北山ダムの話~4.釣れない原因1 冬場の減水~


先日、depsさんのご厚意により、レンタルボートの大会を開催していただきました。そして、その趣旨に賛同していただいた多くの方にご参加いただきましたので、お礼も兼ねて、話せる事を書いてみようと思います。


北山ダムが、冬場にばかり減水しているのは、土地改良区のホームページを見ていただければ一目瞭然です。

何故減水するのかというと、そもそも北山ダムは農業用に作られたダムで、水田に水を送らないといけない為、田植えの時期の6月までに目一杯溜めて、そこからひたすら放水します。

そして、同時に九州電力が、発電に利用していて、当然「水を買って」発電に利用している訳です(水利権を持っている)。

何m減まで発電できるかは忘れましたが(思い出したら書きます)、九電は「減水させる権利を持っている」訳ですね。当然、これは正当な権利でありまして、誰も文句は言えません。
一つ言えるとすれば、底に土砂が溜まっている故に、減水時の水深(貯水量)が下がっている事です。これは時が経てば経つほど悪化する訳で、撤去する以外に良くなる方法はありません(ご想像通り、弊害があります)。

また、北山ダムの水質も、年々悪くなっているようで、特に悪い水が底の方に沈殿してしまっており、これを(流れ込んで来る)新しい水と混ぜて浄化する為に、水を減らしている訳です。先に述べた通り、冬場にしかできません。

それと、ダムが年々埋まっている為、貯水量が低下しているので、貯水量を確保する事業というのが、9年前から10年計画で行われております。

埋まった砂は撤去したいのは山々なのですが、一番深いところの体積土砂は、もはやヘドロのような状態で、容易には浄化できないので、なかなか撤去作業を実施する事ができず、優先的に、体積土が綺麗な中上流部分の砂から撤去しています。

それでも、10数メートルは水位を下げないと作業ができないので、ここ5年ほどはそのような減水&作業が行われている訳です。

何故冬場に減水するのが良くないのか?
これは誰かが検証した訳ではないので、完全に私の予測でしかないのですが、皆さん知っての通り、水深があって流れの緩いフィールドでは、秋にターンオーバーが起きます。
下の層の冷たい悪い水が、表層の温かい水の温度が季節とともに下がり、下の冷たい水より下がってしまうと、比重により悪い水の方が上に来てしまい、魚も具合が悪くなり釣れなくなってしまいます。

釣れないだけならいいのですが、弱って死んだり、鳥に食べられたりするものも出てきます。
減水は、これに拍車をかけます。

ダム全体の水温は、多い方が温かいのですが、夏場の温かい水を全て放水してしまって、今度は春に備えて冷たい秋冬の水ばかり貯めます。このせいで、バスは冬を凍えて過ごしていて、春なかなか水温が上がらない為に、春先にチャプターで一匹も釣れないような事態が起こります。
水温だけではありません。バスは冬を越す為に、基本的に深いエリアで過ごします。ところが、深いエリアは水質が悪い為、板挟みに遭っている訳です。
水を大切にする事や、電気を大切にする事、ダムの湖岸を大事にする事は、意外にもこんなところに関わって来ているのです。

ちなみに、バス以外のフナ、コイ、ワカサギなどは普通にいる訳ですが(それでもワカサギ以外は減ったかな)、彼らは汚い水に強い魚なので、バスよりは沢山居ます。意外でしょうか?

次は、釣れない原因その2です。

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