歴史ある上総鶴舞駅と、昭和のキハ200形旧型気動車 車内観察【里山鉄道・小湊鉄道⑤ 最終回】 | 湘南軽便鉄道のブログ

湘南軽便鉄道のブログ

「湘南軽便鉄道」です。

本ブログは鉄道・バス・船舶・航空機等について、記録も兼ねて記事掲載。

その他、5インチゲージ自家用乗用鉄道「湘南軽便鉄道」についても掲載。路線は湘南本線(ベランダ線・路程約0.01km)があったが現在廃止。新たな庭園鉄道敷設の構想中。

(前回ブログの続き、最終回)

★過去ブログはこちら✏️



大イチョウのある里山をゆく昭和ディーゼル列車旅【里山鉄道・小湊鉄道④】




※撮影日:2016年(平成28年)10月30日(日)ほか
※撮影はスマートフォン(カメラ機材等は不使用)、一部了解後撮影



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千葉県・房総半島内陸部の里山を走る
小湊鐵道(こみなとてつどう)



上総鶴舞(かずさつるまい)駅



開業は1925年(大正14年)3月7日。
開業当時は「鶴舞町」駅でしたが、1958年(昭和33年)に「上総鶴舞」駅に改称。



国の登録有形文化財の駅。
(2017年(平成29年)に駅本屋、旧貨物上屋、旧鶴舞発電所が指定)



JR茂原駅へは、小湊バスの便がありますが、
平日2本、土日祝日はたった1本のみ。


かつて茂原駅から、ここ上総鶴舞駅(当時は鶴舞町駅)の間を、南総鉄道で結ぶ計画があったが、
南総鉄道は茂原駅~奥野駅の部分開業がなされただけで、結局全線開業は実現せず、営業区間についても経営不振により、開業から8年半後に廃止。






上総鶴舞駅は、
1999年(平成11年)、「関東の駅百選」に認定



1998年(平成10年)に無人駅に。
かつて有人駅だった頃の名残の切符発売窓口と改札口が今も残存。



駅舎ホーム側の木製ベンチ



今は不要になった側線も残存



レトロな駅は、様々なテレビドラマ、CM、映画などのロケ地に🎬





ホームの先端には昔ながらの便所





木製の駅名標



有人改札口の跡





駅舎を出て、左側方向に向かって歩いた先にある踏切を渡り裏道を歩くと、駅の反対側へ。





上総鶴舞駅舎の線路を挟んだ反対側に残存する
かつての旧側線と旧ホーム



朽ち果てた小さなトロッコ車両が放置



かつての小さな踏切跡




旧側線から直角に延びるトロッコ線路の先には小さな古い小屋。
国の登録有形文化財旧 鶴舞発電所



かつて小湊鉄道では、電気事業⚡️も行っており、この小屋内の自家発電所でつくられた電気は、駅舎の電灯や、駅の信号機用として使用されたほか、沿線の集落にも電気を供給。




向こう側(駅舎側)に見える建物も、
国の登録有形文化財 旧 鶴舞駅貨物上屋



発電所小屋まで重量物を運搬するためのトロッコ台車の引込み線も残存。
左側のレールが少しずれています。




1933年(昭和8年)、小湊鉄道の鶴舞発電所は廃止。
東京電灯からの買電に切り替えて、1942年(昭和23年)には電気事業は関東配電に統合し、小湊鉄道の電気事業は廃止。



≪千葉県市原市ホームページの観光案内引用≫

旧鶴舞発電所

 大正14年当初から昭和17年まで発電所として使用されていました。設計・施工は鹿島組(現鹿島建設株式会社)によるものです。建物面積は74.365平方メートルです。
 木造平屋で壁面にはトタンが張られています、内部は鉄骨で造られ、内壁は漆喰で仕上げています。屋根は切妻造のトタン葺で、平成28年に葺き替えています。屋根の2色のカラーリングはデザインです。建物は鉄道本線から十数mほど離れていますが、重量物運搬のトロッコ台車を動かすための引き込みレールが建物土台に接するまで敷設されています。
 当初は内部にディーゼルエンジンによる発電機2機が設置され、小湊鐵道の駅舎電灯用として使用されていました。その後、沿線各町村からの要請を受け各地に電力を供給していましたが、昭和17年の配電統制令により発電所としての役目を終えました。その後は保線作業等のための倉庫や事務室として使用され、現在は倉庫として使用されています。
 倉庫や事務室として使用するために後から間仕切りを入れた部分や、窓位置を変更した部分もありますが、当初の構造とたたずまいを良く残しています。こうした簡素な構造の建造物は、現在では多くが失われており、大正期の関東地方で一般的であった電力供給を伴う鉄道事業の様子を物語る貴重な建造物です。






このように本線と直角に延びる短い引込み線は、JR北海道 根室本線の釧路~厚岸間の山中でも何ヵ所か見かけたことがあります。





左右の旧側線と、旧ホーム



旧側線の向こう側は本線。
そして、現役の上総鶴舞駅舎とホーム






旧鶴舞発電所は、
現在は倉庫として使用とのこと。


窓から中を覗く。



ずれてしまったレール(左側)


建物入口まで延びる引込み線






朽ち果てたトロッコと、土にバラストが埋もれた旧側線





旧鶴舞駅貨物上屋に置かれた転轍標識など。



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上総鶴舞駅ホームへ。
日中は2時間に1本しか列車が走らない区間。



向こうからやってきた、五井行き上り普通列車



東京近郊とは思えない、
時代を遡ったようなのどかな光景






上総鶴舞(かずさつるまい)駅 午前11時24分発



2両編成の両運転台の気動車




キハ200形気動車のうち後期に製造された車両は、非プレスドア


ドア下には、旧国鉄キハ20系気動車のような懐かしい明かり取り窓



ドア上の「小湊鐵道沿線案内」




車端部には各種プレート


この車両は、昭和50年 日本車輌で製造



運転助士側スペースには、
手動ブレーキハンドル




車掌弁





五井行き気動車はのんびり五井駅を目指す。


客室内を通るディーゼルエンジンの排気管



二段開閉式窓と、窓の日除けブラインド







終点・五井(ごい)駅3番線ホームに、
午前11時58分到着

しばらく車両観察へ。



終点・上総中野駅まで結ぶ列車本数は極端に少ないため、なかなか見る機会がない「上総中野⇔五井」の行先板(サボ)



非プレスドア、ユニット窓の車両




小湊鉄道キハ200形気動車は、旧国鉄キハ20系気動車がモデル



隣は、近代的なJRホーム(左側)




反対側4番線ホームにもキハ200形気動車。
木造無蓋貨車の姿も。



4番線ホームで発車を待つ上総中野行き気動車



懐かしい非ユニット窓の車両




車内の様子。
左右に床下のディーゼルエンジンの排気管



小湊鉄道の全列車には女性車掌が乗務しているため、ワンマン化改造は一切されていない。



車内はロングシート





二段開閉式の窓。下段窓も開閉可能。



窓の日除けブラインド



ドア横の戸袋部分にも窓があり。



非プレスドア。プレスドア車両も現役。


ドア下の明かり取り窓




両運転台の車内





アナログ機器だらけの運転台





乗務員室用ドア






冷暖房完備の車内



冷房車ですが、レトロな扇風機も現役







首都圏とは思えない昼下がりのガラガラの車内




デッキ付きのドア。
足元を照らすライトが点灯。



東京から程近い首都圏とは思えない光景



小湊鉄道の車両は2両編成が基本ですが、
単行運転も存在。
また土日午前の上総中野行きなど観光客で混雑する列車は、3両で運転される場合も。



カラカラカラと懐かしいDMH17C旧型ディーゼルエンジン音


















小湊鉄道 五井駅ホーム。
左側奥には小湊鉄道五井機関庫、右側にはJR内房線ホーム。



隣はJR内房線ホーム(1・2番線)



JR内房線のE217系電車。
E217系電車は、横須賀線・総武線からの乗入れ列車で、内房線内は君津駅までしか行かない。







JR内房線ホームから眺める小湊鉄道ホーム




東京から一番近い非電化ローカル私鉄
里山の自然の中を走る旧型ディーゼルカー

小湊鉄道の旅は終わります。



★★動画はこちら🎥
↓↓↓↓↓
















(終わり)