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「ひかりを聴け」オーケストラコンサート 5/17

2018-05-19 | ライブ
「ひかりを聴け」オーケストラコンサート ~コトダマの音楽会~partⅡ
5/17(木)18:30 Bunkamuraオーチャードホール 3階1列センター


【原作】直木賞・本屋大賞受賞 恩田陸「蜜蜂と遠雷」
【音楽監督】千住 明

【出演】 中川晃教 / 三浦大知 / 木村優一 / 藤澤ノリマサ(5/17のみ)
指揮:千住 明
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

(初演は朗読を交えたコンサートだったんだよね…原作本も読んでないから役名もわからないし…今回も同じ感じだと眠くなるかも…)
と鬱々とした気持ちを抱えながら、渋谷のスクランブル交差点の雑踏をかき分けて歩く。

しかし予想は全く当たらなかった。
今回のpartⅡは朗読ではなく、「美声として定評のあるアーティストによる歌を中心とした、よりエンターテインメント色の強いガラコンサート(パンフレットより)」になりました。
分野の違う4名が集結…というより、「俺の歌を聴けぇー!」とバチバチ火花を飛ばす対バンガチンコの異種格闘技選手権。

冒頭にオケのみで演奏された「ひかりを聴け」に続き、指揮者の千住明さんによる出演者紹介。
「自己紹介代わりに1曲ずつ歌っていただきます」ということで、あっきーはマイケル・ジャクソン「Earth song」から。

この曲は去年の紀尾井ホールSymphonic Night with Love でもオケをバックに歌われていますが、そのとき以上のインパクトでした。
どこからか聞こえる鳥の鳴き声からはじまって、徐々に熱を帯びていく。
(よく聴くとこの曲って主題のメロディは単調だし後半の叫ぶようなフレーズの繰り返しに全てを注ぎ込む難曲だよね…)
あっきーは原作本「蜜蜂と遠雷」を読んでから、この曲を選曲したそうです。
このライブの「挨拶代わり」として選曲したのがスゴイ。

そのあとは、舞台に椅子を並べてトークのコーナーがありました。
どちらかというと緊張気味な他の出演者さんに対し、あっきーさんは終始リラックスしてお茶目に振舞っておられました。
そこではこんなやり取りが。

藤澤さん「よく藤原ノリマサって間違えられます」
あっきー「あ、それ僕が楽屋で間違えました」
大知くん「(あっきーから)ダイダイって呼ばれたんですけど、誰を呼んでいるか分からず3秒ぐらい固まりました」
この「ダイダイ」という呼び方が思いのほか大知くんファンの方々に受け入れられて安堵しておりますです…
(でもFoldar時代から考えると大知くんのほうが先輩だよね?)

また、1月のpartⅠのときに生まれた歌もここで紹介されました。
ドビュッシー作曲「月の光」とエリック・サティ作曲の「Je te veux~あなたが欲しい」の2曲は、ピアニストの川田さんが一部演奏してくれました。
今回は「あなたがほしい」を藤澤ノリマサさんが、「月の光」をあっきーが歌っていましたが、
両曲とも私自身思い入れの強いピアノ曲だったので、もう大感激でした。

川田健太郎さんのピアノソロ、プロコフィエフ「悪魔的暗示」を挟んだあと、後半はそれぞれのソロ曲を中心に。
あっきーは次の3曲。
・月の光
・Can't Take My Eyes Off You
・止まらない一秒

前述「月の光」は、原作者恩田陸さんが日本語詞を付けたもの。
曲の雰囲気に沿うイマジネーションに満ちた言葉をメロディに乗せて、幻想的な照明もそれはそれは綺麗だったなぁ。
あっきーの語尾の明瞭さや言葉のフレーズ感の良さが本当に素晴らしくて、歌詞が全部聞き取れたのが何よりも良かったです。

そうそう、この日のオケはとにかく大人数大音量大迫力でした。
恐らくですが、あっきーが背負ったオケとしては最大人数なのではないでしょうか。
「Can't Take My Eyes Off You」のヴォーカルはややフォーマルな印象でしたが、ビミョーに溜めて歌う歌い方にも慣れてきた。
「止まらない一秒」もこのところの強力プッシュが功を成して、オリンピック関連のイベントで使われるといいなぁ。
そういえば、あっきーのみ有線マイクでした。こういう拘りも大切にしてほしいです。

他のアーティストの方のことも。
ソプラニスタ木村優一さんは初めて拝見しましたが、最初の「オン・ブラ・マイ・フ(ラルゴ)」で予想の2オクターブ上ぐらいの声が出ててビックリ。
神々しい歌声でした。よくわからないけれどカウンターテナーとソプラニスタは違うんですね。

藤澤ノリマサさん。すごい声量!
「Je te veux~あなたが欲しい」がとっても素敵でした。あとこの日の衣装も素敵!

そして三浦大知くん。初めてナマで見た。
セトリに「EXCITE」と書いてあるのを見たときは「?!」となりましたが、
大知くんも「無理言ってアレンジしてもらってすみません」と千住さんに謝っておりました(千住さんは最大限のテクを使ったとか)。
この日は通常オケピットのエリアもステージにしていて、舞台前方のスペースがやけに広かったのですが、大知くんが動くためのスペースだったのね。
どんなに動いてもターンをしても、全くブレない歌声。ホンマモンだった…
なのに終始腰が低く温かい雰囲気の語り口で、これは惚れるよね。
歌バージョンの「ひかりを聴け」では、あっきーと声を重ねるところもあって耳福。

これまでにゲスト出演のコンサートは何度も見てきましたが、「予想と違って」というバイアスが多少かかっているのを差し引いても、とても聴きごたえがあるコンサートになりました。
CSテレ朝チャンネル1で8月に放送があるとか。楽しみです。

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