そりゃおかしいゼ第二章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界の政治を問う

消費増税は避けられない課題なのか

2014年11月23日 | 消費増税
今回の総選挙で、安倍首相は消費税を計画より18カ月延ばすことを国民に問うと、会見で述べた。延ばした18カ月には景気動向などの柔軟な対応が無く、18カ月後には実行するというのである。
集団的自衛権行使容認のような、国家の形を変えることは誰にも問わず、平気で閣議決定でするのに、消費税の延期を国民に問うなどおかしい。裏があるに決まっている。
先ず安倍政権は、消費税の導入の必要性は全く問わないのである。民主党の野田政権が、自民党に擦り寄る形で公明党も巻き込んで合意した、三党合意がこの裏にある。消費税増税は民主党もグルである。
合意の内容は「税と社会保障の一体化」という言葉で括った。この民主党政権が作った文言は、自民党は今でも使っている。野田は解散時に、国会議員定数削減を条件にしている。これは巧みに自民党が反故にしている。
今回実施を延長したのは、デフレ基調が改善されていないとい理由であるが、そんなことはハナから判っていたことである。内需がGDPの60%を越える日本で、消費動向を抑圧する消費税を導入してインフレになるわけがない。その対策に金融緩和をやって、お札をジャブジャブ刷っても、回るところは金融機関と株主だけである。
増税をやらなければならい理由は、1000兆円を超した国の借金の立て直しである。当初はこのための財政再建だけが、掲げられていた。いつの間にか、高齢化に伴い必然的に増えてくる社会保障費の財源確保が、大きくなってしまった。三党合意で、「税と社会保障の一体化」が掲げられてから、財政再建はいつの間にかどこかに飛んでしまった。

庶民は借金が増えると、支出を抑える。それが健全なやり方である。ましてやこの国は高齢化社会に突入している。今さら、若い時(成長期)のように、働いて収入を増やすと考えるのは間違いである。デフレは自然現象と言える。
政府は何よりも、財政再建、構造改革、財政運用の見直しに取り組むべきなのである。それが健全なやり方である。これまでのように官僚体制を温存しておきながら、国民に負担を強いるのは不健全である。負債が増えた理由をそのままだからである。
ましてや、所得税のように収入の高い階層が負担が大きくなる、累進性が消費税にはない。消費税は低所得層に厚く高所得層には薄い、逆進性の税制である。
アベノミクスの第一の矢が放たれて、金融緩和で円安と株高を生んだが、これこそ金融資本主義の典型であって、株主と輸出産業が潤ったのである。実体経済は伴っていない。格差拡大を生むことになっている。その輸出産業には、海外企業から消費税が徴収できないという理由で、「輸出戻し税」が支払われている。これこそ泥棒に追い銭で、トヨタは今年史上最大の利益を上げている。安倍政権の不健全な経済対策の結果である。
消費増税など取り組むべきでなく、不要な公共投資や官僚機構を削減することこそが、未来を見据えた健全な対策なのである。


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