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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

3時間待ちの月曜日のER

待合室で3時間待ったと文句を言われても

限られたスペースに限られたマンパワー

どうしようのない物はどうしようもない

 

腕白そうな3歳の男の子

片方のほっぺたにポツンと虫刺されの痕

 

熱はないし虫歯もない

どうみても蚊か何かに刺された痕にしか見えない

 

"What's your concern?"

 

蚊に刺されたからって3時間待つ?

なんでそんなに心配なんだろう?

 

「これ、ジカ・ウイルスじゃないですか?」

 

昨年より主に南米で流行っているジカ熱

蚊を媒介とするジカ・ウイルスによる感染症で

(性交渉、輸血で感染した例もあり)

妊婦さんが感染すると胎児に小頭症が発生することもあり

一時期、連日ニュースになっていた

 

健康な人がジカ・ウイルス感染しても

他のウイルス感染症の様に

発熱、発疹、結膜炎、関節痛などを起こすだけで

深刻な状態になることはほとんどない

 

現在アメリカ国内で確認されたジカ・ウイルス感染

実験室で感染した1例を除き

全て渡航歴のある人ばかり

 

渡航歴のないこの男の子

診察室の中で逃げまわり

両親は疲れ切っている

 

「違います

これは単なる虫刺されです」

 

南米出身らしい男の子の両親

きっと家では南米発信のニュースに目を通していて

ジカ・ウイルス関連の情報が色々入って来るのだろう

 

今の世の中、色々な情報が飛び交っていて

医療情報も選り取り見取り、PCの前で手に入る

一体どこの誰が書いているのか

「へっ?」と思わざるを得ない情報もあったりして

(そんなのに限って、コメントが書きこめない様になっている)

 

どの情報を信じて、どの情報を却下するか

沢山あるから良いとは限らない

 

”Everybody gets so much information all day long

that they lose their common sense.”

Gertrude Stein

 

保護者向けジカ・ウイルス情報⇒コチラ

 

どくしゃになってね…