仕事はつまらないものだ。
あなたはそう思っていませんか?
実際、仕事をしていると、毎日8時間、週に5日以上続くことがありますので、
「これは修行か?」と思ってしまうことは否定できません。
しかし、その一方で、仕事を本気で楽しんでいる人がいますよね。
なぜ、仕事をつまらないと感じたり、面白いと感じたりと、同じ仕事でありながら正反対の感情を持つのでしょうか?
今回、仕事を楽しめる人はどういう人なのか?を徹底解剖してみたいと思います。
<仕事はあなたを映す鏡?>
前回の記事で、「仕事の本質は他者への貢献」だとお伝えしました。
これは、あくまでも心理学者アドラーの言葉であり、人間の深層心理の話です。
実際のビジネスを研究したり、知り尽くしている人の言葉ではありません。
では、実際にビジネスを研究して、知り尽くしている人は仕事をどう捉えているのでしょうか?
アメリカの大学で経済学の教授として活躍していたピーター・ドラッカーが自身の著書の中で仕事について話をしています。
ここで、ドラッカーをよく知らない人のためにドラッカーについて少し紹介させていただきます。
ドラッカーはオーストリア人の経済学者です。1909年生まれで、30歳台の時に第二次世界大戦を経験しています。第二次世界大戦前には戦争勃発の危険性を感じて、その当時住んでいたドイツからアメリカへ移住しています。
移り住んだアメリカで、様々な大学の教授を勤め、著書も多数出版しています。
数多くある著書の中でも、日本語に翻訳された「マネジメント」は日本で一時期大ブームとなりました(2001年出版なので、知らない人も多いかもしれませんが)。
どちらかというと、「もしドラ」で初めてドラッカーを知った人が多いかもしれませんね。
こんな経歴を持つ経済学者が、自身の著書「ドラッカー365の金言」で仕事について話をしています。以下は本文抜粋です。
「仕事とは人格の延長である。
仕事は重荷であって、必要とされるものである。
呪いであって、祝福となるものである。
傷つけるのは、金銭ではなく誇りのためである。
仕事とは、人格の延長である。それは自己実現の源である。
自らの価値を測り、自らの属性を知る手段である。」
どうでしょう?
かなり抽象的で分かりづらいですよね。
では、もう一つ、「経営に役立つドラッカー名言」で紹介された言葉です。
「経済活動はそれ自体が目的ではない
非経済的な目的、すなわち人間的な目的や社会的な目的のための手段である」
この二つには、仕事と経済活動という言葉がありますが、これはほぼ同じ意味だと考えられます。
仕事をすると金銭的な報酬が得られます。金銭的な報酬は会社から得られるわけですが、会社は商品の代金として、お客さんからお金をもらいます。
この一連のお金の流れが経済活動です。
<人のためになる = 儲かる>
ドラッカーが言っている「経済活動の本当の目的は非経済的な目的である」とはどういうことかというと、
例えば、車の発明者は4つの車輪がついた大きな箱を発明したらお金が儲かる、と考えて車を作ったわけではなく、人がもっと楽に短時間で長距離を移動することができたら良いな、と考えて車を発明している、ということです。
つまり、製品やサービスという商品は、儲かるから作るのではなく、人や社会の役に立つから作られるのだということです。
そして、人や社会の役に立つ製品や商品は、結果として人々のニーズを満たす商品となるため、よく売れます。
<人の役に立つと仕事が面白くなる>
あなたは、「仕事や経済活動 = 儲けること」
という考えになっていませんか?
前回の記事でもお伝えした「仕事の本質は他者への貢献」と通じる話ではありますが、仕事や経済活動の本当の目的は困っている人や社会の役に立つことです。
人の役に立つ仕事ができることで、所属感を得たり、自分自身が認められているように感じて、仕事にやりがいを感じることができます。
そして、人の役に立つ仕事は経済活動の主な目的であり、お金を儲けることにもつながります。
ここで最初の話に戻って、「あなたは、仕事はつまらないものだ。」なぜそう思うのか、そして、仕事を面白いと思える人は仕事をどう捉えているのかをまとめます。
・仕事を金儲けのための手段と思っていませんか?
・仕事をするということは人の役に立つことです。
・あなたが仕事をすると誰が助かり、喜びますか?
特に、最後の問いは仕事にやりがいを感じ、楽しくするために非常に大切な考え方だと思います。
<楽しみやすい仕事とは?>
仕事を楽しむための考え方はわかりましたが、実際には誰のためにやっているのかわかりにくい仕事はたくさんあります。例を挙げると、事務作業系の仕事なんかは、単調な作業の繰り返しですし、接する人も社内の人間ばかりで、お客さんを想像しにくいですよね。
反対に、目の前に困っているお客さんがいて、その人に製品やサービスを売っている仕事は、お客さんを感じやすい仕事だと言えます。
では、お客さんを感じやすい仕事は具体的にどういったものがあるのでしょうか?
目の前に困っているお客さんがいて、その人の役に立つ製品やサービスを提供するという観点で考えると、医療や介護の仕事、ヘルスケア関連の仕事などはお客さんを感じやすいのではないでしょうか。
前々回の記事、英国オックスフォード大学が発表、あと10年で「なくなる仕事」 ーあなたの仕事は大丈夫ですか?で紹介した、人工知能が発達してもなくならない仕事である、ヘルスケア関連の仕事は、楽しさを感じやすい仕事でもあるんです。
今回は、楽しめる仕事は存在するのか?という題名で、仕事のあり方や楽しみを感じやすい仕事についてお話ししてきました。
少しでもあなたの仕事選びや仕事の捉え方の手助けになれば幸いです。
次回は、医療・介護系の仕事と、その他の仕事の給料について比較していきたいと思います