ミルク・タップ? | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

特発性頭蓋内圧亢進症の診断・治療とか

髄膜炎の診断のためとかに行われる手技

腰椎穿刺

 

 

ERでこの主義をやる目的は

背骨の中を走っている「髄液」の採取

 

積み木の様に重なっている

背骨と背骨の間に針を刺して

そのど真ん中を流れている髄液を採取

...って、書いちゃうと簡単そうなんだけど

 

針先がちょと上を向いたり

下を向いたりすると骨に当たり

横にそれると、いつまでたっても筋肉の中

アメリカサイズのふくよかな患者には

腰椎穿刺キットに入っている針では

短すぎることも多々あり

 

完璧に、スムーズに採取できた髄液は

無色透明で水の様

顕微鏡下で見てもそんな感じで

血球が一個も見つからない

(白血球が含まれると感染症の疑い

赤血球があると、針が髄液にある場所に

届く前に小さな血管にかすって雑じったか

くも膜下血腫の疑いがあります)

 

こんな「理想の髄液」が採取された場合を

シャンパン・タップ」と言います

(腰椎穿刺は英語でLumbar punctureと言いますが

Spinal tap(スパイナル・タップ)とも呼ばれます)

シャンペンはちょっ黄色がかっているから

どっちかと言うと壊れた赤血球が混ざった

xanthochromiaの色に近いのだけれど...

 

どこから「シャンパン・タップ」の名前が

来たのかはともかく

研修医がシャンパン・タップをやると

一緒に仕事をしていたアテンディングは

シャンパン・ボトルをプレゼントする

習わしがあります

 

私は今まで2本、買ったかな?

 

夫と一緒に仕事をする研修医

先日、一緒に腰椎穿刺をしたそうです

夫「シャンパン・タップだったら、

君にシャンパンを贈らないといけないな」

 

研修医

「でも、僕、アルコールは駄目なんですが」

 

彼、ユタ州出身のモルモン教徒

宗教上の理由でアルコールは飲めない

 

夫、想定外の状況

アイルランド系の夫には、いきなり

アルコールに変わるものが思いつかない

 

「アルコールは駄目か...

じゃあ、そうだな、う~ん...そうだなぁ

牛乳だったらどうだ?牛乳1ガロン?」

 

ミルク・タップ

なんか、あんまり嬉しくない

 

 

牛乳シャンパン牛乳シャンパン牛乳シャンパン牛乳シャンパン牛乳シャンパン

 

ノン・アルコールのシャンペンなんてあるのか?

スパークリング・ワインと

シャンパンって同じものなの?

 

 

ググったら、シャンパンは

スパークリング・ワインの一種なのですね

 

 

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