パーキンソン病とは、脳の大脳基底核というところにあるドーパミン神経が変性脱落することで起こるものです。病気の内容をお話しすると難しい話になってしまうので、ここでは主に症状や治療について話していきたいと思います

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パーキンソン病には原因不明のものや家族性のものがありますが、約9割が原因不明のものとされています。家族性のものは遺伝や環境が関わっているとされています。パーキンソン病の症状には特徴があり、以下のような症状が特徴的な症状とされています。

運動症状
1.振戦
安静にしている時に手や足の震えが起きます
2.固縮
関節を曲げ伸ばしした時に固くなり、抵抗感を感じるようになります
3.無動
体を動かすのがゆっくりになる、字や声が小さくなるなどの症状もあります
4.姿勢反射障害
転びそうになったときに体を立て直すのが難しくなります
5.その他
小刻みに歩く、歩きだしの1歩目がでない、前傾姿勢、歩き出すと止まれない
などの症状がみられます

運動以外の症状
1.自律神経障害
便秘、起立性低血圧(立ち上がった時の目まいなど)、頻尿
2.認知機能障害
パーキンソン病由来の認知症
3.うつ状態
自発性の低下、感覚の鈍さ
4.ドーパミン調節異常
5.その他

睡眠・覚醒障害、感覚障害、痛み

パーキンソン病の方は体が硬くなったり倒れそうになった時に立ち直れなかったりなどの理由で後方に転倒しやすくなります。身近な方で、最近動きが鈍くなってきたり、声が小さくなってきたり、よく後ろに転ぶようになってきたりなどの症状がみられるようになってきたらパーキンソン病を疑って、1度精密検査を受けてもらうと良いかと思います。

パーキンソン病の治療は薬物治療とリハビリテーションが主になります。薬物治療としては、L-ドーパというドーパミンを補充するような薬物により、症状が軽快することがあります。しかし、この治療法には徐々に薬が効きにくくなるという特徴があるため、若い方はL-ドーパ以外の薬物によって症状の回復を図っていきます。また、リハビリテーションとしては体が硬くならないようなストレッチをしたり、足腰の筋力トレーニングが主になります。

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それ以外の治療法としては、外科手術により脳に電極を埋め込むものや、遺伝子による治療などが研究として進められています。また、iPS細胞での再生医療も研究が進んできているので、現在は完治が難しい病気とされていますが、将来的にはさらなる症状の改善が期待できるのではないかと考えています



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