東アジア歴史文化研究会

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう
歴史の書き換えはすでに始まっている

日本は世界の現実から遊離している(加瀬英明コラム)

2017-09-06 | 日本の安全保障

憲法はいうまでもなく、世界の現実にそぐったものでなければならない。

稲田朋美防衛大臣が安倍内閣の支持率が急落するなかで、内戦によって混乱する南スーダンへ国連平和維持活動(PKO)に派遣されていた、陸上自衛隊部隊の日報をめぐる問題の責任をとって、内閣改造を待たずに辞任に追い込まれた。

部隊は比較的に安全な地域で、道路建設など民生支援の活動を行っていた。

ところが、部隊の付近で武力衝突が発生したのを、東京へ送った日報のなかで「撃ち合い」といえばよかったのに、「戦闘」と書いた。防衛省が日報に使われていた「戦闘」という言葉が、使ってはならない言葉だったので、非公開としたために、野党やマスコミが「隠蔽」したといって大騒ぎした。

私は頭が悪いので、「撃ち合い」と「戦闘」のどこが違うのか、分からない。

稲田氏が防衛大臣になった直後に、うっかり「防衛費」を「軍事費」といったところ、国会で叩かれたことがあった。

一般の国民が「防衛費」のことを、「軍事費」といったら、誰一人咎めないはずだ。

安倍改造内閣が発足したが、もし新閣僚の一人が自衛隊をうっかり「軍」と呼んだら、きっと野党によって厳しく追求されるだろう。

私は自衛隊は軍隊だと思う。日本の外のすべての人々が、自衛隊を軍隊だと思っている。ところが、日本では自衛隊は軍隊ではないというのが、常識だ。

私は世界の人々のほうが、正しいと思う。こんなことをいうと、私は気が触れているのだろうか?

「あれは撃ち合いであって、戦闘ではありません」「防衛費と軍事費は、違うものです」日本の国権の最高機関である国会や、良識の府といわれるマスコミで、このような会話が当然のように行われているが、日本は世界の現実から大きく遊離しているのだ。

医学では、このような症状を夢遊病(ソムナムブリズム)と呼ぶが、夢遊病者は記憶や判断力を失って、夢遊状態で歩きまわるから、危険きわまりない。

日本国憲法が、この原因をつくっている。

日本国憲法の前文は、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全を保持しようと決意した」と、述べている。

世界のあらゆる国が平和を愛しているから、日本は自分を守るために、いっさい武力を持つことなく、泰平の夢を楽しんで生きると、誓っているのだ。

この誓いのもとで、憲法第9条が「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と、定めている。

日本国憲法は、日本を夢遊病者にしている。

東京からだと1000キロ、九州からだと500キロしか離れていない北朝鮮が、核兵器の開発に狂奔し、日常のようにミサイルを試射して、秋田県の沖合に撃ち込んでいる。

やはり隣国である中国は、隙さえあれば尖閣諸島を奪おうと、毎日、武装公船によって尖閣諸島を取り囲んでいる。

ロシアは北方領土を軍事基地化して、ミサイル部隊を送り込んでいる。

いまのところアメリカが日本を守ってくれているから、よいかもしれないが、いつまでアメリカが日本を守ってくれるのだろうか?

言葉は現実と一致していなければならないのに、国家にとってもっとも重要な言葉である日本国憲法は、現実に大きく背いている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿