その男、激震!(200)

★黒桐Co.新刊でました!
 『その男、激震!5』(時枝日記も含まれている新刊です)中央書店コミコミスタジオさまにて、お求め頂けます

☆文庫帯企画小冊子、只今制作中です。あと少しお待ち下さい。本文では勇一が何かを制作中???です☆

 

──えー――っと…

ここは…どこ? 私は…誰?
と、言いたいところだが…
知ってる場所だ…そして俺は時枝勝貴、元エリート会社員で元有能な組長で現在は美女ルーシーとして生きている何をやらせてもパーフェクトな男だ。
問題なのは、俺が今『ここ』にいてはならない存在で、

WHY…なぜに?

HOW…どうやって???

居てはならないはずの場所にいるのかってことだ。
そして、この場所だから問題はないのだが…一人裸族になっている。
何も着ていない、というのは少し違う。
正確に表現するなら、服は何一つ纏っていないが、ベッドの上で毛布に包まれている。

「ユウイチ、怒っているわけじゃないぞ。考えごとをしているだけだ」

ずっと離れて暮らしていた飼い主に、飛び掛かりたいのに近付けないトイプードルのユウイチがベッドの下から見上げている。
自ら抑圧してしまった喜びに身体をプルプルと震わせ、心配そうな表情をベッドの上に向ける。

「久しぶりだね、こっちにおいで」

歓喜のあまり嬉ションを振りまきながら、ユウイチがベッドに駆け上る。

「いい子にしていたか? ちょっと太ったんじゃないのか? たまにはあっちでも遊んでいるんだろ? ここと違って桐生の家には広大な庭があるからな」

細かいことを考えるのは、一旦やめよう。
ここが危険な場所ではないことは確かなのだ。
今はこの子に癒やされよう。

「俺のこと、忘れなかったか? そうか、そうか。俺が一番好きか? …んっ、コラ、乳首を噛むな…噛むなら…、ぁん、優しくだぞ」

横たわったままユウイチを胸に抱いてやると、ユウイチは再会の喜びを行動で示し始めた。

「ぁあ、ダメだぞ…そう、なんか上手になってないか? …まさか武史達の寝室で…色々教え込まれたんじゃ…」
「ふふ、呼び捨て? 自宅に戻って早々、獣姦とは時枝も相当のスキモノだよね~~~。福岡でも野良犬相手にヤってた?」

そう、時枝が今居るのは、時枝の本来の住処(すみか)なのだ。
桐生本宅ではなく、黒瀬と潤の愛の巣の下階にある時枝個人のマンションの一室だった。
死んでるはずの時枝が居てはならいない場所だが、危険などないはずの時枝の寝室だった。
だが、なんどきでも例外は存在する。
黒瀬武史という最大の危険要素が時枝の寝室に姿を現した。

「病院の女子トイレから記憶がぶっ飛んでるのは…社長…あなたのせいですよね?」

それ以外、有り得ない。
確認の意味で時枝が黒瀬に問いかけた。

 

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