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【レビュー】椿姫 まんがで読破:デュマ・フィス

 

 

 椿姫 まんがで読破:デュマ・フィス著のレビューです。

椿姫 まんがで読破

椿姫 まんがで読破

 

 

 ★本が好き!の献本書評です。

 

感想:この裏切りは 私の誇りになる(本文より)

 

パリの社交界、娼婦とか悲劇とか・・・嫌いなわけがないと思われるストーリーに、前々から読みたいと思っていたのですが、なかなか読むには至らなかった「椿姫」。

 

小説で読めば400ページ以上の作品が、その半分以下のページで読めるというお手軽さも手伝って、まずは作品の手掛かりとして読んでみようと献本に応募しました。

 

舞台は19世紀のパリ。高級娼婦マルグリットに恋をしたアルマン青年。真っすぐ体当たりしてくるようなこの青年の態度に初めは戸惑うマルグリットもやがて彼を受け入れ恋に落ちるのだが、この二人には悲劇が待ちうけている。

 

いずれは結婚したいと思っていた二人であったが、彼女の噂を聞きつけたアルマンの父親はマルグリットに諦めるように伝え二人の仲を引き裂く。

 

何も知らないアルマンはマルグリットの変化を裏切りと感じ復讐に走る。すれ違いのまま時が過ぎ、アルマンは真実を知るのだが・・・。

 

 

 

 

よくある悲恋の物語なのですが、やはり漫画は解りやすいですね。ご丁寧に登場人物の紹介も最初にされているので、なんのストレスもなく物語に入って行けるのが利点です。

 

この物語はまだ登場人物も少ないですが、私みたいに大勢の登場人物に四苦八苦してしまう人には、ありがたい本ではないかと思います。

 

さて、作品の中に印象的な言葉に出合った。

─────この裏切りは 私の誇りになる

 

マルグリットが残した言葉は読者の胸にも哀しい叫び声となって永遠に刻み込まれる。当時の娼婦たちにはこのような辛くて切ない恋をしていた女性達がきっとたくさん居たであろう。

 

誰かの今ある笑顔は、ひょっとしたら誰かの泪によってに与えられたものだ。ということも立ち止まって考えさせられた。

 

ちょっと躊躇していた作品も一気に身近なものになるシリーズ

 

漫画の特性を活かした本書はまさに「読破!」という読み心地でした。内容を把握するのにはこの本だけでも十分だとは感じますが、二人の関係がこじれてしまった経過など、細かい心理描写や会話などをもっと知りたくなる欲深い読者もきっと生まれるはず(自分の場合はもっとディープに波乱の渦に巻き込まれたい願望が・・・。

 

手掛かりとして読むのには本当にお手軽なので、ちょっとハードルが高そうだと躊躇していた作品も、一気に身近なものにしてくれ、新たな作品や作家との出合いのきっかけになるシリーズだと思います。

 

椿姫 まんがで読破

椿姫 まんがで読破

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