本日はご来店いただきましてありがとうございます。 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

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 フリーランスの編集者兼ライターです。
 主として日本語関係のことを書いています。

ゲンナリ【「いただき」乱用について

https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12299480010.html

 

【ゲンナリの第2弾】【失礼な敬語の例文 ?

https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12300472193.html

 

 そしてゲンナリの極めつき。コメント数が40なんてときはだいたい病気の人がかかわっている不毛なやり取りと考えていい。

https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9330561.html

 

 質問の内容。

 

===========引用開始

 

これを間違いだとするサイトが結構あるようですが、その理由を見ると、明らかな勘違いがあるようです。
たとえば、ある質問で紹介されている以下2つのサイト。
≪最近多い誤用敬語≫http://keigo.livedoor.biz/archives/292251.html
【「いただく」は自分の行為に対して使う謙譲語なので、本来は相手の行為には使いません。】だそうですが、そもそも「ご来店いただく」は相手の行為ではない、ということを理解していません。
「来店」は相手の行為ですが、その「来店」という相手の行為を「いただく」のは自分の行為であり、謙譲語を使うのが当然なんですけどね。敬語に対する理解不足なのでしょう。
≪言ってはいけない日本語≫https://books.google.co.jp/books?id=q05RlG5NHjsC …
【「いただく」も「くださる」も相手の行為に対する尊敬語だと勘違いしている人が多い】と書かれていますが、勘違いしているのは、むしろ著者のほうでしょう。理由は1と同じですので繰り返しませんが。

ただ、これら2つのサイトは、「本日はご来店いただきましてありがとうございます」に関して、「あきらかな間違いではありません」「あきらかな間違いではない」と明言しています。
ところが、これらのサイトを参考にしつつも、「間違いだ」と主張する方も中にはおられるようです。
「好ましくない」と言いたいなら、個人的趣味の問題として理解できますが、「間違い」かどうか、という問題とは分けて考える必要があるんですけどね。
それはさておきますが、間違いだ、あるいは好ましくないとする理由として、「相手が来店したという行為ではなく相手が来店した事実に対して礼を言っているから」と述べる方もあるようです。
たしかに、「相手が来店した という事実」を「わたしがいただいたこと(そうした状況になっていること)」に対して「ありがとうございます」とお礼を言っているわけで、こうした構図は一応理解しておられるようです。
しかし、この構図が間違いだ(好ましくない)とするなら、次の例文についてはどう解釈なさっているんですかね。
前置きが長くなり恐縮ですが、質問は次のとおりです。

【質問】
『こんなにたくさんお菓子をいただきましてありがとうございます。』

これは、「相手がくれた」という行為ではなく、「相手がくれたもの」に対してお礼を言っている構図ですが、これは間違った、あるいは好ましくない表現なのでしょうか。
『こんなにたくさんお菓子をくださいましてありがとうございます。』
『こんなにたくさんお菓子をくださりありがとうございます。』
のように言い換えるのが正しい、あるいは好ましいのでしょうか。
自分がもらったたくさんの「お菓子そのもの」に対して感謝したければ、「いただきまして(いただき)ありがとうございます」と言えば良いし、「お菓子をくれたという相手の行為」に感謝したければ、「くださいまして(くださり)ありがとうございます」と言えば良い。
どちらが正しいとか間違っている(好ましいとか好ましくない)とかいう問題ではない。
このように思うのですが、みなさんのご見解をお聞かせください。

 

===========引用終了

 

No.3

  • 回答者: 1311tobi
  •  
  • 回答日時:2016/07/03 12:45

まず、「これら2つのサイト」ですかね。


 当方には、同じものとしか思えません。どちらかがパクっているので、実質上は1つでしょう。まぁ、この手のヨタサイトがいくつ同様の主張をしていても関係ないでしょうが。
 詳しくは下記をご参照ください。
【ネットにあふれるデタラメ記事(敬語関連) 事例13 間違い以前の問題】
http://ameblo.jp/kuroracco/entry-12176607172.html

 で、本題です。
『こんなにたくさんお菓子をいただきましてありがとうございます。』
 これも前回書いたのとほぼ同様(重言?)だと思います。
「もらいまして」にはしにくい(この場合はXではないでしょう。理由は後述)。
 ニ格(カラ格のほうが自然に感じる場合もあります)とガ格が明言されていないからOKなのでは。この場合、ニ格もガ格もない方がずっと自然に感じます。

こんなにたくさんお菓子を伊達様ガ{ください/Xいただき}ましてありがとうございます。
こんなにたくさんお菓子を子供たちガ{Xください/いただき}ましてありがとうございます。
こんなにたくさんお菓子を伊達様{ニ/カラ}{Xください/いただき}ましてありがとうございます。
こんなにたくさんお菓子を子供たちニ{ください/△いただき}ましてありがとうございます。
※この場合、なぜ「いただき」が△なのかは不明。
こんなにたくさんお菓子を伊達様ガ子供たちニ{ください/Xいただき}ましてありがとうございます。
こんなにたくさんお菓子を伊達様{ニ/カラ}子供たちガ{Xください/いただき}ましてありがとうございます。


「ご来店いただく」が「ご来店もらう」にはできないのは、「縮約形」(菊地氏の用語)だからでしょう。
 正確には「ご来店になっていただく」なんだとか。
 後半部だけ敬語を外すと「ご来店してもらう」。これは非常に多い誤用の例らしく、「して」を外さなくてはなりません。このままでは外しようがなく、「来店してもらう」にするしかないでしょう。
「お菓子をいただく」は「(お)菓子をもらう」にできます。あくまでも「文法的にはできる」という話で、実際には相当不自然でしょう。

 

 

No.9

  • 回答者: 1311tobi
  •  
  • 回答日時:2016/07/05 22:18

No.3でコメントした者です。



 質問の意図をハッキリさせるために、回答者が質問するのはアリですよね。
 回答者が先行コメントにコメントするのもアリでしょう。
 ただ、同じ人が一方だけはダメとかゴネるのは、単なるわがままなのでは……。
 ただでさえ反応する気になれないようなホニャララなコメントなのに、書いた人がそういう態度なら、スルーするのも自由ですよね。

 この場をお借りしてまず、No.4の方のコメントの前半に関して。
 話し手が直接伊達(直人)様と話しているのなら、基本的に(伊達様ガ)も(伊達様ニ)も不要でしょうね。さらには(子供たちニ)(子供たちガ)もないほうが自然でしょう。この「お菓子」の例文は、とくに不要な気がします。

 で、本題なんですが。
 これに関しては、当方は理屈で考えるのを放棄しているところがあります。
 すでにリンクを張ったNHKのサイトがわかりやすいと思います。

【「教えてくださり」? 「教えていただき」?】 
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/ … 
================引用開始
  「教えてくださりありがとうございます。」⇒○「教えてくれてありがとう。」
一方「いただく」に対応する「もらう」では、同じように言いかえることはできません。
  「教えていただきありがとうございます。」⇒×「教えてもらってありがとう。」
このように、もともと「教えてもらって~」とはふつうは言わないのだから「教えていただき~」も変なのだ、というのがその根拠になっています。
================引用終了

 そう書きながら結論は下記です。そりゃそうでしょうね。
================引用開始
現状としては、どちらかといえば「教えていただき~」のほうがよく使われており、「教えてくださり~」という言い方は自分ではしないという意見が、やや多くなっています。ですが、両方とも正しい言い方です。 
================引用終了

 これに比べると「敬語の指針」の書き方はちょっとわかりにくくて……。
 ただ論理展開は同じでしょう。

 こんな大御所的なサイトが論理的な説明を放棄しているのに、当方に説明できるとは思えません。
 理由はハッキリしないので、どういうときに適・不適が分かれるのか、閑雅て見ました。
 当方が書いた「前提」と2つの「条件」は、見たことのない書き方です。大御所を差し置いて、自信満々に断言したら、単なる●●です。当然断定しない書き方になります。自分でも疑心暗鬼でしたが、徐々に確信が強まってきています。

 ほかの信頼できるサイトも軒並みOKなのに、それでもXだと言われてもねぇ。そりゃよっぽど画期的で論理的な反証があれば別ですが。主観以外に根拠としてあげているのは、著者名もない雑学本と、それをパクッたとしか思えないデタラメサイトでは、どう言えばいいのか……。

 

 

 

No.14

  • 回答者: 1311tobi
  •  
  • 回答日時:2016/07/06 13:04

No.9でコメントした者です。



>『こんなにたくさんお菓子をくださいましてありがとうございます。』
>『こんなにたくさんお菓子をいただきましてありがとうございます。』
>どちらも可能、ということで良いのですよね。

 申し訳ない。「確認」の意図がわかりません。
 当方はそんなわかりづらい書き方をしているつもりはありません。一貫して「どちらも可能」と書いているはずです。誤解されるような書き方をしていたら、お詫び申し上げます。

 結論がハッキリしていることでグチャグチャ考えるのは、もうやめようと思ったのですが……。
 理論的な説明をするためのヒントになる気がして……。
 おそらく、問題は2つあります。
1)「来店してもらう」がXなのだから「来店していただく」もXなのでは
2)「いただ」と「ありがとう」の接続が気になる人には気になる


●「ありがとう」か「すみません」か
 No.7の鉄やかんさんのコメントに意表をつかれました。

>「いただきまして」と来たら、「すみません」と続くのが、私の感覚です。
 そういう感じ方もあるんですね。この例文の場合は、そのほうがよい気もします。
 これも例文しだいでしょうね。

席を譲っていただいて{ありがとうございます/すみません}。
 ↑なら、「ありがとうございます」ではないでしょうか。
 何かをしてもらったら(いただいたら)、「すいません」ではなく「ありがとう」と言うべき、というのは世間の風潮の気もします。

席を譲ってくださってありがとうございます。
 も当然おかしくありませんが、個人的には使わない気がします。このあたりの使い分けに関しては、専門家の見解も紹介しました。当方はあの解説ではピンと来ません。


●いっそ2文にしてしまえ
 新しい年度の挨拶文と考えてください。
1)昨年もたくさんのお客さまガご来店くださいました。まことにありがとうございます。
2)昨年もたくさんのお客さまニご来店いただきました。まことにありがとうございます。
 このように2文にしてあれば、1)2)ともに自然でしょう。気になる人は人は気になるのでしょうか。
 1文に戻します。
1)-2昨年もたくさんのお客さまガご来店くださり(まして)、まことにありがとうございます。
2)-2昨年もたくさんのお客さまニご来店いただき(まして)、まことにありがとうございます。
 個人的には何も問題を感じませんが、気になる人は人は気になるのでしょうか。

 

 

No.18

  • 回答者: 1311tobi
  •  
  • 回答日時:2016/07/08 10:36

No.14でコメントした者です。



>失礼しました。
>ガ格二格の明記・不明記が、関係してくるわけではありませんよね?
>という意味での確認でした。

 申し訳ない。
 これも「確認」の意図が不明です。
 当方は一貫して「ガ格二格が明記されていない場合に限り」両方の言い方ができる、と書いているつもりです。
 それが両方の言い方ができる「条件」と考えています。そんなにわかりづらいのでしょうか。
 条件はほかにもあるのかもしれませんが、そういうアプローチをしている文献が見当たらないで、詳しいことはわかりません。「たった2つしかないのか」とか筋違いのホニャララをつけられても答えようがありません。

 元の質問をしていたエイケスさんの論調がNo.12で大きく変わった気がします。しかし「私の説明が足りずに私の考えが伝わらなかったことが原因であるのに、失礼な態度をとり申し訳ございません」が何を指しているのか、当方にはサッパリわかりません。
 どなたかおわかりの方はいませんか。

 元の質問やこの質問で取り上げられているサイトが、書籍のパクリとしか思えないことに関しても、意見のあるかたはいませんかね。

#日本語 #敬語 #誤用 #慣用句 #言葉 #問題 #間違い #二重敬語

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