Snowy prince・168「Snowy」
「チャンミン、、、チャンミン起きて」
「ん、、、、どうし、、、、」
結局僕は初日から、夜になると
ヒニムと一緒にこの山荘へとやってきて
僕だけそのまま泊まり込んでいた。
ヒニムには甘えん坊だと笑われちゃったけど我慢出来なくて。
ユノに起こされたのはちょうど三日目の明け方。
久しぶりの公務で疲れていたせいか
声を掛けられてもなかなか目を開ける事が出来ずにいた。
「チャンミンったら。ね、見て。、、、んー、、、まだ起きないか。おい!出来たぞ!」
「ん~~、、、ん、、ん??、え、あ、宝石が!?」
「そ。ほら、起きて(笑)、これ見て」
身体を起こすまでもなく、目の前に差し出されたのは
見たことが無いほどに大きく透明な宝石、、、
これは、後にも先にも存在し得ない
最高級のダイヤモンドだ。
美しい輝きを放つのに最も重要なのがそのカット。
ユノが作り上げたものはブリリアントカットの中でも最高峰の出来栄え。
とても複雑に計算し尽されて、見事に光を反射している。
それを、二つも創ってしまったなんて
一体どれほどのエネルギーを消耗したことだろうか。
「信じられない、、、こんなに美しく輝く宝石は見たことが無い、、、なんて、、、なんて素晴らしい宝石、、、」
「目の肥えたお前がそう言ってくれると安心する。何しろ俺は今まで宝石なんて興味なかったし、小さなピアスくらいしか持ってないからさ」
「けど、ユノは石の直系だからね。やっぱり逸脱してるんだよ。本来持っていたその能力は、今まで眠っていただけに過ぎない」
「石長から与えられたお陰だろ。俺は何もしちゃいない。ただ我武者羅に挑んだだけさ」
「ううん。これはユノにしか創れないと思う。ユノの素直な気持ちがそのまま表れてるようだもの。それにこれ何ていうか、、、不思議、、、」
「気付いた?面白いだろ。これ」
ユノが手掛けたダイヤは、
一般的なダイヤのように単純な代物ではない。
角度によっては赤い炎のように輝き、
或いは、青い氷のようにも輝きを放つ。
「これは、、、」
「炎と氷が共存する世界がこの中にあると思わないか?、、、まさしく、俺が創りたかったものはこれ。俺たちが望んでいるもの、、、だろ?」
「うん。やっぱり凄い。これはユノにしか創れない。ユノだからこそ産まれた宝石。両国に献上するのにこれ程相応しいものは無い」
「じゃぁ、改めて正式に、、、。Snowy王国、国王陛下。私が創ったこの宝石を、受け入れて下さいますか?」
「、、、どうしてそんな言い方、、、ユノだってSnowyの王でしょう?」
そう言うと、ユノは笑いながら顔を振る。
自分はあくまでも僕のパートナーという立場であり、
王では無いのだと。
「俺はお前さえ手に入ればそれでいいし」
「ったく。、、、僕はもうとっくにあなたのものでしょう」
「誰にも渡さないぞ。、、、ところで、どうでしょう王様。お気に召されましたか?」
「じゃぁ、僕も正式に返事をするよ。、、、ユノ。こんなに素晴らしい宝石を創ってくれてありがとう。心から感謝し、王としてこれを受け入れます」
「ありがとうございます。、、、、あーーーーホッとしたーー」
ユノは大きな声を出して両手を伸ばし、
弾みをつけて僕の横に寝転がり、
作業場での険しい表情はすっかり消えて
穏やかな優しい顔で僕を見つめた。
「今日中に火の国へ納めてくるよ」
「うん」
「お前も一緒に連れていきたいけど、公務を休むわけにはいかないだろ」
「、、、うん」
「ミノに叱られる(笑)」
「(笑)、うん。めちゃくちゃ叱られると思う」
「陛下は満足してくれるかな、、、これ」
「大丈夫。必ず気に入って下さる。自信を持って」
朝日がすっかり昇った頃、僕たちは揃って城へと戻り、
三人で朝食を摂った後で
ユノとヒニムは二人して、
ヒニムの自宅と共に、火の国へと向かう事になった。
いゃ、、、
戻った、と言った方が正しいのかもしれない。
ユノはSnowyの王ではないと言うけど、
火の国の王子だという立場は自他ともに認めているのだから。
ヒニムとは長い事一緒に居たから、
いざ離れるとなるととても名残惜しくて
寂しくなってしまったけれど、
ヒニムはいつものように笑って言った。
「チャンミンたら(笑)そんな顔しないの。さようならじゃないんだよ?だって、僕たちの国は繋がるんだもの。いってきます、だよ」
「、、、ん、そうだね。待ってる。いってらっしゃい」
「いってきます」
「おりこうにして待っててね~♪」
つづく
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
今回もSnowyに会いに来てくださり、
ありがとうございます(*´ω`*)
さて、
Igの方でアップしていますが、
バンビのスマホカバーを買いました。
で、バッテリーがこれ。
バンビのスマホと
いちごのバッテリーを
繋ぐ♡
・・・( ゚д゚)ハッ!
おひとつしてくださいませ
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