その気になれば国会の安保論争は面白く出来る
きょう12月4日の毎日新聞「風知草」を読んで、その気になれば国会の安保論争は面白くできる事を知った。
特別編集委員の山田孝男氏が書いている。
この間来日したトランプ大統領は、「F35は世界最高の戦闘機だ。買えば日本は安全になり、米国は雇用が増える」、そういって武器を売り込み、安倍首相はそれを買わせられた。
しかし、トランプ大統領は大統領選挙の時は、F35の事を、「性能が低いうえに割高で、計画も遅れ、制御不能の戦闘機だ」そういって、自分が大統領になったら白紙にすると言っていたと。
そして、大統領になった後も、ロッキード社に値引きさせたと。
そういえば確かにそう報道されていた。
もし野党の政治家たちが少しでもこの事に気づいていたら、安倍首相を追及できたはずだ。
安倍首相は答えに窮したはずだ。
そしてまた、山田氏は次のように書いている。
先週の予算委員会で民進党議員が安倍首相に迫った。
「F35の調達は米国本位(対米従属)ではないか」と。
しかし、F35という機種も、調達方式も、決めたのは6年前の野田民主党政権だったと。
もしこの事を自民党の政治家たちが一人でも覚えていたら、すかさずその民進党議員に野次ればよかった。
たちどころに民進党は恥をかいたに違いない。
さらに山田氏は続ける。
F35の魅力は、敵レーダーに捕捉されないステルス(隠密)性にある。
そして、ステルス戦闘機の魅力は、敵地深く侵入して爆撃、ジャミング(電波妨害)する機能にある。
しかし、この事をあけすけに言えば専守防衛の逸脱と責められるから、政府は説明しない。
そして、戦闘機は数十年間使う。
この間に、憲法9条の改憲が行われ、「敵地攻撃」でも何でも認められる時が来る。
それを見据えて、いまは議論をしようとしないのだ、と。
山田氏は最後にこう書いている。
「率直な議論が必要な時だと思うが、そういう論戦にはなっていない」と。
この山田氏の「風知草」が教えてくれた事は、その気になれば国会の安保論争は面白くできるということだ。
国会がつまらないのは、やはり政治家が不勉強であるからだという事である(了)