脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

かくしゃくヒント27-「ボケ予防に俳句を始めたよ」

2014年10月21日 | かくしゃくヒント

  

東京で、私の出身校戸畑高校の関東地区同窓会があったので参加してきました。
小学校の同級生(ちなみに中学・高校ともに同じ学校!)が幹事長の大役を受けた5年くらい前に、基調講演をしたことがあります。

うれしいことに、講演内容を覚えていてくださっている方が多く、今回も、先輩の方が何人か挨拶に来てくださいました。
「ボケ予防の話おもしろかったよ」
「三頭立ての馬車だよね」
「左と右と運動の脳・・・」私が慌てて「一番大切なのは前頭葉です!」
こんなやり取りを何度か繰り返しました。

会は後輩のシンガーソングライター冨永祐輔さんのライブから始まりました。
講演は日本体調改善運動普及協会会長のコンディショニングトレナー有吉与志恵さんの高齢期の方々にも興味湧くお話でした。

戸畑の夏祭りは戸畑祇園大山笠(ちょうちん山笠)と言って、国指定重要無形民族文化財なのです、とちょっと誇らしくなるのをお許しください。
当然毎年そのお囃子が演奏されます。同期生も登場です。

 幹事長や司会者は法被姿

大道芸も披露されました(50歳から挑戦を始め2年目とか)

 宴もたけなわになったころ、K嵜先輩が席を尋ねてくださいました。
「あの講演の後、ボケ予防に俳句を始めたよ」
「俳句をやってみて、左脳も右脳も使うことがよく分かったなあ。切り取るシーンは絵みたいだし」
「俳句を作った後に、英文俳句にするんだけどね」

まったく存じ上げない先輩ですから、あわてて質問。
「お仕事はどういうことをなさったのですか?」もう退職なさっているという想定は大外れ。
「いや、まだ現役。自営業だよ」
「最新作でも傑作でも構いませんから、ご披露ください」

      五月晴れ 英国に似た 雲二つ
            it's nice day
                                  like England
                                  two clouds

少し後にもう一句メモをして持ってきてくださいました。   
      春さかり 瀬戸の夕凪  赤い海
                in the midle of spring
                  in evening calm of Seto
                           a red sea

ネットでちょっと調べてみました。英文俳句の作り方
私にも、この感動は波及してきましたよ。人を動かすことって、実は脳機能から言えば大きな働きをなしたことになりますね!

私がこの「かくしゃくヒント」のカテゴリーでお話ししている方たちは、よくお話を聞いたり様子を見せていただいている方たちばかりですが、今回の先輩のことはほとんど何もわかりません。

でも。

1.「認知症は予防できる。そのためには前頭葉と右脳がカギ」という後輩の話をそのままに聞き入れることができる柔軟性。前提として理解力(笑)

2.納得できたら、即実行に移す意欲。

3.そのことを講師に伝えに来てくださる社交性。

4.追加の作品も持ってきてくださる積極性。俳句を創作される喜びや充実感がよく伝わってきました。

そのどの段階でも、前頭葉がいきいきと先輩らしさを発揮されています!
そうなのです。
このような生き方こそが、認知症予防にとっては必要条件といえるのですが、なかなかこの前頭葉の働きに言及されていることがありません。

俳句がいいとか、料理がいいとか。音楽、ゲーム、体操、スポーツ、旅行、創作活動などなど。
もちろん趣味は認知症予防に有効なのですが、どのような気持ちで取り組んでいるかということにも目を向けていただきたいと思います。

料理に関したブログを。付録です。
認知症予防に料理が有効、でも前頭葉機能も考慮して
認知症の初期に料理の味付けが変になりますか
今日もコロッケ、明日もコロッケ


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