2016年02月21日
『ソニはご機嫌ななめ』
『ソニはご機嫌ななめ』
2013年 韓国 監督:ホン・サンス
本作は、ホラーでもB級作品にもカテゴライズできない。
本ブログのテーマからは逸脱する作品だが、たまには脱線もいいものだ。
クリスチャン・ダッセンなんて……。
数年前から、気が向いた時だけアジア映画を観るようになった。
低級ホラーでHELLを感じる映画的日常に、何か変化をもたらしたい。
ときおりA級作品に触れてみたり、独創的な手法を覗いてみたり。
私の映画感覚は、このように育成されている。
本作も、何の事前情報も仕入れずにジャケット判断で鑑賞。
一応、恋愛映画になるらしい。
一応と表現したのは、自分が思う恋愛作品とは毛色が違ったこと。
三角関係になって、イケ面同士が一人の女を獲りあって、ちょっと待てよ(キムタク風)なんてワールドでない。
何を考えているのか解からない。
だけど、可愛い。
そういう女性がヒロインで、元カレ・先輩・大学教授の三人の男との接点を描写。
メインとなるのは、登場人物たちの会話。
一対一の会話から、それぞれの関係やソニという人物像を描いていく。
動というより静。
独特な空間が自分の感性を刺激するか。
文学じみた滑稽さに心地よさを感じるか。
そして、直接的には描写されないソニの生活(過去から未来)を、自分の中でどこまで膨らませられるか。
これらが、本作のポイントだろう。
監督は、韓国のゴダールと評されるホン・サンス。
主演であるソニにチョン・ユミ。
脇を固めるイ・ソンギュン、チョン・ジェヨン、キム・サンジュン。
韓国映画はまだ勉強中だが、世間的には大々的なキャストらしい。
ソニは、ご機嫌ななめ。
略して『ソニは、ゴキナメ』と覚えておこう。
ほら、貴方はもう観賞せずにはいられない。