日馬富士が引退表明をした。
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事件が発覚した時に、これで引退をする事は免れないだろうと思っていた。だから発表があった時意外な感情はなかったのだが、世間と言うよりマスコミの動揺は酷いようだった。
相撲の世界は政治の世界と一緒で、日本で屈指の情実で動く社会だ。今回の件もより相撲協会に近い評論家などは情実の決断をしてほしいと願っていたのだろう。
ところが元貴乃花がそれを粉砕しようとした。
情実で動く社会とは、文字通り感情を優先するやり方だが、これには条件がいる。
1つ目は日本的な文化のコードに合致していると言うことだ。
2つ目は皆が納得するような決定であるということだ。
特に子供が絡んでいる場合、情実の決断が下されやすいようである。
大岡越前の子争いである。
簡単に書くと、2人の母親が子どもを取り合っていた。大岡越前は母親に両の手を引っ張りあうように命じる。結果、途中で手を離した母親が勝ちとなる。子どもが痛いと叫び、1人の母親はそれが可哀想で手を離したからだ。
この場合、子どものためを思った決断をくだしたことになる。子どもは絶対的な弱者であり、子どものためを思うことは自然なことだ。もちろんその感情につけ込む連中もいる。
さて、今回の暴行事件で言えば、無礼をたしなめた貴ノ岩をたしなめた日馬富士の行動は、日本的な情緒と合致する。
では皆が納得するかといえば、それは微妙だ。それはたしなめただけならいいが暴力を振るってしまったからだ。
無礼を働いた貴ノ岩は子どものような絶対的な弱者でもない。
1と2を満たさないので情実の決断は出来ないのである。
あまり追い討ちはしたくないが、今回は反射的に殴ったのであろう。反射的に手が出るやつは、今回に限らず手が出ている可能性が高い。案外、後輩は辞めてくれて安心してるかもね。