誰だっ。
うちの庭に勝手に入って雪だるま作ったやつはっ?!
なんてことは、ない。
いつだったか、もうずいぶん前。
新宿紀伊国屋書店でポスターの前で足が止まった。
この人、ぎりぎりのとこで勝負してるな。
うっまいなぁ。
いい写真だなぁ。
俺には出来ねえや。
婦人雑誌創刊のポスターで、
薄暗い部屋のベッドの上でランジェリーだけのモデルが膝立ちしてる。
窓からのほのかな自然光、わずかなストロボだけの『墨っぽい』画像。
ポスターの大きさ(A0)に伸ばせるクオリティって。
同じことを数年後ルイ・ヴィトンのPVでも思った。
かっこいいけどリスクが大き過ぎて俺には出来ねえや。
やったよ。
やりましたよ。
一日中シャッター『1/10』て。絞り『f2.8』て。
人物撮るシャッタースピードじゃないだろが。
ギャンブル過ぎんだろが。
0.1秒シャッター開いてんだぞ。
まばたき一発、呼吸一回でアウトだぞ。
おっれ上手くなったなぁ~
某メーカーさんの会社案内撮影。
午後一発目の方。
すらっとしたエネルギッシュ(俺は脂ぎっしゅ)な女性管理職。
「埼玉・茨城包括担当をしております」
(なんですと?)
「毎週現地へ行きマーケティングと指導をします」
「地域にあったニーズを開拓する為、密着した市場調査が必須です」
「現地雇用スタッフからの情報が不可欠です」
(だろね)
「埼玉はいいんですけど」
「茨城って・・・あれ関東ですかね?」
(うー。黙ってらんねい)
南東北ですっ。
「え?」
俺、茨城大好きです。今年引っ越します。
ですが、あそこは独特の文化を京成(じゃない)形成していて、ごじゃっぺですから。
「あっはっはっはー」
「ごじゃっぺーっ」
(お。知ってんの?)
ご担当は茨城のどちらですか?
「水戸の石川と笠原、那珂と、あと内原です」
内ジャス?
「そうですそうですっ」
撮影そっちのけ。
盛り上がったぜぃ。
「那珂はおっきな通りを菅谷の方へ・・」
おーたかいどう?
「ですですっ」
「あと水戸駅の南側にも」
それ、えきなん。
「あはははー」
なんちゅうか『タンザニアの奥地(行ったことないけど)でばったり日本人に会った』様な。
『愛すべき茨城県人』ってことで一致(そりゃ先方は「お客様」だからね)。
こういう同志はいつも以上に気合いを入れて撮りますっ。
あなたの人生最高の1枚を創ったげる。
広く薄暗い(てめー雪っ)デザインされたロビー。
スケルトンのエレベータとカフェの灯りを背景にボカして。
通り過ぎる人を、わざとブラす。
それにしてもギャンブルだ。
朝も早よから画像処理。
コーヒー淹れてメロンパン。
上がり問題無し。
ピントばっちり『まつげ』に来てるぜ。
ちょとトイレ。
気が付けば、トイレでしゃがみながらメロンパンあむあむ。
出すと食べるを同時にする、合理的な俺。
大阪からメール。
今週撮影の納品と請求書に関して。
げ。
大阪(の制作会社)ギャラいい。
やばっ。
データ、作り直そっかな。
これ『大阪のカメラマンが千葉に出張した場合』のギャラなんだろな。
彼女がLINEで、
「あなたが手抜きなんかするわけないものね」
しないよ。
てか、出来ね。
けど、色がちと気になる、ちゃぁ~気になる。
『東京と同じ上がり』はまずいかも知れんなぁ。
もうちっと薄味にしなきゃ。
ぼちぼちでんな♪