ねこ庭の独り言

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敗戦日本の内側 - 3 ( 政党人こそ、民主主義を守る騎士 )

2018-02-24 17:35:37 | 徒然の記

 示唆に富む氏の著作は、どの部分を取っても啓蒙してくれます。元勲西園寺公望公を語る近衛公の言葉を、氏が紹介しています。

 「西園寺公は、偉い人だった。」「終始一貫自由主義者であり、議会主義、政党主義で、徹しておられた。」「私が進めた大政翼賛会は、拙かった。やはり政党が良かった。」

 「しかし自分が、強く陸軍に対抗して、一国一党の独裁政党を作らせなかったことは、せめて誉めてもらっても良い、」

 公の言葉を聞いた氏は、陸軍のあの当時の勢力知り抜いていた身として、公の述懐に、共感しています。

 「それにつけても、政党人たるもの、自守自負しなければならぬ。」「顧みて現在の政党を見、政党人の行動を見せつけられる時、」「このままでは、昭和15年の新政治体制発足時のごとき、議会軽視、政治家不信の空気が、断じて起こり得ないとは、」「果たして言い切れるか、どうか。」

 氏が公を回想しつつ、昭和31年に語った言葉です。この時は自民党の衆議院議員でしたから、自戒を込めた叙述だったのでしょう。

 神武景気とも言われていた昭和31年出来事を、調べてみました。当時の世相と重ね、氏の言葉を読みますと、心に響きます。

  1月  鳩山首相「軍備をもたない現行憲法には反対」と答弁(2.2取り消し)       

        3月    羽田など4空港管制権、米側から日本へ
  4月    衆院本会議、新教育委員会法案をめぐり大混乱。議長職権の暁の国会
                ・    衆院本会議、小選挙区法案をめぐり大混乱、散会(審議未了・廃案)

  5月   科学技術庁発足
  7月    沖縄問題解決国民総決起大会、東京で開催。返還運動高まる。

                ・   経済自書発表「もはや戦後ではない」流行語に

   10月   砂川町第二次強制測量。警官隊と地元反対派学生など衝突。政府、測量中止を決定
                 ・炭労、波状スト(~12.8)  佐久間ダム完成
    ・日ソ国交回復共同宣言(12.12発効)
   11月 東海道本線全線電化。 
   12月 日本の国連加盟、総会で可決

    ・鳩山内閣総辞職  石橋湛山内閣成立

   鳩山首相が、「軍備をもたない現行憲法には反対」と答弁し、三日後に取り消していたと初めて知りました。病を押し日ソ国交回復を実現するなど、功績のある政治家ですが、戦前は「統帥権干犯」と政府攻撃をして軍部に歩調を合わせ、戦後は「軍備のない憲法には反対」と答弁をしたりと、不思議な政治家です。

 今のルーピー鳩山氏は、祖父の軽率さという悪いところだけを受け継いだのでしょうか。興味深い政治家の系譜です。

 民主主義は「衆愚政治」とも言われますが、民主主義と議会主義が人類の英知の産物と思えてなりません。運用を誤れば「衆愚政治」に堕しますが、賢明な国民が多数を占めれば立派な政治が出現します。

 富田氏の言葉が、読むたびに胸に響きします。

 「議会主義は、民主政治の真髄である。」「しからば、議会政治を実践する政党は、極めて重要なものである。」「政党人こそ、民主主義を守る、」「騎士でなければならぬ。」 

 自分のブログで野党議員はもちろんのこと、保守自民党の議員にも悪態をつきますが、「議会主義は、民主政治の真髄である。」と信じる人間の一人です。だからこそ、議員諸氏に訴えています

  「政党人こそ、民主主義を守る、騎士でなければならぬ。」 

 利口者には利口者の言い分があり、馬鹿には馬鹿なりの理屈があります。与党と野党のいずれが利口で、いずれが馬鹿か、私にそんな区分はありません。与野党共に、利口がいてバカがいます。「騎士でなければならぬ。」と、双方の議員諸氏へ語りかける理由がここにあります。

 そうすると、自ずから答えが導かれます。

   日本の歴史、伝統、そしてご先祖を忘れる政党は、「獅子身中の虫」であり、「駆除すべき害虫」という、答えです。そうであれば期待できるのは、保守自民党の議員諸氏という結論になります。

 いつもの提案を、自民党の議員諸氏にします。

  1.  議員の二重国籍禁止法を立案、可決し、実施すること。

    2. NHKに関する特別法を制定し、役員の二重国籍を禁止し、該当者には帰化を促し、帰化しない者は退職させる

  外国人に介入され、混乱している日本の政治に、敗戦後73年経った今、一つのケジメをつけるべき時でしょう。「差別」や「排他」などという感情論でなく、「国としてのケジメ」です。
 
 このくらいのことができないのなら、保守自民党肩書きを捨て、「獅子身中の虫」や「駆除すべき害虫」の党へ移るべきでありませんか。
 
 富田氏の著書が、以上のことを教えてくれました。
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