抗癌剤によって脱毛し、最後の治療から1年数ヶ月。
病気が解ったときから早々に、ネットでウィッグを探していました。
そう。
入院の荷物を準備する前から。
それだけ、脱毛に対して恐怖感と嫌悪感がありました。
でも、1度ハゲてしまえば慣れてしまい、それなりに楽しめましたけど。
最後の治療から約6ヶ月目。
襟足ともみあげの毛が、クルクルボーボー伸びてウィッグから「チラ見え」どころか「はみ毛」になり始めたので、初めて美容院へ行きました。
(ウィッグが、地毛よりも茶髪だったから気になったのです)
「えーーー!私、もったいなくて切れなーい」と言う治療仲間が大半。
私のように躊躇無く(どちらかといえばノリノリ)切りに行きたいと思うのは珍しいのでしょうか。
なんとか形を整えてもらい、超ベリーショートの出来上がり。
ベリーショートというとオシャレ風で聞こえはいいですが、実際はこんな。ザ・こけし。
参考:http://www.sendaikiji-c.com/kokeshi.html
もとはこんな。
参考:http://www.hustlehustle.com/free/fighters/?id=1090919070
まだ寒い時期だったので、外出時はウィッグと帽子でお出かけしていました。
そこから2ヶ月経ち、再び美容院へ。
そしてこの後、素頭で外出するようになりました。
この頃の私
参考:https://www.pinterest.com/pin/111604896988723385/
解りやすいウソついてごめんなさい。こちらジーン・セバーグさんです。
でも髪型「だけ」はこんなんでした。
実際はこっちか。おでこの毛流れそっくり。
参考:http://atmatome.jp/u/rameka/47qfny2/
発毛スピードは、部分的に差がありました。
前髪と頭頂部は「ほんとに伸びてんのか?」という、のろまでやる気のない、省エネエリア。
他は「この間切ったばかりでしょーが!」と、思わず言ってしまいそうなハイスピードエリア。
同じ人間の頭なのに、エリア毎の栄養バランスが悪すぎるのでしょうかね。(女性ホルモンが途絶えた影響かな)
それから、1ヶ月毎にハイスピードエリアの毛をメインに整えてもらっていましたが、ある日、美容師さんから「伸ばす予定なら、ぐっとガマンして(美容院に来る)期間を空けた方がいいと思いますよー」と言われました。
確かにその通り!もっと早く気付けよ自分!
癖毛の為、伸びてくるともっさりするので、気になって気になって仕方なくて。
しかし、それ以降はだいたい2ヶ月おきに美容院へ行っています。もっさりもガマン。
先月、また美容院へ行きました。
我ながらけっこう伸びました。
椅子に座ると雑誌を数冊渡されました。
その中には、ヘアカタログが!しかも女性用!
ああ…
ついにカタログを参考にオーダーできる立場になりました…。
感動。
思い返せば、前回までは美容師さんに「伸ばす前提で」のみ伝え、おまかせしておりました。
ヘアカタログすら必要としていなかった。
いや、メンズヘアカタログは見せられたんだった。
ツルピカ全盛期には、本屋でヘアカタログの表紙を何となく眺めていると
「必要ないよね?」
と、背後から夫の笑いを堪えた声が…。
その代わり、医療用ウィッグのメーカーや、おしゃれウィッグのサイトにはずいぶん詳しくなりました。
そんな私も、今は上から目線でカタログ見ちゃう女になりました。
(少々老眼の始まりでカタログを遠目に見てるだけ)
美容師さんと一緒にしみじみ。
「やっとここまできたって感じですねぇ…」って。
こんな小さな出来事でさえも、嬉しくて感慨深い。
それに、あまり傷めつけていないので髪質は良く、ツヤがあります。
今やトップの毛もかなり伸びてきて、韓流アイドル(男)みたいなくらいになりました。
私の中で韓流アイドルの髪型って、だいたいみんな、トップから前髪が厚くて斜めに流れているマッシュなイメージなんですけど。誰が誰やら区別つかない。(偏ったイメージ)ダレコレ。
参考:http://matome.naver.jp/odai/2135194742674776601
参考:http://matome.naver.jp/odai/2135194741974775901
でも、ウィッグを早々にはずして過ごしていた頃の写真を見返すと「何故こんな頭で堂々としていたのか…」と思います。
(新宿2丁目に憧れる田舎者みたいなナリをして、満面の笑みで写っている自分が切ない)
もっと、ギリギリまでウィッグを楽しんでも良かったかも…と少々後悔。(確か5~6個買ってしまった…)
それに、ちまちまカットしたりせず、じーっとガマンして伸ばしていたら、病気仲間のようにセミロングに近いくらい長くなり、風に髪をなびかせて歩いていたかもしれません。
でも私ならきっと、かまやつ風になるかなー(昭和臭が漂う)。
ショートの方がまめなメンテナンスが必要だから、早く伸びてしまえば楽なのに。
などと思いつつ
たまに、お風呂で前髪を上げて鏡をふと見て一瞬ビビる。
生え際の産毛。
そのあたりの地肌のスケ感が、ツルピカ時代の自分を容易に想像させ、当時を思い出させるのです。
産毛のように生え始めてからは、毎日毎日、毛穴が見えるほど鏡に近づき、頭皮や毛を観察していました。凝視。
愛しさと切なさと心強さと。
ほんと、こんな感情でした。毛に対する想いは小室ファミリー。
抗癌剤で、これでもかと痛めつけられたのに、頑張って生えてくるんだもの。胸きゅんですよ。
まだまだ記憶に新しいということですね。
伸びかけってうっとおしい。
( ̄ー ̄)
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今日もだらだらくだらなくてごめんなさい。