今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

当分PEN-Fなのだの巻

2018年07月04日 20時36分01秒 | ブログ

中古カメラ屋さんからのご依頼で、大量のPEN-Fをオーバーホールすることになりました。まずは1台目。

 

すでに作業を終えて前板と合体します。

 

 

次は2台目という感じで続けて同じ作業の繰り返しのためUPをしても意味がありませんので、しばらくの間、別ネタを挟む時以外は更新を省略しますのでよろしくお願いいたしますね。

 

これは次の個体。みなさんからご依頼のカメラは、基本的に現役作動していたカメラが中心なわけですが、中古屋カメラ店さんの買取機は長期間放置されていたために不具合となっている個体が多いのです。PEN-Fの場合はブレーキです。ブレーキはゴムのOリングですが、すでに耐用年数は過ぎているわけです。それでも、使い続けている個体は「ブレーキの利きが甘い」状態でも使用に問題は起きませんが、放置された個体は「ブレーキの固着」という状態になります。正常であればシャッターを切った時はピンセット先のブレーキリングはの位置まで移動していなければなりません。この距離がブレーキが利いている区間です。

この時、裏側からシャッター幕を見ると、完全に戻っていませんね。PEN-Fオーナーの方はご自分の愛機を確認してくださいね。この状態ですと、シャッター作動のサイクルが完結していないため、次の巻上げが出来ない等、色々な問題が起きて来ます。

これが正常な位置。完全な改善にはOリングの交換が必要です。PEN-Fでは使用過程でブレーキの不具合が発生したためにPEN--FTでは、ゴムのOリングではなく、金属リングによるメカニカルブレーキとなったのでしょう。FTではブレーキの不具合は皆無ですからね。

これは次の個体。オーバーホールが早いって? 急がないと終わらないほど台数があるのよ。で、この個体は#2953XXという後期型のシャッターユニット。真鍮製のベベルギヤが一対奢られています。これは素晴らしく巻き上げの感触が良いです。

これが殆どの製造で使われたギヤです。しかし、何故かFTではこちらの仕様に戻っています。あ~、米谷さんにお尋ねしておけば良かった。コストの問題が、はたまた、別の問題が発生したのか・・

 

PEN-Fに戻るよ。これは#2699XXと後期の個体でコンディションは悪くはないのですが不動と裏蓋に凹みがあるんですね。他の個体と交換しようかと思いましたが、部品取り機はないので結局すべての部品を使いきらなければならないことから修正をすることにします。

 

プレスで修正をしますが、勿論このままでは塗装を痛めてしまいますよ。また、裏蓋は、2枚の鋼板の張り合わせなので、ちょうど面一までプレスしてもバネ効果で戻ってしまうのです。自動車のえくぼ凹みでしたらデントという修理法がありますが、カメラではそうは行きません。

 

まぁ、こんなものでしょう。過ぎたるは何とかです。

 

 

スローガバナーの歯車が腐食しています。低速不調となるので、丁寧に錆落としをしておきます。

 

PEN-Fは8台目を作業中ですが、さすがに古いモルトの除去作業にも飽きて来ましたね。先ほど作業中に「グラグラ」っと揺れが来ました。関東地方だけ大きな地震が起きていない空白地帯なので心配をしていましたが、震源地は千葉だそうで、西日本を中心とした記録的な豪雨とともに、日本は災害の国だなと改めて感じましたね。豪雨で被災された方にはお見舞い申し上げます。

昨日はオウム真理教の教祖、麻原彰晃ら7人の死刑が執行されたと臨時ニュースが流れました。麻原らが国会議員の選挙に立候補した時、新橋の駅前で信者が麻原の人形を被って踊っているのを見た時は何か胡散臭いものを感じましたね。上九一色村から護送される車列を中央高速の陸橋の上から見ていました。ちらっと紫色の衣が見えた気がしました。あれから20年以上経っているんですね。で、接眼枠の破損している個体も2台あるんですね。

この個体はシャッターが完全に固着をしてテンション軸も全く動きません。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。