ひょうきちの疑問

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人間は期待より、不安が大きい

2017-06-10 17:13:01 | 理念

土曜日

人間は期待より、不安の方が大きい。
そしてそれが普通だ。
だから今まで生き延びてきた。
もし人間に不安を感じる能力がなかったら、人類はとっくの昔に滅んでいただろう。
言いたいのはそれだけだ。
以下はおまけ。


ところがこの人間の習性に真っ向から刃向かう文明があった。
それが近代ヨーロッパ文明である。
彼らはもともと不安に耐えきれなかった民族である。
ユダヤ民族はその不安のなかから選民思想なるものを生み出した。
自分たちだけが救われるという思想である。
それがキリスト教になると、「人類は救われている」という思想になった。
(キリストの死によって。キリストは人間の罪を一身に背負って死んだのだから、残った人間は救われる)

「本当にそうなんだろうか」と、キリスト教を知らない私などは思う。
そんなに人間を信じていいものなのだろうか。
人間にはいい人もいるけど、悪い人だっていっぱいいるではないか。
そんな人を信じていいものだろうか。
私は子供の頃から、悪いおじさんについて行ってはダメだよ、と母親から教えられて育った。
そして大人になってからも、「世の中にはいい人間もいるが悪い人間もいる」、というのはどうしようもない事実だと思う。
そんな人間のやることが全部正しいなんてありえない。

それでも人類はすべて救われているのだろうか。
人類がすべて救われていると思うのは、不安の裏返しだな。
逆に、不安が強ければ強いほど、人類は救われていると思いたいんだよ。

楽観主義の裏にはどうしようもない不安があるんだな。
人間は楽観主義でもなく悲観主義でもなく、普通にしておくことが一番いいんだ。
いい人はいい人で、悪い人は悪い人だ。それだけなんだな。

だから楽観主義に覆われた社会は、それだけ不安も増大していく。
日本には昔、末法思想という「世の中だんだん悪くなる」という思想がちゃんとあった。
それが今では「限りない未来を開く」という進歩の思想に取って代わられた。
こんな思想にかぶれたのは明治以降だな。

「盛者必滅」は世の習いである。
そういう不安があるから、人間は生き延びてこれたんだと思う。

だから、過度の期待に覆われた社会では、すぐにバブルが起こる。
しかしそのバブルの裏には不安が潜んでいるから、一度バブルがはじけると、そのバブルの谷は予想以上に深く大きくなる。

この習性を知ってる輩が、何度も何度もバブルを起こしてきたんだな。
そしてもともと人間は期待よりも不安が大きい動物だから、バブルはその上昇よりも、はじけた後の深い谷の方が何倍も大きくなる。

でもバブルは裏を返せば人間の不安の産物にすぎないのだから、実体経済はちゃんと元に戻るんだ。
少なくともここ200年はそのことを繰り返してきた。
だからバブルを起こした者たちは、そこで買いを入れるんだな。
そして値上がりするのを待つんだ。
つまり高値で売って、安値で買い戻す。
これだけでどれだけの富が動いたかしれない。

投資は長期に限る。
しかし人間は不安に弱い生き物である。
それを利用してバブルを仕掛け、一儲けも二儲けもするのが、金融取引というものだ。


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