ゼロからの創造という言葉をときどき見かけるが、見かけるたび、何か合点がいきかねる心持ちの悪さを感じるのは、僕が関わっているダンスというもの、踊りというものが、もとよりゼロから始まるものではないからかもしれない。自分でつくったのではなく与えられた生、肉体。その「いち」からしか始まり得ない、そして、1が2に成長するわけでも加算するように何かが増殖することでもまるでなく、1をどこまで活かしてゆくか、ということだったり、1なるものの変異を期待することだったりする。創造という、これまた好かない言葉に代わる何かがあるとするならば、その与えられた1というやつを壊して、一旦ゼロという方向に向かおうとするような、落下衝動というようなことは、あるかもしれないし、もしやそのような妄想地点に着地することが叶うならばの話、そこから新しく身知らぬ1というやつを再燃させようというような悶絶を計画するのは面白いのかもしれない。とすると「いち」に秘められた無限の色や相を読み取ることなるのだろうか。踊りというのは一回一回めいっぱいにやって消えてしまうし、もとより生きている時しか出来ない死んだら終わり、これも1なるものらしく、サッパリとしているが、まあ、生というやつを与えてもらいながら、在ると無いを彷徨するなんてのは、なんと贅沢なことかなぁとは、これは出来る出来ないではなくて、やらねば、と、たびたび思う最近であります。
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