NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」に拙著に書いた話が一部使われたのですが、結論部分だけを取って付けたように使われ、「明智説」のように言われているのは本意ではありません。興味を持たれた方は拙著をお読みいただき、結論が出てくるまでの証拠と推論をお楽しみいただくと幸いです。拙著の本質をとらえた読者の声を2件ご紹介します。
【amazonカスタマーレビュー2013年12月26日抜粋】
明智氏の研究の特徴は、情報の4W1Hがしっかりしていること、つまり誰がどこで、いかなる情報をどのようにして知ったのか、そのプロセスのチェックを軸にしているところです。ご本人は「捜査」という言葉を使われていますが、伝統的には「認識論」と呼ばれる議論で、認識論的に吟味することで「誤った知識」と「正しい知識」を分けていく、本来の科学的姿勢を忠実に実行するものです。歴史関連の本には、ある史料が「権力者の書かせたもので信用できない」といいながら、筆者の主張も同じ史料を根拠にしていたりと、正直読むに耐えないものが多いですが(とくに古代史関連では)、本書はそうした凡百の本と一線を画するものです。その意味でこの本は、「研究」とは何かを知りたい大学生など、初学者にも有益でしょう。
明智氏が「蓋然性の高い」と判断して最終的に提出した「仮説」を、「明智説」のように矮小化して取り出し、他の誰かも言っているとか、あるいは他のいい加減な説と並置して紹介したりするやり方では、この本の価値が損なわれることになります。批評をする人は、この本の史料批判と推論のプロセスにフォーカスすべきでしょう。
硬いことを書いてしまいましたが、研究にとってだけでなく歴史を生きる当事者たちにとっても、どんな情報をどのタイミングで手に入れ、自分の判断・行動に結び付けるのかはきわめて重要です。その意味で本書の描き出すドラマは、当時を生きた人々の緊張感が伝わってくるほど真実味のあるものでした。
歴史には不可解な事件が数多くあります。その意味で「本能寺の変」という事件について、自分が生きているうちにここまで綿密な研究にふれることができて幸せ、と感じました。
【amazonカスタマーレビュー2017年8月17日抜粋】
説の否定ではなく超克というべき新説
日本史で最大の謎の一つ、本能寺の変についてかなり整合性の高い新説の登場です。従来の説明では明智光秀の個人的な怨恨から信長を討ったという説明ですが、あまりにも説得力がないので多数の新説が唱えられてきました。そんな中での登場だけにお手並み拝見という感じでしたが、どうやら本命の登場のようです。
本作の中核は第4章から第10章までです。その前後は前振りと締めくくりといった役割です。割と厚い本なので先にこの部分を読んでから前後を読むと理解しやすいでしょう。
作者は歴史捜査と称していますが、事実関係の認定を重視する仕事では誰が、何時、何処で、何を、何故行ったかをつまびらかにしていきます。特に刑事、民事を問わず訴訟事務では当然とされますが、それは歴史学でも本来は踏襲されなくてはならない。ただ、訴訟では大学の先生の学説以上に裁判所の判決が重みがあり、加えて政府の有権解釈の三つが拮抗しています。しかし、歴史学は大学の学者同士の内輪で完結しているので勢い年長で地位が高い先生の説が優先され新説は大学の外の同好会のみで発表が許される世界です。その意味では本作が認知される可能性は当面ないでしょう。
ただ、少なくとも明智光秀の謀反の動機について蓋然性の高い説明に成功したことは重要です。戦国時代というのは領国経済を総動員して常備軍を運用した画期的な時代ですが、それが可能な官僚組織の運用には合理的な指揮指導ができる指導者の存在が不可欠です。その点、明智光秀は当代最高の組織指導者であっただけに私怨が動機では木に竹を接ぐ違和感がぬぐえませんでした。それを克服できる内容です。
立証の方法も合理的でまず、定説の根拠である文献に信頼性がないことと矛盾を指摘するだけならこれまでもありましたが、今回は実際に行動可能なキーパーソンをより信頼度が高い資料や一次資料にから特定している。もちろん、紙幅が限られるので引用が十分ではないのが惜しいですが瑕瑾として言いたてるのは酷でしょう。
もちろん、文体に嫌味な点がありそれだけで敵を作りそうな気配があるのは残念ですが、立ち向かっているのが歴史学会の常識そのものなのだから多少肩に力が入るのは仕方ない。後書きで戦前の大陸政策を批判しているのは本論ではなく単なる感想でしょうし、第13章の内容が単なる推測にとどまるのもやはり仕方ない。この辺は締めくくりのための付けたりでしょう。
>>> 信長による家康討ち
>>> 怨恨・野望・偶発説は完全フェイク
>>> 隠蔽された謀反の動機
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明智憲三郎著の第4作『「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業』文芸社
「秀吉がねつ造し、軍記物に汚染された戦国史を、今一度洗濯いたし申し候」。40万部突破の『本能寺の変 431年目の真実』の著者、明智憲三郎がさらなる歴史捜査を通じて、より解り易く「本能寺の変」の真実を解説した歴史ドキュメント! 「ハゲだから謀反って変だ! 」「歴史の流れ無視って変だ! 」「信長の油断って変だ! 」等々、まだある驚愕の真実に迫る!
本能寺の変研究の欠陥を暴き、「本当の歴史」を知る面白さを説く!
「若い方々や歴史に興味のない方々に歴史を好きになってもらいたいと思って書きました」 明智憲三郎
【明智憲三郎著作一覧】
2016年5月発売予定
『「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業』文芸社
>>> 文芸社のページ
2015年7月発売
『織田信長 四三三年目の真実 信長脳を歴史捜査せよ!』幻冬舎
>>> 幻冬舎のページ
2013年12月発売
『本能寺の変 431年目の真実』文芸社文庫
>>> 文芸社のページ
2009年3月発売
『本能寺の変 四二七年目の真実』プレジデント社
【amazonカスタマーレビュー2013年12月26日抜粋】
明智氏の研究の特徴は、情報の4W1Hがしっかりしていること、つまり誰がどこで、いかなる情報をどのようにして知ったのか、そのプロセスのチェックを軸にしているところです。ご本人は「捜査」という言葉を使われていますが、伝統的には「認識論」と呼ばれる議論で、認識論的に吟味することで「誤った知識」と「正しい知識」を分けていく、本来の科学的姿勢を忠実に実行するものです。歴史関連の本には、ある史料が「権力者の書かせたもので信用できない」といいながら、筆者の主張も同じ史料を根拠にしていたりと、正直読むに耐えないものが多いですが(とくに古代史関連では)、本書はそうした凡百の本と一線を画するものです。その意味でこの本は、「研究」とは何かを知りたい大学生など、初学者にも有益でしょう。
明智氏が「蓋然性の高い」と判断して最終的に提出した「仮説」を、「明智説」のように矮小化して取り出し、他の誰かも言っているとか、あるいは他のいい加減な説と並置して紹介したりするやり方では、この本の価値が損なわれることになります。批評をする人は、この本の史料批判と推論のプロセスにフォーカスすべきでしょう。
硬いことを書いてしまいましたが、研究にとってだけでなく歴史を生きる当事者たちにとっても、どんな情報をどのタイミングで手に入れ、自分の判断・行動に結び付けるのかはきわめて重要です。その意味で本書の描き出すドラマは、当時を生きた人々の緊張感が伝わってくるほど真実味のあるものでした。
歴史には不可解な事件が数多くあります。その意味で「本能寺の変」という事件について、自分が生きているうちにここまで綿密な研究にふれることができて幸せ、と感じました。
【amazonカスタマーレビュー2017年8月17日抜粋】
説の否定ではなく超克というべき新説
日本史で最大の謎の一つ、本能寺の変についてかなり整合性の高い新説の登場です。従来の説明では明智光秀の個人的な怨恨から信長を討ったという説明ですが、あまりにも説得力がないので多数の新説が唱えられてきました。そんな中での登場だけにお手並み拝見という感じでしたが、どうやら本命の登場のようです。
本作の中核は第4章から第10章までです。その前後は前振りと締めくくりといった役割です。割と厚い本なので先にこの部分を読んでから前後を読むと理解しやすいでしょう。
作者は歴史捜査と称していますが、事実関係の認定を重視する仕事では誰が、何時、何処で、何を、何故行ったかをつまびらかにしていきます。特に刑事、民事を問わず訴訟事務では当然とされますが、それは歴史学でも本来は踏襲されなくてはならない。ただ、訴訟では大学の先生の学説以上に裁判所の判決が重みがあり、加えて政府の有権解釈の三つが拮抗しています。しかし、歴史学は大学の学者同士の内輪で完結しているので勢い年長で地位が高い先生の説が優先され新説は大学の外の同好会のみで発表が許される世界です。その意味では本作が認知される可能性は当面ないでしょう。
ただ、少なくとも明智光秀の謀反の動機について蓋然性の高い説明に成功したことは重要です。戦国時代というのは領国経済を総動員して常備軍を運用した画期的な時代ですが、それが可能な官僚組織の運用には合理的な指揮指導ができる指導者の存在が不可欠です。その点、明智光秀は当代最高の組織指導者であっただけに私怨が動機では木に竹を接ぐ違和感がぬぐえませんでした。それを克服できる内容です。
立証の方法も合理的でまず、定説の根拠である文献に信頼性がないことと矛盾を指摘するだけならこれまでもありましたが、今回は実際に行動可能なキーパーソンをより信頼度が高い資料や一次資料にから特定している。もちろん、紙幅が限られるので引用が十分ではないのが惜しいですが瑕瑾として言いたてるのは酷でしょう。
もちろん、文体に嫌味な点がありそれだけで敵を作りそうな気配があるのは残念ですが、立ち向かっているのが歴史学会の常識そのものなのだから多少肩に力が入るのは仕方ない。後書きで戦前の大陸政策を批判しているのは本論ではなく単なる感想でしょうし、第13章の内容が単なる推測にとどまるのもやはり仕方ない。この辺は締めくくりのための付けたりでしょう。
>>> 信長による家康討ち
>>> 怨恨・野望・偶発説は完全フェイク
>>> 隠蔽された謀反の動機
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明智憲三郎著の第4作『「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業』文芸社
「秀吉がねつ造し、軍記物に汚染された戦国史を、今一度洗濯いたし申し候」。40万部突破の『本能寺の変 431年目の真実』の著者、明智憲三郎がさらなる歴史捜査を通じて、より解り易く「本能寺の変」の真実を解説した歴史ドキュメント! 「ハゲだから謀反って変だ! 」「歴史の流れ無視って変だ! 」「信長の油断って変だ! 」等々、まだある驚愕の真実に迫る!
本能寺の変研究の欠陥を暴き、「本当の歴史」を知る面白さを説く!
「若い方々や歴史に興味のない方々に歴史を好きになってもらいたいと思って書きました」 明智憲三郎
「本能寺の変」は変だ!著者:明智憲三郎価格:1,080円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る |
「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業 | |
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文芸社 |
【明智憲三郎著作一覧】
2016年5月発売予定
『「本能寺の変」は変だ! 明智光秀の子孫による歴史捜査授業』文芸社
>>> 文芸社のページ
2015年7月発売
『織田信長 四三三年目の真実 信長脳を歴史捜査せよ!』幻冬舎
>>> 幻冬舎のページ
2013年12月発売
『本能寺の変 431年目の真実』文芸社文庫
>>> 文芸社のページ
2009年3月発売
『本能寺の変 四二七年目の真実』プレジデント社