芥川賞作家の小川洋子さんによるはじめての絵本をご案内します。
今年度の青少年読書感想文全国コンクール 小学生低学年の課題図書になっています。
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ボタンちゃん (PHPわたしのえほん) 1,404円 Amazon |
『ボタンちゃん』 小川洋子 作 岡田千晶 絵
2015年11月発行
アンナちゃんのとっておきのブラウスの一番上にとまっているボタンちゃんが、おはなしの主人公です。
ボタンちゃんのなかよしは、
なんといってもボタンホールちゃんでしょう。
ボタンホールちゃんはほっそりしていて、
はずかしがりやですが、
とてもたよりがいがあります。
ボタンちゃんがブラウスのえりもとで
かわいい顔をのぞかせていられるのは、
ボタンホールちゃんのおかげです。
ふたりはいつもいっしょです。
ここのところは、 おおいに納得ですね。ボタンちゃんも、ボタンホールちゃんも、とてもシンプルに擬人化されています。
ある日、たいへんなことが起きてしまいます。ボタンちゃんをブラウスにとめていた糸が切れてしまい…このときのボタンちゃんとボタンホールちゃんの姿、表情にご注目です。
コロコロと転がりながら、ボタンちゃんは
「わたし、ころがるのにちょうどいい形をしているんだわ」
おぉ!思わぬ状況に置かれたこその新発見ですね。意外とのんきなところがかわいい。
ボタンちゃんがたどり着いたところで出会ったのは、アンナちゃんが小さい頃に愛用していた3つのものでした…。
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最初に読んだとき、おもちゃ箱の裏側、洋服ダンスの裏、ベッドの下で出会ったというのが、ちょっと無理があるんじゃないかと感じました。のちに登場するアンナちゃんのおかあさんは、きちんとしたタイプの人に見えるし…こんなに邪険にするかなぁと思ったんです。でも、意図してのことではないし、赤ちゃんから成長したとはいえ、 子育ては日々続きます。区切りをつける直前の出来事とすれば、腑に落ちるのです。
ボタンちゃんが転がった事件がきっかけとなり、このモノたちは、とても幸せにお役目を終えます。それには、おかあさんによる「ひと手間」が必要なのですが…
終えたといっても、それまでとはちがったかたちで、再度日の目を見ることがありそうです。
とても素敵なハッピーエンド。
わたしは、子どもの成長を支援し、見守ることに思いを馳せました。
わが家の二男(中二)の思い出の品。くまのホーくん(命名は長男)です。1歳の頃、子ども服売り場にあったこのぬいぐるみに手をのばし、抱きしめて離しませんでした。
ちなみにホーくんの頭の上と、後ろ側にいる何がしかのものは、あとから追加されたものです。
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