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カミングアウトした娘をunconditional love(絶対の愛)をもって受けとめた両親

2013年12月13日 22時02分24秒 | エッセイ

2007年、アメリカの1時間38分のドキュメンタリー映画「For The Bible Tells Me so」(監督、Daniel G. Karslake )を遅ればせながら見て、印象にのこること、考えさせられること、色々とあったのだけれども、カミングアウトをした娘を全的な愛をもって受け入れた一組の両親のことは、とても印象深い。元ミズーリ州選出の米下院の民主党議員、そして2004年の大統領候補、Dick Gepharldtがその父親。いわば、彼女はセレブの娘。Chrissy。両親の卒業したノースウェスタン大学を、1995年に卒業。2009年には、ジョージタウン大学のロースクールを終えているのだけれども、カミングアウトしたのは、2004年、父親が大統領候補になった年に重なる。その選挙キャンペーンに彼女のカミングアウトは、不利になるのではと予測されもしたものの、現実には国全体に及ぶGayグループ等の支持を得ることにつながり、プラスともなった。

だが、政治家の家族。その一員として彼女は悩みぬいたはず。1997年に大学時代に出会った彼と結婚をしたものの、やはり同じ大学以来の同性の友人がいて、その彼女と自分が本当に求めた恋に落ちる。けれども離婚をして自身にとって本当のしあわせを分かち合える、その同性の恋人を選ぶことは、政治家である父親にとってどのような打撃になるのか。そのことも考えざるを得ない。深刻、むずかしい状況におかれた。だが、彼女は、カミングアウトをする決心をする。ところで、両親に話すために待ち合わせた店で、彼女が切り出そうとする前に、母親のJaneがChrissyの話そうとする内容を察していたように、そのことに触れた。つまりは、「夫のMarcではなく、彼女の方をあなたは選ぼうとしているのね」、ということ。

Chrissyとすれば、話そうとする内容が内容だけに、特別な思いをもって準備をしてきたであろう言葉の切り出しを、そうした形でズバリ言い当てられ、持って行きどころを失ってしまうようなことになるとは思ってもいなかったのに違いない。母親が見透かした通りに、彼女は、同性との愛を選び、それを両親に伝える決心をしてやってきた。そして、予想外のことに母親は既にそのことを察し、そしてそこで初めてChrissyが同性愛であることを知った父親のDickは、彼女が予想もしなかったことに、即座にあるがままの全てを受け容れてくれた。両親に話そうとするまでに彼女がいかに悩んだか、またこれまでに彼女が抱えてきたもののことを父親は思い、unconditional love、絶対の愛をもって彼女を護る姿を見せてくれたのである。

何という父親だろうか。人間の理想のような心を持った人。そのようにしか思われない。本当に我が子を愛している人ならではの、その包容する愛の深さ。宗教云々、同性愛云々などを超えての、その愛情。その母親と共に。その心の豊かさには、言葉がないほど。素晴らしい両親、と思うしかない。

         

           Chrissyの両親

           

 

                        Chrissy

                        

                        

 

 

 



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