そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

原発の画期的な判決が出た

2017-03-17 | 原発と再生可能エネルギー
やっというか、今頃になってというべきか、日本の司法がようやく国と東京電力に、福島原発事故は防げたがそれを怠ったと、賠償責任の所在を明確にした。
東京電力福島第1原発事故で福島県から群馬県などに避難した住民ら137人が国と東電に計約15億円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決で、前橋地裁は今日(17日)、「巨大津波の予見が可能で、事故は防げた」と判断、国と東電に賠償責任を認め、計3855万円の支払いを命じた。全国で約30件行われている集団訴訟で初の判決である。
原道子裁判長は、政府が2002年、「日本海溝沿いで津波地震が30年以内に20%程度の確率で発生する」とした長期評価を発表し、巨大津波の予見は可能だったと指摘し、東電が対策を怠ったとしたのである。
地震も津波も天災であるが、原発事故は人災である。数百万人以上の被疑者ががいる人災であるにも拘らず、加害者が存在しない奇妙な構図があった。つまり原発事故の責任者は存在しなかったのであるが、この奇妙な構図は解決されたことになる。
国と東電は必ず上告するものと思われる。そうした無責任な体質、責任逃れを求める姿勢が、新たな事故を引き起こす土壌となる。周辺住民と安全を共有するという姿勢がない以上、類似の事故は繰り返されることになる。「原発事故には死者は出ていない」などという、無責任発言を繰り返す閣僚もいる。事故の重要性はもちろんのこと、原子力発電の本質すら理解していないのである。
これから続々と続くであろう、残りの29の裁判の行方に期待したい。出世に拘泥せず定年に近い、原道子裁判長の英断である。
世は、アッキード事件や稲田朋美のあほ・無責任事件にかまけて、原発事故を忘れてしまいそうになっているが、原発の永続性を忘れてはならない。

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1 コメント

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賠償額が低すぎる (ノブ)
2017-03-17 23:47:22
これは地裁レベルの判断だし15億の賠償請求に対して賠償支払い額はたったの3800万円だ。口では事故の責任は国と東電にある事を認めているが具体的な罪の重さが3800万円じゃ低すぎる。裁判長さん満額回答の勇気を持て。

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