんでした。日本の独立を達成するため、「憲法改正」と「皇室護持」が不可欠と考える「ねこ庭」にとって、氏の著書は役に立ったのか、有意義だったのか自問自答しますと、

 「役に立ったような、有意義だったような・・・」という答えが出てきます。週刊誌のゴシップ記事をつなぎ合わせ本という印象でしたが、著者の「あとがき」を読んで納得しました。

 ・本書は安倍晋三が2003年に自民党幹事長に就任して以降、『週刊現代』に執筆した記事を一部ベースとしつつ、全面的に書き下ろした。

 国民が面白がって見たり読んだりしてくれれば会社が儲かるというのが、テレビ・新聞・雑誌各社の目的の一つですから、否定する気持はありません。以前は怒ったり攻撃したりで忙しかったのですが、今は「多忙な怒り」を卒業しました。日本より世界のマスコミがもっと大きく、もっと大胆な嘘を報道し、自国民ばかりか世界の人間を惑わせています。昔からそうだったのか、最近特に酷くなったのか、信用できる報道や情報が何処にあるのか分からなくなりました。

 息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に、著者の略歴を紹介しておくのも必要でないかと思えてきました。表紙の裏扉に書かれていますので、そのまま転記します。

 ・昭和29 ( 1954 ) 年岩手北上市生まれ

 ・業界紙記者を経てジャーナリストとなり、『週刊現代』『週刊文春』『文藝春秋』などを中心に執筆活動を行う

 ・故小渕首相秘書官のNTTどこも株疑惑をはじめ、政界について多くのスクープ記事を執筆

 ・小沢一郎について20年以上取材を続け、その後の「陸山会事件」追求の先鞭をつけた

 ・妻・和子から小沢一郎への「離縁状」をスクープしたことで、編集者が選ぶ第19回「雑誌ジャーナリズム大賞」を受賞

 ウィキペディアには、次のように書かれています。

 ・出版業界紙『新文化』記者を経てジャーナリストとなり、『週刊現代』を中心に執筆活動を行う

 ・政界について多くの記事を執筆しており、とりわけ小沢一郎について多く取り上げ、「小沢一郎の天敵」と評された

 ・平成25 ( 2013 ) 年、『小沢一郎 淋しき家族の肖像』で第12回新潮ドキュメント大賞を受賞

 ・令和3 ( 2021 ) 年10月8日、肺炎による急性心不全の為死去  享年67

 小沢一郎氏の天敵と評されているとは知りませんでしたが、テレビドラマに出てくる「トップ記事屋」みたいな記者だったのでしょうか。安倍氏には天敵でなかったらしく、激しい批判をしていません。その代わり誉めてもいませんので強いていうなら、「反安倍」でなく「非安倍」という立ち位置です。

 氏が亡くなっているとなりますと、この本は「氏の遺書」になります。「温故知新」の一冊に加え、学徒として「役に立った」「有意義な」部分を紹介することに決めました。興味のある方は、次回の「ねこ庭」へ足をお運びください。

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拉致問題・オットー・ワームビア事件 - 3

2024-04-13 07:08:35 | 徒然の記

  〈 オットー・ワームビア事件 〉

 北朝鮮問題の専門家と言われる磯崎教授の意見を、何度でも紹介したくなります。今回も、そうです。

 ・2018 (平成 30 ) 年の6月にシンガポールでの米朝首脳会談の前に、トランプ大統領は北朝鮮に拘束されていたアメリカ人を取り戻している訳ですね。

 この糞教授の愚かさを明らかにするには、2018年10月18日の 「GQ  JAPAN 」の記事を紹介するのが早道です。時間が逆戻りしますが、記事のタイトルは、「変わり果てた姿での帰国」です。    

  ・2017年6月13日、22歳の大学生オットー・ウォームビアを乗せた救命飛行機が、オハイオ州シンシナティの空港に着陸した。2015年末以来、じつに1年半ぶりの里帰りだ。

  ・両親のフレッドとシンディは、息子が昏睡状態にあると聞かされていた。けれどもアメリカの高度な医学と両親の愛情があれば、オットーはきっと元の元気な姿を取り戻してくれるに違いないと、そこに一縷の望みを抱いて父はタラップを上った。

  ・父・フレッドが耳にしたのは、人間とは思えない野獣のような咆哮だった。オットーの四肢は反射的に激しく痙攣するように動いていた。妹が悲鳴をあげてタラップを駆け下りる。フレッドは息子を抱きしめたが、オットーの目は見開かれたまま焦点が合わず、何を語りかけても反応がなかった。

  ・母シンディは衝撃を受けながらも覚悟を決め、夫とともに、病院に向かう救急車に同乗した。ここまで変わり果ててしまった、痛ましいわが子の姿を見ると、気絶してしまいそうだった。

  ・ウォームビア夫妻は何度もワシントンを訪れて陳情し、当時のオバマ政権も水面下での接触は試みていたのだが、実りのないままに時間ばかりが流れて行ったのだった。

 この記事を子を持つ親は平常心で読めませんが、私が紹介したいのは、オバマ氏から政権を引き継いだ当時のトランプ大統領の対応です。

  ・オットーが昏睡状態にあることが、大統領に知らされた。寝耳に水の知らせに驚いたトランプは、交渉担当者や医師を乗せた軍用機を、事前調整なしで北朝鮮に向かわせ、ぶっつけ本番の交渉で若者の身柄引き渡しを成立させた。

 「GQ  JAPAN 」の記事はここまでですが、別の情報が捕捉しています。

  ・北がオットーと面会をさせると言った時、アメリカは面会地に北の許可なしに、軍用機を強行着陸させた。

  ・面会時間が過ぎ、北が拉致したオットーを連れ出そうとした時、同席していた軍人が反対した。

  ・我々はオットーを連れて帰る。邪魔すれば戦争になる。

  ・軍人たちは担架に横たわったままのオットーを取り戻し、北は何も手出しができなかった。

 磯崎氏は、安倍元総理が拉致被害者を取り戻せなかったと、トランプ氏との比較で話していました。氏が語らなかった事実がこれですが、果たして安倍元総理に同じことが出来たのでしょうか。

 ・「日本国憲法」がある限り、安倍元総理は自衛隊機への発進命令ができない。

 ・国内では、親北の議員集団「日朝国交正常化促進議員連盟」という強力な反安倍勢力が抵抗している。

 事実を百も承知していながら、この糞教授は亡くなった安倍元総理を批判していました。一時が万事、戦後の反日学者たちは犯罪国家の説明を省略し、日本の譲歩だけを勧めます。

  ・2018 (平成 30 ) 年の6月にシンガポールでの米朝首脳会談の前に、トランプ大統領は北朝鮮に拘束されていたアメリカ人を取り戻している訳ですね。

 日本人のクズとしか言えない磯崎教授の、他人事みたいな説明の背後には、トランプ大統領とアメリカ政府関係者の並大抵でない苦労があったのです。これで分かったと思いますが、日本以上にアメリカの世論も北朝鮮を許していません。アメリカの合意なしの北朝鮮との交渉が困難である理由が、ここにあります。次の総理が誰になるとしても、日本が独自の交渉をする範囲は限られています。

 北朝鮮の専門家と言われるクズどもは、オットー・ウォームビア事件に誰も触れませんでした。自由民主党がしっかりしていないため、こういう学者と政治家がはびこり、国民の判断が歪められます。「拉致問題」解決のためには、「日本国憲法」、「トロイの木馬」、「日朝国交正常化促進議員連盟」だけでなく、アメリカがあるという事実を国民は知っておく必要があります。

 上品に説明しようと思っていましたが、自戒を忘れ汚い言葉使いをし、「ねこ庭」を訪問される方々に不快な思いをさせたのかもしれません。横田めぐみさんや有本恵子さんたちが、オットー・ウォームビアさんのような姿で帰国しないことを祈りつつ、今度こそ「拉致問題」のシリーズを終わらせて頂きます。

 長いおつき合いに、感謝いたします。

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拉致問題・オットー・ワームビア事件 - 2

2024-04-12 21:14:16 | 徒然の記

  〈 オットー・ワームビア事件 〉

 オットーさんを帰国させたあと、北朝鮮外務省報道官が次のように主張しました。

  ・米国内でワームビアが死亡したのが、労働教化中に拷問と殴打を受けたためという事実無根の噂が流れている。

  ・ワームビアの生命兆候が正常だったのに、米国に帰ってから1週間も経たないうちに急死したのは、我々にとっても謎。

  ・それほどに米国民の安寧に関心を持っているのなら、どうして米国政府はオバマ政権時代に、ワームビアの人道主義的釈放を一度も私たちに要請しなかったのか。その答えは米国が自らに求めるべきだ。

  ・ワームビアは、我々に対する極度の敵対感と抵抗感にとらわれ、対話を拒否してきたオバマの戦略的忍耐政策の犠牲者だ。

 オットーさんの両親の悲しみに一切考慮せず、自国の正当化をする意見には、盗人猛々しいという言葉がそのまま当てはまります。

  ・このような事実を全面的に歪曲し、故意に反共和国非難騒動を起こして、尊厳の高いわが国に対する報復と圧力を語ることこそが、我々に対する挑戦である。明確にしておくが、今回の事件による最大の被害者は我々だ。

  ・米国で行われている反共和国、非難合戦は、我々にとって、人道的、寛容性は禁物であり、法の刃をさらに鋭く研いでおかなければならないという決心を固めさせるものだ。

  ・米国は、自らの軽挙妄動がもたらす禍について熟慮すべきだ。

 驚きました。悪辣な言辞を弄するのは日本にだけかと思っていましたが、アメリカに対しても同じでした。だがアメリカは日本と違い、我慢をしない国ですから、北朝鮮に負けていません。時系列で、米国の対応を紹介します。

  ・2016 ( 平成28 ) 年1月、北朝鮮の「労働強化刑15年の判決」に対し、起訴理由の判決として重すぎると即座に非難

  ・ワームビアの死亡を受け、2017年7月21日にトランプ政権は米国民の北朝鮮への観光の禁止と、米国務省による渡航許可制を発表

  ・米国務省は北朝鮮への渡航を認可する条件に、遺言状の作成と葬儀の手配を挙げた

  ・同年10月24日、合衆国下院で「オットー・ワームビア法」を可決。その内容は、

    ⚫︎北朝鮮政府と取引する外国政府や北朝鮮労働者を雇用した外国企業に、定めた数量以上の石炭、鉱物、繊維、原油、石油製品の輸出入を行った場合、制裁を科す

    ⚫︎北朝鮮制裁の対象になった個人と取引する海外金融機関に対しては、米国内の資産を凍結し口座の開設を制限する

  ・同年11月20日、トランプ大統領は北朝鮮を9年ぶりに「テロ支援国家」に再指定することと追加制裁の意向を表明した。同時に大統領は次のように語った。

   「北朝鮮は世界を核で脅してるだけでなく、ワームビアの事件や金正男暗殺事件など、国際テロを支援している。」

   「テロ支援国家指定は、もっと何年も前に再指定されるべきだった。」

  ・ワームビア家は、大統領と政府に対し感謝を表明した

  ・2018 ( 平成30 ) 年1月トランプ大統領は、初の一般教書演説で合衆国議会にワームビアの両親と脱北者を招き、ワームビアの両親を最初に紹介した。

  ・彼はここで激しく北朝鮮を批判し、次のように述べた。

    「妥協してきた歴代政権の失敗は繰り返さず、最大限の圧力をかけ続ける」

  ・同年4月ワームビアの両親は、外国主権免責法に基づいて北朝鮮を提訴し、同年12月24日、ワシントン連邦地方裁判所は次の判決を下した。

    「拷問、人質、裁判なき超法規的な殺人、両親が負った被害について北朝鮮は責任を負う。」「5億100万ドル(約550億円)の支払いを命じる。」

 厚顔な犯罪国家北朝鮮が、今回岸田首相にこのような悪態をついてきた時、岸田氏はどう対応するのでしょうか。アメリカ議会と違って、日本には「日朝国交正常化促進議員連盟」に100人を超える売国議員がいます。トランプ氏のように、間髪を入れず首根っこを抑える政策が出せるのでしょうか。

 トランプ氏のアメリカと比較し、「ねこ庭」がもっと心配している事実がまだあります。これにつきましては、スペースの都合で次回に説明いたします。

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拉致問題・オットー・ワームビア事件

2024-04-12 15:38:04 | 徒然の記

 北朝鮮問題の専門家と言われる磯崎教授の意見を、何度でも紹介したくなります。

 ・2018年の6月にシンガポールでの米朝首脳会談の前に、トランプ大統領は北朝鮮に拘束されていたアメリカ人を取り戻している訳ですね。

 この時はスペースの都合で言及しませんでしたが、トランプ大統領が拉致米国人を取り戻したのは困難を極めた話です。事実を詳述すれば、安倍元総理が日本人拉致被害者を取り戻せなかった理由が、分かってしまいます。細部を省略し安倍元総理を批判している氏は、やはり反日「トロイの木馬 B 」の仲間です。

 先月3月20日の「ねこ庭」で紹介した「救う会」の資料には掲載されていませんでしたが、実は北朝鮮が拉致した米国人が3人いました。米国は次のように、彼らを2回に分けて北朝鮮から奪い返しました。

   1. 回目  2017 ( 平成29  ) 年6月13日

    ・米国人学生オットー・ワームビアさん(22)

   2. 回目 2018 ( 平成30  ) 年5月9日

    ・韓国系米国人キム・ハクソン氏、トニー・キム氏、キム・ドンチョル氏の3人

 磯崎教授が語っていたのは、2回目の韓国系米国人3人のことですが、彼らが戻される前にオットー・ワームビアさんの悲惨な事件がありました。彼の犠牲があったから、北朝鮮はトランプ大統領との首脳会談を前にして3人を戻しています。

 概略を言いますと、バージニア大学の学生だったオットーさんが、北朝鮮へのツアー参加中に拘束され、両親と米国政府の働きかけにより帰国することになったが、昏睡状態で戻りその後死亡したという事件です。経過を、ウィキペディアの解説から紹介します。

  〈 オットー・ワームビア事件 〉

  ・ワームビアは1994 ( 平成6 ) 年にオハイオ州に生まれ、ドイツ北西部からの移民系の父とユダヤ系の母、弟と妹の5人家族。

  ・バージニア大学で、商学と経済を学んでいた2016 ( 平成28 ) 年1月、彼は中国の観光会社主催のツアーで北朝鮮を観光旅行した。

  ・この時彼は、羊角島国際ホテルの「政治宣伝ポスター」を盗もうとした容疑で、北朝鮮当局に拘束された。

  ・北朝鮮側の言い分は、「オハイオ州ワイオミングにあるキリスト教の友情連合メソジスト教会の指示を受けて、1万ドルをもらって犯行をした。」というもの。

  ・彼は2月29日記者会見の場で、展示物を持ち帰ろうとしていたことを認めて涙ながらに謝罪した。

  ・3月16日、北朝鮮最高裁は国家転覆陰謀罪に当たるとして、労働教化刑15年を宣告した。ワームビア家はキリスト教徒ではなくユダヤ教徒であり、北朝鮮のでたらめな主張にもかかわらず、北朝鮮を刺激しないためにユダヤ教の信者という事実を公表しなかった。

  ・イスラエルのメディアによると、米国の交渉チームもワームビア家の選択に従い、北朝鮮との交渉でこの事実に言及しなかった。

  ・翌年の6月、アメリカ国務省の政府特別代表がニューヨークで北朝鮮の国連大使と接触し、ワームビアが昏睡状態であることを把握。

  ・同代表はトランプ大統領の指示を受け、6月12日に医療チームと共に訪朝して解放の交渉を行なった。ワームビアは昏睡状態で解放されるが、帰国後の6月19日に死亡した。

  ・昏睡状態になった理由は、労働教化中の拷問と殴打の可能性が高いとされ、米国の医師らにも確認されているが、北朝鮮側は拷問と殴打を否定し、2016年3月からボツリヌス症による昏睡状態となっていると主張した。

 ワームビアさんの治療を担当したシンシナティ大学病院の医師は、北の説明を否定し、次のように述べたとのことです。

 「彼は植物状態で目は開くが、言葉を発することができない。ボツリヌス菌の中毒症状は見られない、脳の大部分の細胞が損傷している。」

 「心拍停止によって脳に酸素が送られなかった時に生じる、典型的な症状である。」

  ・ワームビアの両親は、9月26日のFOXニュース情報番組『フォックス・アンド・フレンズ』に出演し次のように語った。

  〈 父 フレッド 〉

 「息子は体を動かし激しく痙攣していて、うなり声を上げ、人間でないような音を出していた。」

 「髪の毛は剃ってあり、目が見えず耳が聞こえない状態で、腕と脚は完全に変形しており、足には大きな傷があり、誰かがペンチを使って下の歯並びを変えたようだった。」

 「拷問され、金正恩とその組織に意図的に危害を加えられた。これは事故じゃない。」

  〈 母 シンディー 〉

 「北朝鮮が送還を許したのは、自分たちの国で死なせたくなかったからだ。」

 「米国人は北朝鮮に旅行しないでほしい。訪問すれば、政治的宣伝に使おうとする北朝鮮の思う壺だ」

  ・6月22日にワームビアの出身校であるワイオミング高等学校にて葬儀が営まれ、両親・教職員・元同級生・ユン大使など約2500名が参列した。

 ここで私は、蓮池教授の言葉を思い出しました。

 「北は帰国しても余計なことを言わないと思われる人間と、そうでない人間を分けた。」「日本に帰って、何も喋らない人間だけを帰した。」

 「北の思い通りにならない者は、死んだことにした。」

 北朝鮮にとってワームビアさんは、帰国すればなんでも話す人間だったため、「喋れない人間」にして帰国させたのではないでしょうか。彼が亡くなったあと、トランプ大統領がどのような対応をし、米朝関係がどうなったのか、次回もウィキペディアの解説を紹介します。

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拉致問題・新しい事実の発見

2024-04-11 17:20:16 | 徒然の記

 朝になり雨戸を開けるのは、私の役目です。庭に面した和室と居間のカーテンを広げ、閉め切っている雨戸を開けると、室内が一気に明るくなります。毎朝繰り返していることなのに、この瞬間いつも心が躍ります。

 「天気の悪い日は、雨戸を開けなくてもいいよ。」

 家内は言いますが、吹き荒れる台風でない限り、一階も二階も雨戸を全部開けます。部屋も生きて呼吸をしている気がするので、外気と陽の光を入れてやります。4、5日前から「ねこ庭」では、姫りんごと花ずおうの花が咲き、雨戸を開ける度に気持が華やぎます。

 「拉致問題」だけでなく、「憲法改正」「皇室護持」「トロイの木馬」など重い話ばかり書いているので、暗い日常生活を送っていると誤解されているのかもしれませんが、私は「ねこ庭」の花や木と共に暮らしを楽しんでいます。「狭いながらも楽しい我が家」と、昭和の初期にそんな歌がラジオから流れていましたが、そっくり今の気持です。

 金はなくても贅沢はしなくても、家内と2人で毎朝ラジを体操をし、喧嘩したり笑ったり、満足という名の船に乗っています。毎月年金を頂き、殺人も強盗もいない街で安心して暮らしていけるのは、なんといっても国のおかげです。もっと言えば、毎朝ちょっとだけ、申し訳程度に手を合わせているご先祖さまのお蔭でもあります。

 こんな素晴らしい日本国民の一人であると感謝しているから、私は拉致被害者の方たちの不幸が気になります。あるいは息子や孫たちの未来を想いますと、敗戦後の「日本国憲法」と「トロイの木馬 A 」「トロイの木馬 B 」のことを、どうしても考えてしまいます。

 息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々に、くれぐれもお伝えしたいのは、私は暗い日々の中でブログを綴っているのでないということです。自分が幸せでいる申し訳なさのため、先日まで下記の通りブログを書いてきました。

 「拉致問題の、基本からの見直し」 「拉致問題・著名人4氏の言葉」

 「拉致問題・ 蓮池准教授の意見」  「拉致問題・ 金総書記のシグナル」

 「拉致問題・ 専門家諸氏の意見」  「拉致問題・青山繁晴氏の意見」

 一区切りをつけ終わりにしますと言いましたが、今朝雨戸を開け、朝日を受けた姫りんごと花ずおうの美しさを目にした途端、一連の記事の紹介作業中に見つけた「オットー・ワームビアさん」の事件を思い出しました。

 同時に、TBS番組コメンテーターの堤伸輔氏の言葉が浮かびました。

  ・私の手で全員を取り戻すと安倍総理は言いましたけれども、その言葉は一歩も進まなかった。結局10年、ものごとが動かないまま進んできた訳ですが、

 「トロイの木馬 B」のマスコミは、こうして亡くなった後でも安倍氏を批判します。氏も木馬の仲間なので拉致被害者が取り戻せなかった責任が、安倍氏一人にあるような言い方をしていました。

 また礒崎敦仁教授も似たような意見で、暗に安倍氏を批判しました。

  ・2018年の6月にシンガポールでの米朝首脳会談の前に、トランプ大統領は北朝鮮に拘束されていたアメリカ人を取り戻している訳ですね。安倍総理はトランプ大統領を通じて、金正恩氏に日本側の懸念を伝えている訳だけれども、アメリカの大統領が日本人の拉致被害者たちを取り戻してくれる訳ではない。

 「トロイの木馬 B 」の中身は、反日左翼学者、反日左翼マスコミ、ジャパンハンドラーですから、「ねこ庭」の定義通りです。堤氏が反日左翼マスコミ、磯崎氏が反日左翼学者の仲間として、安倍元総理の否定をしています。なぜいつまでも執拗に氏の否定をするのかは、青山繁晴氏の意見が教えてくれます。

  ・僕が秋の総裁選に勝って、総理になったとして、仮に今のような状況だったとしたら・・・

    1.  先ず、帰せる人を帰すという北の要求を受け入れます。

    2. 直接関係ないと思われるかもしれませんが、次に衆議院を解散します。 

    3.  解散のテーマは、「9条の改正」です

  ・憲法はまず、9条から変えるべきです。なぜかと言うと、国家は国民を守るためにあるので、国民を守る手段がないという憲法を変えることから手をつけないと、何も始まらないのです。

 青山氏は、「拉致問題「を「憲法改正」と直接に関連づけて語った最初の政治家で、安倍元総理はタブーだった「憲法改正」を、公約として掲げた最初の政治家でした。つまり安倍氏を否定するということは、「憲法改正」反対への意思表示になります。

 これは、盛んにマスコミが騒ぎ続けている「裏金問題」で、一番叩かれているのが「安部派」だという事実と繋がっています。だから心配なのは、青山繁晴氏も暗殺されないだろうかということです。

 「国民のために死ぬ覚悟をしているのが、政治家なんです。」

 【僕らの国会】の動画で時々氏が自分で言っていますから、心配しなくていいのかもしれませんが、「憲法改正」という問題はこれほど厄介で、重いものだということです。

 回りくどい話になりましたが、今朝雨戸を開け、姫りんごと花ずおうの花に感動し、同時に堤氏と磯崎氏の顔が浮かんだため、予定を変更することにしました。

 「拉致問題」のシリーズを、まだ終わりにしてはいけない。

 ということで次回は、「オットー・ワームビア事件」について紹介いたします。

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