骨密度が改善したよ!! | 進撃の理学療法士

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陳旧性の胸椎の圧迫骨折があり、退院後にからだはうすに通われている方から嬉しいご報告がありました。

 

この方は骨密度が同年代と比較して以前は71%だったのですが、それが今回76%に改善したそうです。もちろん投薬治療をしており、その効果であると思います。

しかし、骨粗鬆症によって骨密度が低下した方が投薬治療を開始して改善した例はあまり経験がありません。おそらく維持するのも難しいことの方が多いのではないでしょうか?

 

様々な考え方がありますが、骨密度の改善という点においては、私は重力刺激が重要になると考えています。

つまり、投薬治療だけでは難しいといくことです。しかしこれは、投薬治療の効果が無いという意味ではありません。投薬治療は骨密度が改善しやすい土壌を作るものであって、直接骨密度を改善させるものではないということです。以下は引用です。後で要約するので飛ばしても構いません。

 

骨粗しょう症の治療薬
骨を形成するにはカルシウムが重要となる。また前述の通り、骨粗しょう症では骨を形成する速さ(骨形成の速さ)よりも骨が溶ける速さ(骨吸収の速さ)の方が上回っている。

 

そこで、骨粗しょう症の治療薬としては「腸管からのカルシウム吸収量を増やす薬」、「骨形成を助ける薬」、「骨吸収を遅らせる薬」の三つが主に使用される。

 

①腸管からのカルシウム吸収量を増やす薬
・カルシウム製剤
骨を作るためにはカルシウムが必要であるが、このカルシウム自体を補給する薬である。このような医薬品としてL‐アスパラギン酸カルシウム(商品名:アスパラCA)がある。

 

・活性型ビタミンD3製剤
カルシウムを摂取したとしても、腸管から吸収されなければ意味がない。そこで、腸管からのカルシウム吸収を促す薬が骨粗しょう症治療薬として使用される。

 

カルシウム吸収にはビタミンDが関わっており、日光に当たることでビタミンDが合成される。このビタミンDは肝臓や腎臓で活性型ビタミンD3となり、小腸のビタミンD受容体に働くことでカルシウム吸収が促される。

 

つまり、ビタミンD受容体を刺激することができれば、カルシウム吸収を促進することができる。このような作用をする医薬品としてはアルファカルシドール(商品名:アルファロール、ワンアルファ)、カルシトリオール(商品名:ロカルトロール)などがある。

 

②骨形成を助ける薬(骨形成促進薬)
・ビタミンK2製剤
血液凝固に重要な役割を行うビタミンKであるが、生理的に重要なビタミンKはビタミンK1とビタミンK2に分けられる。このうち、ビタミンK2が骨代謝に関わっており、ビタミンK2製剤が骨粗しょう症治療薬として使用される。

 

ビタミンK2は骨芽細胞に作用することで骨形成を促進する。同時に骨吸収を抑制することで、骨代謝のバランスを整える。このような作用をする医薬品としてメナテトレノン(商品名:グラケー)がある。

 

・副甲状腺ホルモン(PTH)
そもそも副甲状腺ホルモンは骨吸収を促進する役割がある。血中のカルシウム濃度を上昇させるために、副甲状腺ホルモンが重要となるのである。

 

副甲状腺ホルモンによる骨吸収促進は「持続的に副甲状腺ホルモンが分泌されている状態」で起こる。つまり、常に副甲状腺ホルモンの濃度が高いときに骨吸収が促進される。

 

ところが、断続的に途切れ途切れで副甲状腺ホルモンを投与し、一時的にのみ副甲状腺ホルモンの濃度を高めると、その逆に骨形成が促進される。副甲状腺ホルモンには「前駆細胞からの骨芽細胞への分化促進」と「骨芽細胞のアポトーシス抑制」の作用もあり、この骨形成促進作用のみが引き出されたと考えられる。

 

このような、副甲状腺ホルモン製剤による骨粗しょう症治療薬としてテリパラチド(商品名:フォルテオ)がある。

 

参考までに、テリパラチドは一日一回投与で半減期は約42分である。なお、テリパラチドを持続的に投与すると骨吸収が上回ってしまい、骨量は減少してしまう。

 

③骨吸収を遅らせる薬(骨吸収抑制薬)
・カルシトニン製剤
カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモンであり、破骨細胞に作用することで骨が溶けだすのを抑える。

 

ただし、カルシトニン製剤としての効能・効果は骨粗しょう症の治療ではなく、骨粗しょう症によって起こる疼痛(腰や背中の痛み)の緩和となっている。このような医薬品としてエルカトニン(商品名:エルシトニン)などがある。

 

・イプリフラボン
イプリフラボンは植物性ビタミン様物質であり、合成によって作られたフラボノイドである。骨吸収を抑制する作用をもつ。

 

このような医薬品としてイプリフラボン(商品名:オステン)がある。

 

・ビスホスホネート製剤
ビスホスホネート製剤は破骨細胞の働きを強力に抑えることで骨吸収を防ぎ、骨量を増やすことができる。

 

中~重度の骨粗しょう症に使用されるが、ビスホスホネート製剤は腸管からの薬物吸収が悪い。そのため、「起床後すぐに服用し、その後30分は水以外を飲んだり食べたりしてはいけない」などの制限がつく。

 

ビスホスホネート製剤による骨粗しょう症治療薬としてエチドロン酸(商品名:ダイドロネル)、アレンドロン酸(商品名: フォサマック、ボナロン)、リセドロン酸(商品名: アクトネル、ベネット)、ミノドロン酸(商品名:ボノテオ、リカルボン)などがある。

 

・エストロゲン製剤
エストロゲンは女性ホルモンの一つであるが、エストロゲンは骨吸収を抑制する作用がある。閉経後の女性は急激に骨量が減少するが、この主な原因としてエストロゲンの欠乏がある。

 

そのため、閉経後の骨量減少に対してエストロゲン製剤を投与すると骨量の減少を抑え、結果として骨量増加に繋がる。このような骨粗しょう症治療薬としてエストラジオール(商品名:ジュリナ)などがある。

 

ただし、エストロゲンには乳がんなどの発がん性がある。

 

・選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
前述の通り、エストロゲンは骨吸収抑制作用を示すが、それと同時に発がん性も示す。

 

そのため、子宮や乳房のエストロゲン受容体には作用せず、骨のエストロゲン受容体にのみ作用することができれば、エストロゲンによる発がん性を気にすることなく服用することができる。

 

このような骨のエストロゲン受容体に対して選択的に作用する医薬品に選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)がある。選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)としては、ラロキシフェン(商品名:エビスタ)、バゼドキシフェン(商品名:ビビアント)などが使用される。

 

ビスホスホネート製剤のような服用時間や食事の制限はない。主に女性の閉経後に起こる骨粗しょう症治療に使用される。

http://kusuri-jouhou.com/pharmacology/bone.html

より引用

 

要約すると「カルシウム吸収量を増やす」、「骨形成を助ける」、「骨吸収を遅らせる」の3つの作用を薬によって高めるわけです。

骨というのは骨芽細胞と破骨細胞が相互に働き、常に新陳代謝がなされています。このバランスが崩れると問題が起きるわけです。また同様にカルシウムは神経や筋肉にとっても非常に重要な物質であり、栄養素としてのカルシウムが不足すると当然貯蔵庫である骨から補われます。

 

さらに、最も重要なのが『骨梁』です。

骨梁というのは骨の中の丈夫な場所です。橋の構造などをイメージしてもらうと良いと思います。

同じ材料で橋を作るとして、その構造よって耐えられる重さが異なる訳です。

人の身体の骨にも同じような理屈があり、この骨梁は重力刺激によって適した構造に作りかえられます。

つまり、せっかく薬によって骨量が増えやすい状態になっても、適した構造にならなければ丈夫にならないというわけです。

 

これに対して適切な加重練習や必要な角度での重力刺激を加えることが大切なんじゃないかと思うわけです。

たとえば上肢。上肢に適切な加重刺激を加えているか?これが乏しいと転倒時などに手首などを骨折してしまうリスクが増えるわけです。

 

筋力が低下すれば骨に加わる加重も低下します。この加重に対する身体の反応を考慮せずに投薬治療を行うだけでは、仮に骨密度が改善したとしても効果が少なくなる可能性があります。

 

利用者さんが少しでも快適な生活を送ることが出来るように、私は学び続けます!!