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皆さんのお子さんは、お母さんのことを、どう思っていると感じますか?
「子供は、お母さんのことが大好きに決まっている」
そう思われる方も、たくさんいらっしゃると思います。
でも、自閉症児、発達障がい児に関しては、そうとも断言できないのです。

私の息子は、重度の知的障害を伴う自閉症児で、
私のことを 「特別な人物」だと認識したことを、
初めて実感できたのは、4歳後半でした。
「特別な人物」だという接し方が見られるようになっても、
「母親」だと、わかっているかまでは、定かではありません。
実感できたからと言っても、ベタベタと甘えてくる仕草などは見られませんでした。


息子は、年少児に、障がい児通園施設に通っていました。
毎日、お迎えに行くのですが、息子の目の前に立っても、
私の存在に全く気づく様子もなく、視線も合わず、
何も視野に入っていないようで、無表情のまま動きませんでした。

私から、頭を撫でたり、手を握ったりして、体に触れると、
やっと 「誰かがそばにいるんだ」と言う感じです。
「お母さんが、お迎えに来た」という感覚ではなく、
「この人が来たら、家に帰る」というような解釈をしているように感じました。


自宅で過ごしている時も、その様子は変わりません。
自分の好きな遊びに没頭しているから、という理由だけでは片づけられないくらい、
私が何をしていようが、家族が帰宅しようが、何の関心も示しませんでした。


その頃は、毎朝お兄ちゃんを、幼稚園の通園バスに乗せて見送っていました。
玄関前まで、通園バスが来てくれるので、
息子は部屋に残したまま、戸締りをしてバスを待っていました。
いくら玄関前でのわずかな時間だからといっても、
息子を一人にしておくのが心配で、お兄ちゃんを見送ると、
すぐに慌てて部屋に戻り、息子の様子を確認しました。

心配で、バタバタと焦って戻ってきても、
息子は、私の方に振り向くことさえありませんでした。
何においても人と関わることには無関心で、
私には全く手の届かない、息子だけの世界に行ってしまっているようで、
毎日が、とても悲しかったです。
視線が合わないどころか、名前を呼んでも気づくことも、
私を後追いしてくることすらありません。
息子と二人でいるのに、いつも私は一人ぼっちな気持ちでした。

息子を、愛すれば愛するほど、虚しさが増していく・・・
そんな年月が、とてつもなく長く感じました。


虚しさ 
 



心理学用語の中に 「愛着理論」 に基づいた 、
「愛着障害」というものがあります。

発達障がい児は、特に幼児期に、
この 「愛着障害」を引き起こしているケースが非常に多いそうです。

通常、定型発達の場合は、生後2年目までに、養育者(父母)間で、
愛着が形成されていきますが、
発達障がい児の場合は、愛着が形成される時期が、数年遅れるケースが多いです。

例を挙げれば、
「両親に対しての愛着や、特別な存在だという意識が殆どない」
「社会的な関わりの中での喜びや、探究心がみられない」
「全くの他人にも、無感情のまま接してしまう危険への注意の欠如」
等が、あります。
自分にとって、特別大切な人という意識の形成が遅れているため、
愛着を持った人物を選ぶことができないという心理状況で、
情緒不安定さが強く表れる場合も少なくありません。

 

発達障害ではないけれども、乳幼児期に虐待や、ネグれストを受けた等、
両親から適切な愛情を受けられないまま生育していくことで生じる、
「愛着障害」も、あります。
保護者からの安定した愛情を示す行為が、断絶されたことで引き起こされることが多く、
後天性の精神障害の一つとして、幼少期以降の青年期に診断される場合も多いそうです。

ですが、この場合は、発達障がいが原因ではなく、
保護者をはじめとする、養育者の接し方に問題があることが見て取れます。
これらは、周りの大人が引き起こしてしまった精神障害。
先天性の障がい児の我が子に、
たくさんの愛情を注いでも報われない母親からしてみれば、
なんて残酷な育児をしているんだと、憤りさえ感じます。


自閉症児、発達障がい児の愛着障害は、
ゆっくりではあるけれども、年齢を重ねる毎に解消されていく場合が多いので、
この面に関しては、絶望的な障がいではありません。

実際に現在では、息子も私のことを「母親」だと、しっかり認識し、
「ママ」 「お母さん」は、私のことだと、きちんと理解しています。
そして、世界で一番好きな人だと、思ってくれていることが、
息子の言動から伝わってきます。
随分と長い間虚しい思いをしてきましたが、
「報われる日は必ずやってくるんだ」と、
これからも育てていく上での大きな自信となりました。
息子に必要とされていることが、涙がでるほど嬉しいです。


幼いうちに見られがちな、発達障がい児の愛着障害。
一言で、愛着障害と言っても、様々なケースがありますが、
これらを示す子供達には、心の発育不足も関連して、
衝動的、破壊的、過敏行動的、反抗的な行動が、
多分に見られる場合がありますので、充分に行動に気を付けてあげてくださいね。


一時期の苦しみかもしれないと思っていても、
その渦中にいる時の悲しさは、報われることのない絶望に匹敵するものです。
でも、虚しさに押し潰されていた私も、
今では、息子が笑顔で、私の元に駆け寄ってくることの喜びを知っています。
私が、ちょっと留守にしただけで、家中を探し回っていることも、
いつでも、私と同じ部屋にいることも、
私が笑顔でいるか、確認しようと覗き込んで来ることも、
学校に送った後に 「お母さん、おうちに帰っちゃったぁ~o(;△;)o 」
と、泣きながら、朝から帰りの支度をしちゃうことも・・・


今、お子さんと視線が合わない、関心を持ってくれないと感じているお母さん。
いつかちゃんと 「お母さんが1番 (*^_^*) 」と、思ってくる日がきますから、
報われない思いに負けずに、いっぱい愛してあげてくださいね。
ここで突き放して、二次障害的な愛着障害を引き起こさないためにも、
いつかきっと、お互いが一番必要な存在だとわかる日まで・・・
絶対、絶対、がんばって!! (*^ー^)ノ





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