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日本の奇祭47「阿波おどり・角館のお祭り」

2015年05月25日 | 日本の奇祭

一年を通して日本全国の各市町村で何らかのお祭りが必ずあります。

故郷を思うとき、まず思い出されるのが祭りではないでしょうか?

 

ただ世の中には、地元の人には普通で真剣なんだけれど、

外部の人から見ると摩訶不思議な世界に見えてしまう祭りがあります。

これを世の人は「奇祭」と呼びます。

 

奇祭とは、独特の習俗を持った、風変わりな祭りのことと解説されています。

 

これを、人によっては「とんまつり(トンマな祭)」

「トンデモ祭」とも呼んでいるようで、

奇祭に関する関連書物も数多く出版されています。

よく取り上げられるのは、視覚的にインパクトがある祭り

(性器をかたどった神輿を担ぐ祭りなど)がよく話題になりますが、

ほかにも火を使った祭りや裸祭り、地元の人でさえ起源を知らない祭りや、

開催日が不明な祭りなど、謎に包まれた祭りはたくさんあるようです。

 

これから数回に渡って奇祭を特集していきます。

その多彩さに驚くとともに、祭りは日本人の心と言われるゆえんが、

祭りの中に詰まっていることが理解できるでしょう。

 

特に言う必要はないと思いますが、

以下にふざけて見えようと馬鹿にしているように見えようと、

れっきとした郷土芸能であり、

日本の無形民俗文化財だということは間違いありません。

 

今回は、徳島県の阿波おどりと秋田県の角館のお祭りです。

 

 

阿波おどり(徳島県徳島市)

 

阿波おどりが、盛んに踊られるようになったのは、

蜂須賀家政が1586年徳島県入りをし、

藍、塩などで富を蓄積した頃からだといわれています。

 

小江戸と呼ばれた徳島で藍商人が大活躍し、阿波おどりを豪華にしていきました。

藍商人が衰退した後も、市民社会に定着し、自由な民衆娯楽として花開きます。

特に戦後の阿波おどりの復興ぶりは目覚ましく、

今では日本を代表する民族舞踊の地位を確保しました。

 

 

徳島県内の阿波おどりは、毎年8月9日に開催される

「鳴門市選抜阿波おどり大会」を始まりに、県内各地で開催されますが、

最も賑わいを見せるのが

8月12日から15日の4日間に開催される徳島市の阿波おどりです。

四国三大祭り、日本三大盆踊りの一つに数えられています。

三味線、太鼓、鉦、横笛などの2拍子の伴奏にのって

踊り手の集団が踊り歩きます。

女性は優雅に、男性は腰を落として豪快に踊ります。

 

 

阿波おどりの起源についていくつかご紹介しましょう。

築城起源説は、1587年に蜂須賀家政によって徳島城が落成した際、

その祝賀行事として城下の人々が踊ったのが阿波おどりの始まりとする説です。

 

風流おどり起源説は、阿波おどりの特色である組おどりが、

能楽の源流をなすといわれる「風流」の影響を強く浮けているといわれ、

1663年の「三好記」の中には、

1578年に十河保存が勝端城で風流おどりを開催したという記録に基づいて、

これが阿波おどりの原型とする説です。

 

盆踊り起源説は、阿波おどりが旧暦の7月に行われた盆踊りであるというもので、

「俄」「組おどり」といった特殊なものが派生してきたとはいえ、

その元は盆踊りであるとする説です。

 

 

「偉い奴ちゃ、偉い奴ちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、

踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らな損々・・・」と唄われる

正調「お囃子よしこの」で知られています。

しかし、お囃子よしこのは大手の有名連以外はあまり使われず、

主に「ヤットサーヤットサー」という掛け声のほうが多用されています。

 

【交通アクセス】

電車:JR徳島駅下車、徒歩10分圏内。

 

 

角館のお祭り(神明社・成就院薬師堂:秋田県仙北市角館町)

 

角館のお祭りは、

秋田県仙北市の角館地域の鎮守である神明社と成就院薬師堂の祭りで、

毎年9月7日~9日の行われます。

約350年ほどの歴史を持ち、地域の繁栄や商売繁昌、

家族の無病息災などを祈願するもので、

神明社(9月7、8日)と

成就院薬師堂(9月8、9日)の祭りが一緒になったものです。

 

 

この祭りには、各町内から武者人形や歌舞伎人形を乗せた

18台の曳山が曳き回されます。

7日には曳山が神明社へ参拝に向かい、

8日には武家屋敷を通り抜けて佐竹北家当主への上覧に向かいます。

8日と9日には薬師堂に上がります。

 

18台の曳山には、笛、大太鼓、小太鼓、鼓、摺り鉦、

三味線などにより「お山囃子」を奏する人たちが乗り終始囃し、

秋田おばこたちが艶やかに手踊りを披露します。

若者たちは、神明社・薬師堂への参拝、

佐竹北家への上覧などを目的としながら山車を曳き回します。

 

 

参拝や上覧に向かうのが上り山、

参拝後に曳き回されるものが下り山とされています。

曳山の運行には厳格な決まりがあり、参拝を終えた曳山「下り山」は

参拝に向かう曳山「上り山」に道を譲らなければなりません。

この相手の曳山と話し合うことを「交渉」といいますが、

参拝が済んだ曳山同士がはち合うと

優先権がなくなるので交渉しても決裂してしまいます。

 

 

9日夜半を過ぎると18基の曳山は横町十字路、

立町十字路を中心に町中の至る所に散らばり、

通行権をめぐって交渉する曳山が増え、

決裂すると力と力のぶつかり合い、

「本番」と呼ばれるやまぶっつけが始まります。

各曳山の動きを読みながら作戦を練り、宿敵の曳山を有利な位置で捉え、

交渉、駆け引きを経て激しいやまぶっつけの本番が始まります。

兄弟曳山同士で挟み撃ちにしたり、2基の曳山がぶつかったり、

人手を貸すこともあります。

相手の曳山の上に乗っかって押したほうを勝ちとし、

その勝敗は翌年まで尾を引くほど、

その町内意識・対抗意識は半端ではありません。

 

 

また、各町内の囃子方が奏でるテンポの良い飾山ばやしと、

秋田おばこによる優雅な手踊りも見どころの一つです。

 

【交通アクセス】

電車:JR秋田新幹線・田沢湖線もしくは秋田内陸縦貫鉄道「角館」駅からすぐ。

車 :秋田道「大曲IC」から国道105号線経由で30㎞、40分。

 

いかがでしたか。

祭りには底知れない魅力と気分を高揚させる何かがあります。

長年にわたって受け継がれてきた祭りには、

理屈では割り切れない人々の思いが詰まっているように思います。

たかが祭り、されど祭りといったところでしょうか?



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