今回の「食養生」は、芋は芋でも、
胃腸を活性化して滋養強壮効果のある「やまいも」についてです。
ひとくちに山芋といっても種類はさまざまで、山野に自生するものをやまのいも、または「自然薯(じねんじょ)」といい、人工的に栽培された「長芋」、「大和芋」、「つくね芋」などがあります。
なかでも「自然薯」は薬効が高く、干したものは「山薬(さんやく)」という滋養強壮の漢方薬にもなっています。
現代医学的には、
ムコ多糖類や体内で若返りホルモンDHEAに変わるジオスゲニンという成分などによる老化防止作用
ムチンなどの成分による血糖値の降下作用
サポニンによる強壮作用
コリンによる動脈硬化予防作用
などがあります。
東洋医学的には、
肺の機能を高め、生殖機能を保つ。(補肺固腎)
肌を潤す。(潤肌)
胃腸の調子を整え、吸収力を高める。(健脾益気)
体の衰弱による微熱を取り除く。(清虚熱)
淡い味で利尿作用があり、体内の余分な水を尿によって排出する。(淡利湿)
虚弱な体質を補い、精神を安定させる。(鎮心安神)
属性は「甘味」で「平性」(または「温性」)です。
それゆえ、脾・胃を補うと同時に相尅にあたる腎機能を強化して、生命力を高める働きがあることがわかります。
『和歌食物本草』に「薯蕷(やまのいも) 甘く温なり 又は平 腎を補い 気力益すなり」
とある通りです。
「潤性」の食材ですので食欲のない時や胃弱な体質を改善する手助けとなり、「気血両虚」、「陰虚」の方には適しています。
反対に「食積痰湿」で胃腸の弱い方は、余分な水分が体内に溜まりやすく、またお腹も張りやすくなりますから控えめにして下さい。
いくら食べやすく身体にいいからといっても食べすぎには注意して下さい。
やまいもといえば「とろろ」ですね。
これには麦飯がつきものです。
米、麦、粟、黍、豆の中でも「五穀の長」といわれるほど薬効の高い大麦。
「麦とろ」もいいですが、ついつい噛まずに飲み込んでしまうので我が家では、7分搗きの米に2割ほどの麦を混ぜて食べることが多いです。
山芋に含まれるアスターゼやアミラーゼなどのデンプンの消化酵素は加熱により働きが失われてしまうので、とろろのだし汁の温度は40~50℃にするのがよいでしょう。
……またまた本文とはまったく関係のない余談です。
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